平成ライダーについての雑感です。ネタバレ注意。

仮面ライダークウガ

平成ライダーと言われる現代のライダーの始まりと言われる作品。
古代の戦士クウガのベルトを身につけた主人公五代雄介が太古から蘇った戦闘民族グロンギに立ち向かう話。
設定もリアルな現代的になり、警察と連携して怪人を倒していく展開、さらに深く踏み込んだ人間の描写が話題に。
全編を通して理不尽に行われる暴力の否定がテーマとして一貫しており、
楽しみの為だけに人間を狩るグロンギと、正しい事のためとはいえ暴力を行使しなくてはならない事に心を痛めていた雄介の描写が特に対比されている。

主人公であるクウガはバランス・スピード・射撃・防御力といった4つのフォームチェンジを行い、敵に合わせた戦い方ができるのが特徴。
各フォームの強化形態など全てを合計して11ものフォームを持つ驚異のフォーム数を誇る。

昭和時代のライダーに恥じないクオリティを誇り、今もなお平成ライダー屈指の評価を受けている。

十分大人が見ても楽しめる濃厚なライダーだと思います。むしろ小さな子供の方が通じずらいかも。
ぜひ親が子供と一緒に見て、暴力や正義とはどういうものなのかを教えてあげてほしいと思います。
殺人を娯楽として楽しむグロンギ、主人公であるクウガもグロンギと同質であり心を失えばグロンギと同じになってしまうというのはまさに象徴的。
最後の敵であるダグバはまさにその顕れで、傷つきも笑いながら殴るダグバと泣きながら殴る五代はクウガのテーマが凝縮されたシーン。
暴力でしか解決できない悲しさなんて実感がなくて漫画ではほとんど感じた事なかったですがこの作品で強く実感。
やっぱり生の人間が演じる演技ならではと感心しました。

○仮面ライダークウガ

・五代雄介(クウガ)
自称、2000の技を持つ男。冒険家として世界を旅しているらしい。
笑顔とサムズアップがシンボルマーク。
遺跡で発見された古代の戦士クウガのベルトを手にした事により、クウガに変身できる様になる。
理由なき殺人を繰り返すグロンギから「みんなの笑顔を守る」ために戦う。
楽天的な人間の様に見えるが誰よりも暴力を憎む心を持っており、正しい事のためとは言え暴力を振るわなければならない事に心を痛めていた。
激化する戦いとそれに対するための肉体の強化変異に心身を痛めながらも、心を失う事無く言葉通りみんなの笑顔の為に戦い続けた。
グロンギの首領であるン・ダグバ・ゼバを倒した後は、再び冒険に出た。
大空の様に大きな心と強さを持った人間だった。

・グローイングフォーム
最初に登場した不完全形態。白く、角が短い。
変身維持に深刻なダメージを受けたり、戦う意志が不十分な際にこのフォームになる。

いかにも白くて角が貧弱で弱そうです。
主に視聴者に危機的状況をアピールするためのフォームですが、この状態でも一応必殺技があり、敵を倒した事もあるのでそれほど弱いイメージはない。

・マイティフォーム
心正しき戦士クウガの真の姿。角が大きくなり体が赤い。攻守のバランスが良く、汎用性と柔軟性が売り。
武器は使用せず、素手での接近戦がメインスタイル。
警察には未確認生命体第4号と呼称されていた。
必殺技は封印エネルギーを右足にこめたマイティキック。

デフォルトのフォーム。登場回数・勝ち星は最も多いはずなのに、序盤マイティフォームで苦戦→別フォームで逆転というパターンが多かったせいでどうも弱そうなイメージがある。
最初バランスのいいマイティで敵の能力を探り、敵に合わせたフォームにチェンジするという使い方も多かったせいかさらに強くない印象が…。

・ドラゴンフォーム
スピード・ジャンプ力に秀でた青のクウガ。特にジャンプ力は非常に優れており、数十階のビルの頂上にも軽々と飛び乗る事ができる。
その分パワーが落ちており、棒状のものを変形させて形成するドラゴンロッドを使うのがメインスタイル。
必殺技はドラゴンロッドに封印エネルギーをこめて繰り出すスプラッシュドラゴン。

主に素早い敵に対するフォーム。特にジャンプ力が上がるため、移動によく使用していた。
また、水場での戦いでの使用が多いのも特徴。
ジャンプ力とロッドばかりが印象に強いが、敏捷性が上がるのも見逃せない。
このフォームでのアクションは身軽なものが多い。

・ペガサスフォーム
感覚に優れた緑のクウガ。視覚や聴覚が鋭敏になり、数キロ先の物を見たり音を聞いたりできる。
その超感覚により五代に対する負担も大きく、変身時間制限がかなり短く、下手をすれば膨大な情報量に翻弄されて行動不能に陥る。
武器は銃を使って形成するペガサスボウガンで、はるか遠くの敵を撃ち抜くブラストペガサスが必殺技。

感覚に特化した狙撃・対空用のフォーム。最初はこのフォームになった事で行動不能に陥るというダサい結果に。
とにかく射撃のためのフォームで、狙撃以外の能力は未知。
作中では百発百中で当てて一撃で仕留めているのであまり弱点を感じさせる事は少ない。

・タイタンフォーム
堅牢さに優れた紫のクウガ。力が強くなり、特に装甲の堅牢さは並大抵のものを受け付けない。
その絶対の防御力で相手の攻撃を受け流し、反撃で仕留めるという肉を切らせて骨を断つ戦い方がメイン。
弱点は装甲の厚さゆえに素早さが極端に落ちてしまう事。
切り裂くものを形成して作り出す、タイタンソードによるカラミティタイタンが必殺技。

力や攻撃力の高い敵に対するためのフォーム。このフォームになると他フォームで受けていた大ダメージがほとんど通用しなくなる。また、パワーもかなり強い。弱点もあまり目立った描写はない。
そのせいで最も強そうなイメージのあるフォームである。
攻撃をほとんどかわさないのはその防御力における絶対の自信なのか、かわせる敏捷性もないと言う事なのだろうか。前者だろうが後者の理由も多少あると思う。
やはり万能ではないのか、装甲の薄い部分を集中的に狙われたり、スケール外の強烈な攻撃を何度も受けるとさすがにヤバいらしい。
それでも強いイメージは十分に強いフォーム。

・ライジングタイタンフォーム
電気ショックによって身に付けたライジングパワーの発現で強化されたタイタンフォーム。
タイタンソードが巨大になり、もともと高かったパワーと防御力がさらに向上した。
タイタンソードの二刀流も可能となっている。

ライジングフォームで最多の勝ち星を誇るフォーム。
倒せなかったのはゴ・ガメゴ・レ位で他のどの相手も葬っている。
弱点は相変わらずと思われるが、やはり前フォーム同様目立つ事はないのは相手が真っ向からつっこんでくるだけだからなのか、通用しない相手にはこのフォームを使わないからなのだろうか?

・ライジングペガサスフォーム
ライジングタイタンフォーム同様、ライジングパワーで強化されたペガサスフォーム。
ペガサスボウガンが連射できる様になっており、さらに射撃能力が強化された。
ただし、さらに制限時間は短くなっている。

このフォームの登場が前ペガサスフォームとかぶるせいであまり印象が強くない。
さらに、バギブソンに乗るゴ・バダー・バには全て射撃が回避されてしまったせいで一番活躍した印象が薄いフォーム。
しかし、長距離狙撃以外の使い方も十分できる様で、溶解液が飛散するゴ・ザザル・バの離れてのとどめに使用したのも見逃せない。

・ライジングドラゴンフォーム
ライジングパワーで強化されたドラゴンフォーム。
ドラゴンロッドの両端に刃が付き、さらに攻撃性が増した。
スピード・ジャンプ力もともども向上している。

武器が変形した以外の特徴が薄いが、ゴ・ベミウ・ギ戦を見る限りパワーの弱体化がある程度カバーされている模様。
やはり水場での戦いが多い。

・ライジングマイティフォーム
ライジングパワーで強化されたマイティフォーム。
全ての能力がバランス良く強化されている。
特に必殺技のライジングマイティキックの威力はすさまじく、最上位のゴの怪人も爆散させてしまう。

強化マイティフォームであるが、必殺技の威力は比べ物にならない。
この必殺技の強さが何よりの特徴のフォームだろう。
その余波は半径数キロにも及ぶため、周辺への被害が危惧されたが、これがきっかけで警察とクウガが強く連携するエピソードが生まれた。
街中では使えない事を除けば非常に強く、マイティフォームの面目躍如だろうか。

・アメイジングマイティフォーム
ライジングパワーのさらに先を行く、黒いマイティフォーム。作中では黒の金の力と呼称された。
再度の電気ショックにより得た電気エネルギーでアルティメットフォーム直前の力を持っている。
必殺技は両足で繰り出すアメイジングマイティキック。

ゴ・ガドル・バ戦用のほぼ一回限りのフォーム。
ガドルのゼンゲビ・ビブブとアメイジングマイティキックの激突は名シーン。
しかしこれだけ強いフォームも次回のダグバにはアパンタイトルで手も足も出ずに倒されているのは悲惨。
まさに「驚くべき」強力なフォーム。

・アルティメットフォーム(凄まじき戦士)
古代の碑文にあった、「凄まじき戦士」の姿。
全身が黒く、角はさらに凄みを増した四本角になっている。
全てのフォームの能力を兼ね揃え、それら全てを上回る。まさに究極のフォームにふさわしい。
しかし、この形態になると心を失い、この凄まじき戦士によって太陽は闇に葬られてしまうという。
本質的にグロンギの首領ダグバと同じ、究極にして禁断のフォーム。

最終決戦用のフォーム。その決戦ですらこのフォームが登場したのは数分にも満たなかったが。
基本的に殴り合いだけだったためその能力はあまりわからなかったが一応全てのフォームの能力も使えるらしい。
また、ダグバ同様プラズマ自然発火能力も使える。
それをペガサスフォームの超感覚で使っていたらと考えるととても恐ろしい話である。
(最もこれはダグバも可能であるのだが…)

本来、心を失わなければなれないフォームである。
ゴ・ジャラジ・ダの非道な殺戮行為に怒り、我を失ったためこのフォームの片鱗が姿を現した。
五代は正しい心を持ったままこのフォームとなったが、クウガの作品で非常に象徴的だったフォームと言えよう。

・敵怪人・グロンギ(警察呼称・未確認生命体)
太古に存在していた戦闘民族。
先代クウガに封印されていた遺跡から首領、ン・ダグバ・ゼバとともに蘇った。
各個体が動植物の能力を持ち、人間の姿から怪人形態をとる。
非常に好戦的かつ残忍な性格で、戦いと殺戮を好む。
短時間で多くの人間を狩れる事が彼らのステータスシンボルであり、それを競い合う『ゲゲル』という遊戯を行っていた。(彼らの言葉でそのまま『ゲーム』という意味)
ゲゲルには個人のヒエラルキーを決める儀式的な要素を持つが、ほとんどのグロンギが娯楽としてゲゲルを行っていた。
暴力に魅せられ、心を失った者達の恐ろしさを表現した様な存在だった。
なお、中盤から普通に日本語で会話していたが、本来は彼ら特有の言語で会話する。
このグロンギ語の会話がリアルタイム放映時翻訳で賑わった様だ。

○仮面ライダーアギト

突如、怪物が人々を人間では不可能な方法で殺害する事件が相次いだ。彼らはアンノウン(正体不明)と呼称される。
記憶喪失の青年、津上翔一は「アギト」と呼ばれる力に覚醒し、アギトに変身し彼らと戦っていく。
アンノウンの目的はアギトに覚醒する素質を持つ人間を排除する事であり、その背景には人間の劇的な進化を恐れる造物主らしき存在が存在していた。
また、アギトになってしまった存在、ギルス・葦原涼、警察官として人々を守るために戦う、アギトに近づこうとするG-3・氷川誠など、現在の主流となった複数のライダーが登場する初めての物語である。
全体を通して謎が散りばめられており、それを消化不良を起こす事なく完結させたストーリーには評価が高い。
また物語終盤には、人間には早すぎる進化であるアギトを危惧する動きも出始め、進化という現象に対する問題提起もなされた。この傾向は特に後の作品である555に受け継がれていると思われる。

・津上翔一(本名・沢木哲也)(アギト)
三杉家に居候する記憶喪失の青年。普段は炊事・洗濯・掃除等の家事全般をこなしている。
底抜けに能天気で明るく、自分が記憶喪失である事も大して気にしていなかった。
突如アンノウンに『アギト』と呼称される存在に変身してしまい、最初はそのアギトの本能のままアンノウンと戦っていたが、家族同然の真魚達の平和を守りたいという思いから自分の意志で変身し戦う様になる。
津上翔一という名前は記憶喪失時彼が手にしていた唯一の持ち物から誤認した彼の名前で、本名は沢木哲也という調理師学校に通う学生だった。
どうやらとりわけ強いアギトの素質を持っていたらしく、最初にアギトに覚醒してしまった姉の死の真相を突き止めようとした時にあかつき号事件に巻き込まれ、アギトに覚醒する。
その直後に彼を追ってきた水のエルに倒され、海に落ちて記憶を失った。
人間の新たな可能性であるアギトを駆逐しようとする黒の青年を倒す。
その後はレストランを開業し、新しい生活を始めた。

・葦原涼(ギルス、エクシードギルス)
元は水泳で競技に励む大学生だった。しかしアギトの変異体であるギルスに覚醒してからは、その異形の力と姿から、恩師や恋人など周囲の人間が次第に離れていき、孤独になっていった。
仮面ライダーのかつてのコンセプトの様に、人間ではなくなってしまった存在の悲哀が最も色濃く再現されている存在と言える。
死んだ父の残したあかつき号乗員リストをもとに、父の死の真相を探り物語は交錯する。
誤解から何度も翔一や氷川と激突する事もあったが、アギトが翔一である事を知ってからは和解する。
どうもカマセの様な扱いも多く、死に追いやられて復活という事が何度かあった。
物語終盤、心を通わせる事の出来た女性が現れるも、彼の前でアンノウンによる死を迎えてしまう。
物語終了時、それぞれの人物が新しい生活を始めたが、彼だけは最後も孤独だった。
この彼の境遇は、平成ライダー一の不幸ライダーと今もなお呼ばれている。

ギルスはカミキリムシをモチーフとする、仮面ライダーアマゾンを思い起こさせる様な荒々しさが特徴。
その凶暴そうな姿故に、彼を恐れる者も多かった。
アギトの不完全体とも、突然変異体とも呼ばれている。
手足が変形して発生する刃をメインに戦う。
必殺技は踵のレッグライブスを踵落としで叩き込むギルスヒールクロウ。

死に瀕した際に真魚・真島のアギトの力を与えられた事により、エクシードギルスへと強化復活する。
全身から悪魔を思い起こす様な禍々しい刃や、生体触手ギルススティンガーを備える。
強くはなったが、ますます恐ろしい姿になってしまい彼のイメージを下げている様な…。
ますますひどい話である。

・氷川誠(G‐3、G‐3X)
未確認生命体に対抗するために警察が開発した強化スーツ、G−3システムの装着者である警官。
非常に正義感と使命感が強く、人間の命を狙うアンノウンに対して身を呈して戦っていた。
真面目で堅物であるが故に、自責的だったり翔一のペースに乗せられてしまう。少々不器用で、それを指摘されるとさらにムキになるため被害が拡大してしまう。
人間の身でありながらもその不屈の精神でG−3及びその強化体であるG−3Xを使いこなす。
何度も窮地をアギトに救われていたため、アギトに大して強い尊敬の念を抱いている。
その為、アギトが顔見知りの翔一である事に気づいた時はそのギャップに悩んだ。
終盤、アギトを危惧する警察がアンノウン保護に路線を変えた時にはG−3装着者から下ろされるも、自身の正義感からG−3Xを装着し最終決戦に駆けつけ、アギト・ギルスとともに風のエルを倒した。
戦いが終わった際には捜査一課で第一線で刑事として活動している。

そのいじられやすい性格から、珍行動を見せる事が多い。
また不器用な手先も加わり、よくネタにされて遊ばれる。
G−05の解除コードを間違えるなどその最たる例だろうか。
いくらムキになったからって甘栗を皮ごと食べるのはさすがにぶっ飛んでいる…。

・G−3
警察が開発した対未確認生命体用の強化戦闘スーツ。
未確認生命体弟4号をモデルとしているとの事だが、特にクウガとは関係ないらしい。
仮面ライダーシリーズ初の人体への改造を一切行わない純粋な意味での戦闘スーツ。
…とは言ってもやはり人間が開発した装備でアンノウンに対抗するのは厳しいのか、どうも苦戦してばかりの弱い印象がある。
しかし一応単独でアンノウンを撃退する事もあったり、一番に現場に駆けつけて人を助けるなどそれなりの活躍もあったと思う。

後にG‐3の戦闘データを元に強化されたG‐3Xが開発される。
はるかにG‐3を上回る戦闘能力を誇り、特に新武装のG−05ケルベロスという大型ガトリングガンはアンノウンを撃退できる充分な威力を持っている。
なお、完成直後には理想的な動きを装着者に促すAIシステムが搭載されていたが、装着者に多大な負担をかけ、暴走を起こす危険があったため制御チップにより封印されている。
これを制御せずに戦闘力のみを追求した存在であるG−4が自衛隊で開発され、劇場版で登場している。

。木野薫(アナザーアギト)
あかつき号のメンバーであり、リーダー格である医者。
遭難で弟を失っており、自身も凍傷により右腕を失っている。その際に弟の右腕を移植されており、それが原因で医師免許を剥奪されている。
それにも関わらず神がかりな外科手術の腕前を誇り、無免許医ながら多くの人間を助けている。
苦しみの末完全なアギトに覚醒し、文字通りもう一つのアギトへと変身する。
アギトの力と弟を救えなかったトラウマから、さらに強力な力を求めるようになり、アギトは自分一人でいいとギルスやアギトを狙う。
アギト・ギルスに敗れた後は両者と和解し、共に戦う事となる。
アンノウンとの戦いで致命傷を負い、同じく傷を負った翔一を治療するために力を使い果たし、息を引き取った。

・アナザーアギト
木野薫が想像を絶する苦痛の果てに覚醒した、もう一つのアギト。
アギトとも全く引けをとらない力を持っている。
外見的にはバッタ男の様で、赤いマフラーをしている。初代ライダーへのオマージュだろうか。
アギトと違い固有の武器を持たず、肉弾戦を得意とする。
必殺技はアギトのライダーキックと同様のアサルトキック。

・G‐4
劇場版、プロジェクトG−4に登場。
警察ではなく自衛隊のもとでG−3Xを元に開発された。
強力な戦闘力を持つが、G−3Xで解除されたAI機能を搭載しており、それ故に過度の負担を装着に強いており何人も装着者が死に至っている。
開発者はこれを承知で、装着者をG−4の使い捨てのパーツも同然に扱っている。
G−3Xのケルベロスを上回るミサイルランチャーを武器としている。
その性能でG−3Xを圧倒するが、底力で戦い続ける氷川に対しついに装着者が限界を迎えてしまう。それでもAI機能で動きG−3Xに襲い掛かるが、氷川の怒りの一撃で機能を停止する。

・敵怪人・アンノウン(通称ロード怪人)
オーバーロードと呼称される黒の青年が、人間がアギトに覚醒する可能性を断つために送り出している怪人達。
従来のライダーシリーズ同様、動植物がモチーフとなっているが動物擬人化の傾向が強い感じがする。
アギトに覚醒する素質を持つ人間を殺害するのが目的。
アギトの素質は遺伝によるものらしく、対象の血縁関係にある者全員を狙うのが特徴。
特にまだ生まれてもいない胎児であっても母体ごと殺害しようとするなど、どこまでも徹底している。
人間の造物主であるらしい黒の青年が送り出している辺り、天使という考え方も取れる。
○○ロードなどと呼ばれるが、正式名称はラテン語で名付けられている。


○仮面ライダー龍騎

13人のライダー達のバトルロイヤルという構図がメインの異色の作品。デザインも西洋の甲冑をイメージした外見となっておりさらに異彩を放っている。
特に挙げられるのは、多くのライダー達が自らの望みを叶える為に戦っているという点で、単純な善悪ではない各々の負けられない戦いという展開を見せている事である。
ライダー達はミラーワールドという鏡を通して行き来できる世界で戦ったり、そこから襲ってくるミラーモンスター達と戦う。また、モンスターと契約して初めて戦えるだけの力を身に付け、持っているデッキに存在するアドベントカードという様々な効力を持つカードを使って戦ったりする。
最初見た時は何だこのデザインはとものすごく呆れました。しかし不思議な事にすぐに慣れました。
ライダー対ライダーの世界が確立したのはこれが初めてかも。アギトでも複数のライダーがいましたが明確な敵ではありませんでしたからね。それが今回では協力していても最終的には倒さなくてはならない敵。
主人公真司と真の主人公蓮もこの事に非常に葛藤していました。
ラストで語られている様にこの戦いに善悪はない、個人の純粋な願いの下に(不純なのも多いけど)戦う人間達の物語でしたね。子供向け番組としては問題かもしれませんけど。
悪のライダー登場も昭和時代からのファンにはかなり顰蹙買ったそうですね。あの風体でクウガ・アギトでも使わなかった神聖なる「ライダー」という呼称を使った事も含めて。
歴代ライダーの中でも特にバカと言われ作中でもバカにされ続けている真司が何ともいい味で見入ってしまいました。
真司以外のライダー達も非常にいい個性を出していて群像劇がさらに濃厚になりました。
多すぎるかもしれないけど。

鏡などの映るものをはさんで存在する世界ミラーワールド。そこに棲むミラーモンスター達が人々を襲う事件が相次いでいた。ジャーナリスト見習いの城戸真司は事件に巻き込まれ、偶然ライダーのデッキを手にしてしまう。ミラーモンスターから人々を守るため、真司はライダーとなる。
しかしそれは、後戻りのきかないライダー達の戦いの幕開けであったのだった…。
各ライダー達の命をかけた願い。そしてその裏で暗躍するライダーバトルの開催者、神崎士郎。
彼らの思惑と願いは、大きく動き出したのだった…。

○登場ライダー達

・城戸真司(仮面ライダー龍騎)
ジャーナリスト会社、OREジャーナルの見習い編集者。
無双龍ドラグレッダーと契約し、仮面ライダー龍騎に変身する。
事件に巻き込まれ偶然デッキを手に入れ、モンスターから人々を守るためにライダーとなる。
しかしそのライダーには、後戻りのきかない戦いの宿命が課せられていた。
各々の願いが交錯する中、人間を守り戦いを止めるために戦い続ける。

とにかく超がつくほどの単純バカで、空気を読まずライダーの戦いをやめさせようと殺る気満々のライダー達に説得してバカにされたり騙されたりいきなり襲われたりする。
頭の良さそうな描写もあまりなく、視聴者にも作中人物にもバカ呼ばわりされている。
しかしその単純ながらも後先を考えない真っ直ぐさに他のライダー、特に蓮は大きく影響を受けた様だ。
しかし蓮などの他のライダーの純粋な願いに触れて、ただ戦いを止めるだけではいけないのかと大きく葛藤した事もあった。
最後には、ミラーワールドの境界を超えて現れたハイドラグーンの大群から人を守ろうとして致命傷を受けてしまい、ハイドラグーン達を一掃した後に力を使い果たして死んでしまう。
その最後に、自分が本当に叶えたかったのはミラーワールドのモンスターから人を守りたいという最初の願いそのものだった事を再認識した。
最後のライダーとなった蓮に生きる様に訴え、彼の腕の中で息を引き取った。

主人公が最終回前に死んでしまうという前代未聞の展開でしたが、まさかって感じでグッときました。
あの単純バカの真司だから特に…。
とにかくバカというのが一般的な印象。しかしすばらしいバカだったと思います。

スペシャル版でも本編同様、戦いを止める為に奮闘する。
しかしベルデ率いるライダー軍団に袋叩きにされ、デッキを破壊されてしまう。
自分をかばって死んだ蓮の遺志を継ぎ、2代目ナイトとしてライダー達への絶望的な戦いに挑んだ。

劇場版では自身の影であるリュウガと戦い、彼に吸収されてしまう。
しかし、優衣の命を捨てた自分の意志を見た事によりリュウガより分離、撃破する。
おびただしい数のハイドラグーンの群れに蓮とともに立ち向かっていった。

・榊原耕一
スペシャル版にのみ登場した先代の龍騎。
ミラーモンスターに襲われた真司を助けて命を落とし、真司に龍騎のデッキと戦いを終わらせると言う望みを託し、息絶える。

・秋山蓮(仮面ライダーナイト)
神崎士郎の実験のために昏睡状態になった恋人、小川恵理を救うために戦うもう一人の主人公。(実質主人公)
闇の翼ダークウィングと契約し、仮面ライダーナイトに変身する。
目的のためにミラーモンスターを倒して力を蓄えている最中、神崎士郎の妹神崎優衣と行動を共にするようになり、真司と出会う。

彼の行動は終始一貫しており、恋人の恵理を救うためであれば自分の手を汚す事も厭わず、どんな苦難にも立ち向かえる執念を持っている。
その目的から、ライダーの戦いを止めようとする真司とは行動をともにしながらも反発する事も非常に多かった。しかし真司と行動を共にする内に、自分が非情になりきれないでいる事にも気づく。
衝突を繰り返しながらも真司とは共に内心認め合う仲になっていき、それ故に全力で戦う事もあった。

真司が命を落とし、最後のライダーとなった事から神崎士郎の代理である最強のライダー、仮面ライダーオーディンとの最後の戦いを繰り広げる。オーディンの消滅により勝者となった彼は、手に入れた新しい命で昏睡状態の恵理を救う。しかし、オーディンとの戦いで致命傷を負った彼は、病室の隅で息絶えていた…。
最後まで自分の願いに一途であった、真の主人公というべき存在。

蔑称ヘタ蓮。
確かに格好悪い所も多数ある。
同じサバイブ同士の龍騎とは全て劣勢だった。
ファイナルベント被弾率はダントツで高くファイナルベントスコアラーとも言われるとか。
しかしなんだかんだ言って最後まで残れたのは彼である。
たまたま他のライダー達が倒れたとも言えるかも知れないが…。

スペシャル版では反戦的な真司を敵として倒す様に強制されるが、非情になりきれずに拒否。
ベルデのファイナルベントから真司をかばい、命を落とす。
最後に、恵理の命と自分のデッキを真司に託し、息を引き取った。

・須藤雅史(仮面ライダーシザーズ)
裏で犯罪に手を染めていた悪徳警官。いざこざで殺してしまった相棒の殺人を隠蔽しようとしている所で、士郎からデッキを渡されライダーとなる。
自分の事件の真相を探ろうとする者を、自身の契約モンスターを使って始末していた。
カニのモンスター、ボルキャンサーと契約し、仮面ライダーシザーズに変身する。
真司達が初めて出会った自分達以外のライダー。
ライダー同士協力し合おうと持ちかける真司を騙し、蓮を闇討ちし優衣を拉致する。
蓮を追い詰めるもデッキを破壊され、契約が無効になってしまったボルキャンサーに捕食され命を落とす。
ライダーとの戦いに敗れるという事がどういう事かを示した存在だった。

その印象の薄さと弱さが一部で大人気。
スペシャル版での彼の登場は大いにファンを沸きたせ、あっさり王蛇に倒された事でさらに弱小ライダーとしての株を上げた。
正直唯一真司に協力的だった(表向きは)が、多くのファンが裏切る事を期待しつつ、彼を仲間にしても役に立たないと思った事であろう。

・北岡秀一(仮面ライダーゾルダ)
あらゆる裁判に勝訴するという敏腕弁護士。しかし法外な報酬を要求するため黒い依頼しか来ない、ある種の悪徳弁護士である。
鋼の巨人マグナギガと契約し、仮面ライダーゾルダに変身する。望みは、自らの欲望を叶え続けるための永遠の命を手に入れる事。

報酬さえもらえればどんな悪徳商社の訴訟も勝訴し、その稼ぎで豪勢な生活を満喫している事から悪人と見られていたが、病気の人間の治療費を肩代わりするなど、根っからの悪人ではない。
実は現代医学では助からない病気に蝕まれており、ライダーバトルに勝利する事でそれから逃れようとしている。

最終回まで生き残った実力派ライダーで、真司・蓮とは戦ったり助けたりとの奇妙な関係が築かれていた。
自身に因縁を持つ脱獄犯・浅倉威との確執もあり、病状の悪化で戦いを降りようと一度は決意したものの、浅倉との決着をつけるために最後の戦いに赴く事を決意。
しかし、それは叶う事無く病魔は彼の命を奪っていた。

立場的には善とも悪とも言えない位置にいる存在。
しかし自分の体を治すために戦うという理由は、彼もまた作品のテーマに即したライダーであった。

銃ライダーはヘタレというのが平成ライダーのジンクスだが(龍騎以降さらに顕著に)、彼はましなほうだったと思います。
あえて言うなら彼のファイナルベントは一度もライダーを倒す事が出来ず、強制的に戦闘終了の合図にとどまっていた所だろうか。
劇場版ではライダーを降りたがマグナギガはよく黙っていたものだ。
戦いを降りようとするとモンスターに食い殺されるのがルールであったはずなのに。
インペラー佐野が不憫である。

余談ではあるが、彼を演じた中の人はガンダムSEEDのカラミティガンダムの声優を務めており、緑色の高火力射撃兵器という奇妙な符合を見せている。

・由良吾郎
北岡の秘書。普段は北岡の世話や依頼の窓口をしており、いざという時には北岡のボディーガードもこなす。
強面の外見に見合い、かなり喧嘩が強く複数のヤクザ相手に素手で勝った事もあった。
北岡に命すら度外視した絶対的な忠誠を見せている。

最後に病死で浅倉の決着をつける事がかなわなかった北岡に代わり、ゾルダとして浅倉との戦いに臨む。
奮闘むなしく、浅倉に倒されミラーワールドに消えた。

北岡との801疑惑も強い北岡の秘書。
最終話での彼の変身したゾルダは妙に猫背だったり格闘戦が多かったりと芸が細かい。
たった一回龍騎デッキを通して北岡の戦いを見ていただけなのにあれだけ王蛇と戦えたのは驚嘆である。

余談だが、彼はカブトではZECT幹部として生まれ変わっており、ザビーにイベント変身したりしている。
・手塚海之(仮面ライダーライア)
町で占いをして生計を立てる占い師。
エイのモンスターエビルダイバーと契約し、仮面ライダーライアに変身する。
ライダー達の戦いを終わらせる事を望みとし、その目的から真司とは共闘関係になる。
彼が占えるのはもっぱら悪い出来事であり、「俺の占いは当たる」の言葉通り基本的に外れる事はない。しかし彼自身は「運命は変えるべきもの」と運命に立ち向かう事を主張する。

彼自身がライダーになったのは、ライダーとして殺しあう事を否定して死んでいった親友・斉藤に報いるためであり、彼の遺志を継いでライダーの戦いを終わらせる事を決意する。
しかし士郎の言葉で斉藤がライダーとして戦わなかった事を後悔しているという疑念に駆られ、戦う意志を喪失してしまう。
最後に王蛇のベノクラッシュから龍騎をかばい、息絶える。
しかし彼の占いに出た龍騎の死の運命を変えた事から、願っていた自分の占いが外れた事に満足し、息を引き取った。

スペシャル版では、小川恵理と以前に付き合っていたらしく、その為蓮と同じ目的の元共闘する。
しかし反戦的な立場から他のライダー達に標的とされ、ベルデによって命を落とす。

・芝浦淳(仮面ライダーガイ)
ゲームサークル・マトリックスに所属する大学生。悪徳商社、芝浦商事の社長の息子らしい。
サイのモンスターメタルゲラスと契約し、仮面ライダーガイに変身する。
ゲームを楽しむ様な感覚でライダーの戦いに身を投じ、ライダーバトルを盛り上げようと画策する。
完全にその神経はゲーム感覚で、自分のせいで他者が殺しあったり他人を手にかける事にも全く心を痛める素振りを見せなかった。
優秀ではあるがそれ故に傲慢で敵を作りやすく、徹底して嫌な奴として描かれていた。

脱獄犯・浅倉がライダーになった際に戦いを盛り上げようと彼に戦いを煽るが、最後には浅倉にゾルダのエンドオブワールドの盾にされて重傷を負った所を、ベノクラッシュで止めを刺される。

彼の最大の失敗は自らの能力を過信するあまりに火遊びが過ぎた事だろう。
よりによってそれも最悪の浅倉という爆弾に火をつけてしまった事が…。

スペシャル版13RIDERSでも、調子に乗って真司を始末しようとした所でディスパイダーに捕食されていた。
やはりこういった自滅するタイプなんだろうなあこいつ。
とにかく多くの視聴者に嫌われていた。そこが役者さんの腕なんだろうか。

・浅倉威(仮面ライダー王蛇)
度重なる暴行・障害で投獄されていた囚人。神崎士郎から戦いを進める事を条件にライダーとなり、脱獄する。
契約モンスターは蛇のベノスネーカーで、仮面ライダー王蛇に変身する。
通常、ライダーは願いを叶える為に戦うが、その戦いそのものが願いという危険な男。
人間の善悪の観念が完全に欠落した様な男で、悪と言うよりも獣そのものの印象を与える。
彼の好戦的行動からライダーバトルは急速な進行を見せる。
倒したライダーの契約モンスターを奪うなどといった驚きの行動もあり、瞬く間に強豪ライダーかつ最も危険なライダーの地位を築きあげる。

強い敵と戦う事に喜びを感じ、担当弁護士として因縁のあった北岡を特にターゲット視する様になる。
最後に警察に包囲された潜伏先でゾルダを倒すが、それは吾郎が変身した2代目ゾルダだった事に憤慨し、包囲されていた警官隊に単身突っ込み、射殺されその戦いに満ちた生涯の幕を下ろした。

彼が殺害したライダーはガイ・ライア・インペラー・ゾルダ(スペシャル版でシザーズも)と驚異的なまでの殺害数を誇る。
彼が起爆剤として果たしたライダーバトルの役割は非常に大きかった。

とにかく危険な人物として描かれていた。現在までさかのぼっても類を見ないほどの凶悪なライダー。
しかしそのキレっぷりに魅せられた人も少なくない様である。
正直、契約モンスターを複数所持するというのはかなり反則気味な強さだった。
エサというネックこそあるが、1回きりのファイナルベント3発も可能であるし。

正直ユナイトベントでジェノサイダーにしない方が強い気がする。
ドゥームズデイは本編最終回でようやく1回だけ決まっただけだし、リュウガにジェノサイダーを倒されてしまったせいでブランク体に戻り、ファムに倒されてしまったし…

・東條悟(仮面ライダータイガ)
第3勢力として現れた香川軍団の一人、東條悟がライダーの一人であった。
ミラーワールドを閉じようとするものの、神崎優衣を殺害しようとする思想から真司達と敵対する様になる。
虎のモンスター、デストワイルダーと契約し仮面ライダータイガに変身し、英雄になる事を望みとしている。
しかし彼の行動は凶悪そのもので、目的のためになら殺人行為にも何の躊躇いを見せず、些細な理由から仲間である仲村を手にかける。
「多くを救う為に大切なものを犠牲にできる者が英雄になれる」という香川教授の言葉を曲解し、「大切なものを犠牲にしなければ英雄にはなれない」と思う様になり恩師である香川をも手にかける。
その後も彼の狂気じみた行動は続き、自分を助けてくれた佐野・インペラーも英雄になるための必要な犠牲と認識し彼を襲う。
英雄になろうとあがく東條だったが、北岡に「英雄になるには英雄になろうと思った時点で失格だ」という言葉に自分のすべき事を見失い、途方に暮れる。
最後には道すがらの親子に手にかけた香川教授を重ね、トラックに轢かれそうになった彼らを身を呈してかばい、命を落とす。
風に吹かれる新聞の片隅には、彼が望んでやまなかった「親子の命を救った英雄」という言葉が刻まれていた。

正直、手を組めば闇討ちされる事が確定な辺り王蛇よりも危険な存在かもしれない。

・佐野満(仮面ライダーインペラー)
突然現れたフリーターの青年で、自分をいい条件で雇った方に味方するという傭兵的なスタンスを見せる。
大量のギガゼール種モンスターと契約し、契約モンスターの多さが最大の武器の仮面ライダーインペラーに変身する。
彼の願いは至極単純なもので、いい暮らしがしたいというだけであった。
その為報酬を求めて、香川陣営につくが香川が東條に殺害された事で契約は消滅した。

実は大会社の御曹司で、父が死んだ事により遺産を受け継ぎ、戦わずして願いは叶う事となる。
しかしライダーバトルの戦いに足を踏み入れた彼の棄権は、契約モンスター達が許さなかった。
最後は東條を味方につけて龍騎に戦いを挑むが、東條の狂気から彼の裏切りの刃を受ける事となる。
その後鉢合わせした王蛇のベノクラッシュでデッキを破壊され、ミラーワールドの露と消える。
現実の世界で手に入れた幸せを鏡越しに「ただ幸せになりたかっただけなのに…」と呟きながら消滅する様はある意味で最も悲惨な最期であった。

彼の最大の失敗は、ライダーバトルは普通の願いを叶えるにはあまりにも重く厳しい世界である事を知らずに踏み込んでしまった事だろう。

・仮面ライダーオーディン
13人目のライダーを自称する、最後に残ったライダーが戦う最強のライダー。
最強のモンスター・ゴルトフェニックスと契約し、ライダー中最も高い能力を誇っている。
どうやら実体を持たない神埼士郎の代理の存在で、装着者は士郎の操り人形に過ぎない。

実際の所ライダーバトルは、士郎が妹である由衣に命を与える為の出来レースの様なもので、他のライダーにお膳立てをさせてこのオーディンが勝ち新しい命を手に入れるというシナリオがあった様だ。
オーディンは過去2度も倒されても復活している所から考えて、他のライダーが勝つ事は不可能になっているに等しい。
そのために何度もタイムベントで時間を戻しライダーバトルのやり直しを繰り返してきた様だが、由衣が新しい命を拒んだ事で士郎も戦意を喪失。
結果としてオーディンは消滅する事となった。

瞬間移動が可能で時すら操るとんでもないライダー。さすがラスボスだけあって最強ライダーの説もあり。

・霧島美穂(仮面ライダーファム)
劇場版のみに登場。
結婚詐欺師、霧島美穂が変身する。
契約モンスターは白鳥型のブランウィング。
浅倉に殺害された姉の復讐と彼女を生き返らせるためにライダーバトルに身を投じる。
王蛇に戦いを挑むが、劣勢なところをリュウガによって救われ、浅倉にとどめを刺す事に成功。
しかし、その後助けられたリュウガによって殺害される。
真司と何やらいい関係になっていた。

・高見沢逸郎(仮面ライダーベルデ)
スペシャル版、13RIDERSのみに登場。
大企業高見沢グループの総帥・高見沢逸郎が変身する。
契約モンスターはカメレオンのバイオグリーザ。
大企業の総帥という地位にありながら、さらなる権威や力を求めてライダーバトルに参加する。
徹底した弱肉強食論者で、自らの望みの為に他者を犠牲にする事は当然の事と考えている。

作中では他のライダーを率いて龍騎・ライアの非戦派ライダーを一掃しようとする。
ライア・ナイトを葬るも、ナイトの最後の一撃で自身も倒され相打ちとなる。

彼が冒頭に発言した「人間はみなライダーなんだよ!」という言葉は仮面ライダー龍騎のテーマを象徴している様である。

・リュウガ(仮面ライダーリュウガ)
黒い龍騎。契約モンスターは黒いドラグレッダーであるドラグブラッカー。
その正体はミラーワールドの城戸真司であり、姿も真司そのものである。
幼い頃に真司と出会っていた優衣が、一緒に遊ぶ約束を破られた悲しみで発現した。
目的は優衣に新しい命を与える事で、オリジナルである真司と融合しようとつけ狙う。
真司の負い目につけ込み、一時は真司を吸収するが分離され、彼によって倒される。

この存在を考えると本編でも13人のライダーに数えられるのだろうか?
中身が違う可能性はあるが。

・香川英行(オルタナティブ・ゼロ)
香川教授が神崎の研究ノートの記憶から独自に作り出した擬似ライダー。
人造ミラーモンスターサイコローグを契約モンスターとしている。
擬似ライダーながら本家ライダーのサバイブと比べても全く遜色のない性能を見せる。
ミラーワールドを閉じるため、その存在に関わっている優衣の命をつけねらう。
そのために本来真司と目的を同じとしながらも、対立する事となる。
「多くを救うために一つを犠牲にする勇気を持つものが英雄になれる」との言葉から優衣を狙う。
しかし、その言葉を曲解した東條は、自分の大切な存在である香川を殺害すれば英雄に近づけると解釈してしまい、闇討ちにあって命を落とす。

根は家族思いのいい人だっただけに、何とも不憫な末路である。

・仲村創(オルタナティブ)
香川教授が作り出した擬似ライダー、オルタナティブの装着者。
オルタナティブ・ゼロ同様、サイコローグを契約モンスターとする。
どうやら士郎がかつて所属していた江島研究室の生き残りらしく、そのため士郎と妹の優衣に激しい恨みを抱いており、優衣の命を狙った。
優衣を追い詰めるも、東條の裏切りにより命を落とす。

東條の裏切りの理由は「優衣を殺す事に消極的だったから」との事。
どう見てもバリバリで殺す気マンマンだったと思うんですが…。
正直ミラーワールドを閉じられたら困るのと、以前非難されたのを根に持っての事だろう…不憫。

・敵怪人・ミラーモンスター
鏡を代表とする姿の映るもの(水・ガラス・金属etc)を出入り口として存在するミラーワールドに住む怪物達。人間と等身大のものもいれば、大型のモンスターも存在する。
前述の様に鏡などから人間を遅い、ミラーワールドに引きずりこんで捕食してしまう。
人間はミラーワールドには入る事が出来ず一瞬で消滅してしまうため、ライダーでなければ倒す事は出来ない。
外見的にはややメカニカルなデザインが多い。

野生モンスターと契約モンスターの2種類がある。
契約モンスターは、カードデッキを持つ者と契約したモンスターの事であり、契約者にライダーとして戦う力を与え、戦いのサポートも行う。
契約の内容とは本編中明らかに解説される事はなかったが、どうやら「モンスターに定期的に食糧を与え続ける」という事のみで成立しているらしい。
この食糧とは、ミラーモンスターを倒した際に出現するエネルギー体(魂?)あるいは生きた人間が該当する。

この食糧を与える事が出来なかったり、戦いを放棄しようとすると、モンスターに契約違反と見なされ捕食されてしまう。
つまり、実質一度ライダーになってしまった人間は、最後の一人に勝ち残る以外ライダーを降りる事はできないのである。
(劇場版ゾルダの様な例外はあるが)

食糧さえ与えてもらっていれば契約者に対して文句はないらしく、
基本的に人間の考える友情だとか絆といった概念は期待できない様だ。

戻る