バトルファイト考察

仮面ライダーブレイドにおいてキーワードとなるバトルファイト…
本編ではあまり詳しい解説はなかったのですが、いくらか整理して考察してみたいと思います。

1.バトルファイトとは何か

バトルファイトとは、一万年周期で行われるアンデッド達の戦い、戦争を指します。
一言で言ってアンデッド達のバトルロイヤルで、53体のアンデッドが最後の一体になるまで戦いが続きます。
その為に、アンデッド同士は同類でありながら最終的には全てが敵という訳です。
戦いに敗れたアンデッドは封印の石が現れてカードに封印し、勝者に勝利の証として与えられます。
こうして最後に勝ち残ったアンデッドが優勝となる仕組みです。
そして、優勝したアンデッドの種が地球の支配権を獲得し、万能の力が与えられるとの事。
その気になれば自分の種以外の生物を絶滅させる事ができるほどの、世界を自由に作り変える力を…。

2.アンデッドについての整理

そもそもバトルファイトの参加者であるアンデッドとは?
彼らはその名が意味する通りのアンデッド(不死生物)です。本編中での描写はあまりありませんでしたが、彼らは戦闘不能に追い込まれても時間さえあればダメージを回復し、再び行動可能になるそうです。
(レンゲルのリモートで解放された際に、ディアーアンデッドの角が元に戻っていた等)
本編中にそこまでやった描写がないので、頭部を破壊する、トライアルシリーズの様に復元不能なまでに完全に消滅させても復活するのかという疑問はありますが。
まあ、何にしても彼らを完全に行動不能にするには封印するしかない訳です。

彼らアンデッドは、○○○アンデッド(例・ビートルアンデッドetc)という様に、生物の種の名前がついてます。
そして、彼らは現存の生物の祖である存在だそうです。(既に絶滅した三葉虫のアンデッドも存在しますが)

つまり彼らは、種の代表として生存競争をシミュレート、もとい実際に行っているという訳です。
ある意味では彼らは、このバトルファイトという種同士の戦争を行うために用意された存在であるとも言えます。

封印された彼らは次のバトルファイトまでカードの中で待ち続け、バトルファイトの開催に伴って解放され再びバトルファイトを開始します。
世界の覇権をかけて再び戦う、と言えば聞こえはいいですが、戦うためだけに解放され戦い、封印されれば一万年もの間ラウズカードの中で眠りにつくという彼らはお世辞にも幸福とは思えません。(人間の尺度のものの考え方ですが)
彼らはある意味では「統制者」に縛られた囚人とも言えるのです。
デザインが拘束具をイメージしていると言うのは、そういった意味を含んだものなのかもしれません。

アンデッドの中にはタイガーアンデッド(城光)の様に自らの種の繁栄のために誇りを持って戦う者もいれば、キングことコーカサスビートルアンデッドの様にバトルファイト自体への興味もなくただ享楽的に楽しみを求める者、嶋さん、タランチュラアンデッドの様に戦いを望まない平和主義者もいます。
これは、何度もバトルファイトを経験したからこそ抱いた思想だったのかもしれません。

3.バトルファイトの目的とは

最初の項で述べた様に、優賞したアンデッドには世界の支配権が与えられ、世界を自由に作り変える万能の力をも手にする事ができます。
これは、あらゆる生物の種同士が戦った結果、生態系の頂点に立つにふさわしい種を決定するのが目的であると考えられます。
前回のバトルファイトの優勝者は人間の始祖たるヒューマンアンデッドであり、このヒューマンアンデッドの勝利により人間は現在の繁栄を享受し、生態系の頂点に君臨しているというのがBOAROの見解です。

烏丸所長はこのバトルファイトの創始者であり進行役である「統制者」の正体を造物主である神ではなく、生物達の「他の種よりも優れた進化をしたいという本能の集合体」と推測を立てています。
その進化を欲する統制者によりバトルファイトは開催され、アンデッド達は戦いを求められるのです。
この根拠については後述しますが、これでもう1つのキーワードは「進化」であると言える事になります。

世界を支配するにふさわしい種の決定と、種の戦いによる進化の促進。
これがバトルファイトの真の目的なのではないでしょうか。

4.統制者とは何者なのか?

前の項で触れましたが、統制者は世界を支配するにふさわしい種を決定するためにバトルファイトを開催し、生物の祖であり代表者たるアンデッドに戦いを求めます。
その裏には、恐らく生物の進化を促進させるという思惑も込めて…。

少なくとも、烏丸所長の統制者≠神という説は的を得ていると思います。
恐らくはバトルファイトのためにアンデッドという不死の生物を作り出すという造物主に近い力を持っています。
しかしながら、人間の感覚では計れない存在だからなのかもしれませんが、少なくとも思考は人間的とは言い難いものがあります。
ある一握りの人間の思惑で始まったブレイド本編におけるバトルファイト。
BOARO理事長天王寺に捕らえられていたからなのか、あるいは自分で開催したからではないからなのか、統制者は本来の自分の役目であるアンデッドの封印を全く行いませんでした。
つまりその時点でアンデッドを封印できるのは封印できるラウズカードを持つ仮面ライダー達と、封印の石なしでアンデッドを封印できるジョーカーしか勝者にはなりえない訳です。
ギラファアンデッドこと金居の言う通り、アンデッド同士がいくら戦っても決着はつかない、本来の主旨とは全く外れたインチキもいい所の試合です。
おまけにその中にはアンデッドではない仮面ライダーの存在、人造アンデッドであるケルベロスを新たなアンデッドと認識したりとイレギュラーだらけです。

にも関わらず、ちゃっかりと残った最後のアンデッドであるジョーカーの前に現れ勝利を認定しました。
開催も怪しい、乱入者というイレギュラーの存在、おまけに自分が運営と監督を放棄していたにもかかわらずです。
これはもう、過程は全くの度外視で結果にしか興味がないとしか思えません。

また、優勝者であるジョーカー、始の対応についても疑問があります。
後述しますがジョーカーはどの種でもないため、このアンデッドが優賞すれば地球の覇権を握る種の該当がないという事になり、全ての生物が滅びるという決まりになっています。
しかし人間の心が芽生えたジョーカー、始は滅びなど望んでいませんでした。
作中でもモノリス(封印の石)に対して「やめろ、俺は何も望まない!」と明言しています。
にも関わらず、ルールにのっとって全生物のリセット、つまり滅びを決定しました。

ルールではあっても、人間の感覚で考えればある程度は勝者の言い分や望みを聞くのが筋です。
しかしジョーカーが勝利=全生物の滅びというルール通りの決定しか下しませんでした。
やはりルールや規則、結果以外には眼中にないというのが正しい見解の様です。

これらの事を考えるに、ほぼ間違いなく統制者はただルールにのっとってバトルファイトを行う、バトルファイトの開催者・運営者でしかないと言えると思います。
イレギュラーであるとはいえ剣崎がジョーカーと化した事で、未封印のアンデッドが2体存在する事となりました。
その途端、手の平を返した様にジョーカーの優賞を無効とし、バトルファイトの再開を宣言しました。
やはり統制者はバトルファイトの統制者でしかなく、造物主たる神とは考えにくいです。

剣崎は自分の意志の表明とばかりに、統制者の意志を伝えるモノリスを破壊しました。
とは言え、進化をしたいという欲求はどの種も当然の様に持っている本能であり、地球上に生物が存在する以上統制者が消える事はなく、バトルファイトが絶える事もないと考えられます。

〜追記〜
ヒーローショーによれば、統制者が天王寺を操って、自分が乗り移るためにケルベロスを作らせたという設定がありました。バトルファイトの再開とルール違反者の粛清のためという目的で。
なるほど、そう考えればケルベロスなんて現行生物の祖でも何でもない存在をモノリスが認めた訳ですね。
ヒーローショーなので公式設定ではない様ですがなかなか原作の謎を補完していると思います。

5.ジョーカーはなぜ存在するのか

バトルファイトの「切り札」、「冷酷な影の殺し屋」…ジョーカーは様々な呼称で呼ばれています。
ジョーカーは封印の石がなくてもアンデッドを封印する事が可能であり、ライダーシステムの基盤になった様に封印したアンデッドの姿と力を使う事ができます。
まさしくワイルドカード(万能のカード)たるジョーカーにふさわしい特性であると言えます。

戦闘能力も格段に高く、下級アンデッドならほぼ一撃でダメージと共に封印し、伝説の強さを誇ったというマンティスアンデッドですらまともな勝負にならず封印されています。
その力の発端で強豪エレファントアンデッドや最強とも言えるカテゴリーKのキングですらひるませています。
能力といい戦闘力といい、最強に近いアンデッドです。

しかしこのジョーカー、どの生物の祖でもありません。これだけ別格な高い能力を持っており、優賞に最も近い存在であるにも関わらず、生態系の頂点に立つにふさわしい種を決定するバトルファイトの主旨から明らかに外れた存在です。おまけにこのアンデッドが勝ち残れば全ての生物が滅びる事となります。

その高い能力とルールから、ジョーカーはほぼ全てのアンデッドから忌み嫌われていた事は想像に難くありません。
実際、作中にはサーペントアンデッドの様にジョーカーを最優先に狙っていたアンデッドも存在していました。
人間のコントロール下にあった合成アンデッド・ティターンですら、アンデッドの本能からジョーカーを攻撃しようとした描写がありました。
全アンデッド共通の敵と言っても過言ではないのかもしれません。

生態系の頂点に立つべき種を決定するバトルファイトにおいて、このジョーカーが存在する理由はそこにあるのかもしれません。
全アンデッドの敵である事。つまり、全ての種にとって共通の敵である事。
それは、天災や環境の変化、寿命といった「死」の象徴であるのかもしれません。
ジョーカーは「道化師」であると同時に、「嫌われ者」、「死神」を指す存在でもあります。
種にとっての最大の敵である「死」、「絶滅」。
それらを乗り越える事をバトルファイトの主旨の1つである進化の促進のために、敵として作られたのだと考えられないでしょうか。
その「死」を乗り越えられなかった際には「死」の存在に負けたと言う事になり、全生物の滅びという形で「死」が世界を支配し、全生物をリセットする。
もしかしたら地球上の歴史にあるあらゆる生物が死に絶えていたという時代…それはジョーカーが優勝したからだという使い方をする事もできますね。

ジョーカー=死の象徴。それを裏付ける様にジョーカーには知性がない訳ではないにもかかわらず、あまりにも闘争本能に支配されすぎるきらいがあります。
ジョーカーの姿になった始もまた、「俺の心は傷を受けるごとに戦う事しか考えられなくなり、一匹の獣に近づいていく」と言及しています。
大暴れした際には人間とアンデッドの区別すらつかなくなり、完全な暴走状態になりました。
恐らく戦う役割しか与えられていなかったからではないでしょうか…。

もうひとつの考えですが、もしかするとジョーカーは統制者、つまりシステム側の存在なのかもしれません。
嶋やキングの様に、バトルファイトへの興味を失ったアンデッドがわずかながら存在していました。
一般のアンデッドはバトルファイトや自分の存在を疑問を抱くことなく種の繁栄のために戦いを行いますが、稀にそういったアンデッドも存在する様です。
そう言えば睦月がギラファの金居に「アンデッドが戦いをやめろと言っている」とか言ってましたね。(本当かどうかは謎だけど)
そういったアンデッドが増えてしまうとバトルファイトは成立しません。実際、テレビ版ラストの剣崎がやっていた事がそれでしたからね。そのためにバトルファイトに何の疑問も感じずただ本能に従い、アンデッドを封印していくジョーカーが存在するのかもしれません。

少し蛇足になりますが、前述の様にジョーカーが優賞した際には全生物が滅びる事がルールとして定められています。本人が望む望まないに関わらずです。
これはジョーカーには普通のアンデッドが持っている優賞者の権利すら与えられていないという事になります。
それを考えれば、ジョーカーが背負っている宿命はあまりにも不憫といえます。
それ故に、運命と戦い別の道を切り拓いた始と剣崎に大きなものを感じずにはいられないのですね…。

〜番外〜 アルビノジョーカーって何だろう?

劇場版・MISSING ACEに登場したもう1体のジョーカー、アルビノジョーカー。
こちらの世界では剣崎がジョーカー、つまり始を封印した道を選んだ未来です。

ジョーカーはトランプでは通常1枚しか使いませんが、一応2枚存在していますね。白いジョーカーです。
このジョーカー、外見自体は通常のジョーカーと色違いですが、明らかに別の存在です。
ジョーカーの本能に支配された始は、まさしく1匹の獣の様にただ戦いアンデッドを封印するだけの存在でした。
しかしアルビノジョーカーは非常に知性的(狡猾)で、オリジナルのジョーカーが持っていなかった人間への擬態能力も持っています。
それを用いて橘さんを騙し、新世代ライダーグレイブ・志村純一として暗躍していた訳です。

このジョーカーは言うまでもなくTV放映本編では存在していませんでした。
つまり、本来存在しないアンデッドなのでしょう。
ではどういった事態に現れるアンデッドなのでしょうか。
劇場版では始も含め全てのアンデッドを封印した、という設定で物語が展開しています。
そこでアルビノジョーカーが現れ、多くのアンデッドを封印から解放し、計画を秘密裏に進めていきました。

この経緯から、アルビノジョーカーはバトルファイトには参加しないが、何かの事態でアンデッドが全て封印されてしまうという異常事態に陥った際に現れるアンデッドなのでしょう。
本編では志村純一が普通の警官として登場していますから、人間がジョーカーとして覚醒する可能性もありますね。
目的はバトルファイト再開のために全アンデッドの解放…とも言い切れませんね。
邪神14(フォーティーン)を蘇らせ、世界を破滅させようとしていました。その上でバトルファイトを再開するのでしょうか?
そう言えば全アンデッドが封印された状態でアルビノジョーカーが発生したら、何をするまでもなくアルビノジョーカーが唯一勝ち残ったアンデッドとなるはずです。
…となればジョーカー優勝→全生命のリセットという図式になりますがそうならないという事は、アルビノジョーカーはやはりバトルファイトに参加しない・参加が認定されていないアンデッドという事なのでしょう。
そのためにオリジナルのジョーカーの時のダークローチの大量発生という滅びの手段でなく、14を用いて世界を破滅させようとしたのでしょうか?

そもそも14の存在自体が不明瞭です。そもそもあれはアンデッドなのか?バトルファイトと何の関係があるのか?
ロイヤルストレートフラッシュで消滅した事からアンデッドではなさそうです。(ロイヤルストレートフラッシュは恐らく純粋なアンデッドを完全に消滅させる事はできないだろうとの解釈で、ケルベロスや最終回の始から)
しかしカテゴリーK4枚のカードで発生する、バニティカードに封印された生物を生贄に作動するので、バトルファイトがらみではあるでしょう。はたまたこれが『統制者』とはあまり思えませんしね…。

自分なりの結論はアルビノジョーカー用の世界破滅装置、という辺りしか出ません。
バトルファイトの勝者に与えられる力、とも思いましたが、もらってもあまりありがたみはありませんし万能の力と言うには破壊の力以外持ち合わせていなさそうです。
バトルファイトにそれ程関係なしに封印は解ける様ですが、作動装置及びエネルギー源である生贄はカテゴリーKを4枚揃えた際に発生するバニティカードがなければ作動させる事はできません。
しかし、そうなると通常のカテゴリーK以外のアンデッドがあの14を使う事ができる可能性もあります。
だとすれば、バトルファイトの裏技的な存在なのかもしれませんね…。

話はだいぶそれましたが、やはりアルビノジョーカーは全アンデッドが封印された際に発生する、バトルファイトのリセット装置なのでしょう。知性がオリジナルよりも高く狡猾なのもそのためという事だと思います。
ジョーカーは通常1枚しか使いませんが、ジョーカーが紛失した際に使う予備という意味合いもあるのかもしれません。
本編は劇場版と違って、始を封印する以外の選択肢があったから現れる事がなかったという訳で。

6.バトルファイトの疑問

さて、生態系の頂点を決定し、進化を促すためのバトルファイト。
いくらか疑問点を挙げたいと思います。

@バトルファイトはいつから始まったのか?

様々な種の祖たるアンデッド達は基本的に現生生物です。しかし例外的に2億5千万年前に絶滅したとされる三葉虫のアンデッドが存在します。
現生生物の祖であり、太古に地上を支配していた恐竜のアンデッドが存在しないという点から、新生代(約6000万年前)頃から始まったものと思いましたが、三葉虫の生息していた時期はそれよりはるかに前で、下手をすると恐竜よりも前になります。
それはトリロバイトアンデッド(三葉虫)だけが絶滅動物の中で例外的にアンデッドとして存在しているのか、水棲甲殻節足動物を含めた種の祖として代表的に存在しているのか、それとも想像以上にバトルファイトの歴史は古いのか…見当がつきません。

Aバトルファイトで優勝したアンデッドはヒューマンアンデッドの他にもいるのか?

高原ことイーグルアンデッドが言及した様に、バトルファイトが開催される度にアンデッドの存在する種に地球を支配するチャンスがあった事になります。
現在の人類の歴史というのはそれこそ一万年にも満たない様な、地球の歴史から見ればほんの一瞬の期間です。
種の進化・絶滅のスパンというのは数千・数万年単位の長さです。
一万年前のバトルファイトが初めてという訳もないと思いますので、既に何回か、いや何百・何千回も開催されていてしかるべきです。
前置きは長くなりましたが、ヒューマンアンデッドが初優勝したのは一万年前で辻褄が合うとしても(これでも既に旧人や新人が文化を形成している時期になりますが)、他のアンデッドが優賞した機会なんてそれこそ何度もあったはずです。地球上の歴史を見てみる限り、突出して繁栄した種が存在していた時期は恐竜から人間までの間まずなかったと思われます。
それは多少の繁栄はあったと思いますが、バトルファイトでもたらせる種の繁栄は多少数が増えたとか多く分布したとか、その程度のレベルではなさそうです。何しろ、世界を思うままに変えるだけの力ですから。
アンデッド達がちっぽけな繁栄など望むべくもなさそうなので、他のアンデッドが優賞していたら種の繁栄や分布はもっと劇的に変わっているはずです。
これらの事を考えて見るに、
T.共倒れ等の無効試合が多かった
U.優賞アンデッドの望みは意外にも慎ましやかだった
V.万能の力というのは誇張で実際には大した事はなかった
W.一万年周期という説は誤りで実際はもっともっと長かった
X.昔はもっと優勝者に与えられる権利は慎ましやかだった。前回になって急に事情が変わった。

…などというのを考えてみました。VかW辺りが妥当ですかねえ…。

B一万年周期は短くないか?
あら、Aでほとんど言及してしまいましたね。
生態系の頂点というレベルで見ると、短い歴史の人類と異なりスパンが短すぎます。

C新しいアンデッドがあんな簡単に認められていいのか?

2つのアンデッドを合成したというティターンはともかく、天王寺が自らの野望の為に作らせた人造アンデッド、ケルベロスやジョーカー化した剣崎が後に増えたアンデッドに数えられています。
前者はよくわかりませんが、確実に後者のジョーカー剣崎はアンデッドとして認められています。

進化という現象に統制者は固執していると思われるので、人為的な生命であろうと生みだされた新たな種は進化の一部だと考えたのかもしれません。
もしくは、限りなく本物に近い偽札と同じ理屈で、統制者がアンデッドだと認識してしまったのかもしれません。
ジョーカー剣崎についても同様で、アンデッドになりうる人間の存在を進化の一部として認めたものと思われます。
もしかしたら、統制者は結構いい加減なのかもしれません。

追記と被りますが、もし統制者自身がバトルファイトに関与するためにケルベロスを認定したというなら、全く不自然な事ではありませんが…。

Dヒューマンアンデッドはどうやって優勝したの?

アンデッド達は皆不死生物、生物の祖という点で共通していますが、上級アンデッドという格上の存在がいます。
その中でもカテゴリーキングは同じ上級アンデッドでもカテゴリークイーンやカテゴリージャックよりも明らかに別格です。
本編中の描写を思い起こすに、

通常のライダー達が束になってもかなわなかったカテゴリーJのエレファントアンデッド

ブレイド・ジャックフォームで瞬殺

そのブレイドとギャレンのジャックフォーム二人がかりを撃退したカテゴリーQのタイガーアンデッド

突然現れたカテゴリーKのギラファアンデッドにほぼ一撃で致命傷(連戦の疲労もあるだろうけど)

何と言うかインフレ状態です。
多少個体差はあると思いますが(タイガーアンデッド以外カテゴリーQは弱いとの声もあったし)差がありすぎです。
これではカテゴリーK、あるいはジョーカーしか優勝できないと思えるのも自然です。

そんなカテゴリーKが4人もいる前回バトルファイトで実質最弱のカテゴリー2であるヒューマンアンデッドがどうやって勝利したのか…。
まあバトルファイトはバトルロイヤル形式をとっていますから策を弄した、複数で袋叩きにしたという可能性もありますが数の差程度カテゴリーKは明らかにひっくり返せるだけの強さがありますね…
カテゴリーK同士がお互い潰しあったと考えるのが一番自然でしょうか。
最後にヒューマンアンデッドが運良く残ったとも考えられますが、作中で始が
「一万年前に俺を封印したヒューマンアンデッドのもとに向かった」
と言及しています。それを考えるとヒューマンアンデッドは少なくともジョーカーに勝って封印したと言えます。
謎は深まるばかり…。

ここで意外な情報を耳にしたのですが、ヒーローショーの設定ではバトルファイトの優勝者は次回カテゴリー2になるルールがあり、ヒューマンアンデッドは本来カテゴリーキングだったそうです。
なるほど、カテゴリーキングなら優勝できても全く不自然じゃあありません。
しかしそうなると、カテゴリー変動が起こるという事は53体の参加アンデッドにも変動がありそうな気がします。
特にカテゴリーAとカテゴリーKの基本種と上位種という関係を踏襲するなら間違いなく…。
虎太郎の言っていた「猿のアンデッド」とかが本当にカテゴリーAにいたのだろうか…?

話はそれましたが、ヒーローショー設定が用いられるならバトルファイトの連覇は難しいシステムなります。
だからあえてヒューマンアンデッドは故意にジョーカーに封印されたのかも知れません。
恐らくはジョーカーに心を与えるために…。

7.まとめ?

バトルファイトというのは、地球を支配する種を決定するためのアンデッド達の戦争で、進化を促す事も目的としている。そう思います。
ただし、優勝したアンデッドの望みをかなえるというのはある意味では種の退化になりうるとも思いますが、勝ち残る事こそ生存競争に勝つという事であり、全てを決める権利も得られるという事で認められているのだと思います。
ただし、統制者自身がルールに凝り固まっている上にアバウトな感があるので、いくらでも反則行為が可能で主旨から外れる事も当たり前に起こりかねないです。
何にしても、人間自身が自然の掟のルールブレイカーだったのではないかと思える節も多々あります。人間が余計な真似をしなければ、健全に種同士のバトルファイトという名の生存競争が行われていたのですから…。

いい加減ですがこんな感じの考察をしてみました。
もし聞きたい事があるという方がいれば、できるかぎりでお答えしたいと思います…。

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