
皆さまは、お地蔵様をご存知でしょう。そのお地蔵様は、人間が亡くなった後、六つの世界を廻る(輪廻する)ときに、導いてくださる、大変にありがたい仏様なのです。

そのお地蔵様は、正式には地蔵菩薩とお呼びします。

お地蔵様は文字通り、地面に関係のある仏様ですので、土から生まれ土に帰る人間の生き死にと深く係わり合いを持たれています。

お地蔵様は、その他、お働きによって、様々なお地蔵様が知られています。大慈寺にお祀りされているお地蔵様は「子安地蔵」です。

子供(赤ちゃん)を腕に抱えて、子供が成長するのをお守りくださる姿をされています。
首を斜めにかしげて、子供を優しく抱くようなポーズを作っています。
赤ちゃんも、今にも動き出しそうな形で彫られています。
材質はわかりませんが、砂岩系統の柔らかい石ではないかと思われます。
錫杖の細い棒も彫りこまれていたのですが、残念ならが、酸性雨の影響で下の方が崩れてしまいました。
見ておりますと、全体として不思議な感覚を抱かせます。

そしてさらに、この子安地蔵の大きな特徴は、その下半身から足元にあるのです。

片方が鬼の面をかぶった子供、片方が獅子頭をかぶろうとしてる子供の姿が彫り込まれています。
そのお面も大変にかわいらしいお顔をされています。
右手の獅子頭を持っている子供は、奥の方に顔までが細かく彫られています。
このように子供が無事成長するのを、魔よけの力でもって成就するように祈り込んでいるのです。

これを作った方がどなたであるかはわかりません。しかし昭和の初期であろうと想像されます。そして相当の腕をお持ちで、しかもお地蔵様に思い入れのあった方が彫られたものと思われます。

日本石仏協会の坂口和子会長様も、「日本にある石仏の中でも大変に珍しい、子安地蔵である」とコメントされています。

このお地蔵様は、大慈寺の境内にあるのを瀧澤龍雄さんによって見出され、詳細に検証していただきました。

子供の無事成長を願われる方は、大慈寺にありますこの日本有数の子安地蔵に、ぜひお参りください。

なお、子安地蔵御宝前にての、子供の成長無事祈願、赤ちゃんの命名も受け付けております。
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