2005/5/17 

ラーメン駿河

 

栃木県栃木市の「ラーメン駿河」にやってまいりました。と、こう書くと『管理人はグルメぶってるけど、ガイドブックに載っているような、ある程度うまいとわかっている店だけ行って紹介しているんじゃないの〜?』という声が聞こえてきそうな気がしましたので、あらかじめ申し上げますが、こちらのお店はもともと管理人の実家のすぐ近くにあったお店なのです。現在は移転して、息子さんが後を継いでいるということで、そのうち行こうと思っていたわけなんですね。

2代目の店主はまだ30歳ほどの若さで、管理人と同じ登校班で小学校に通っていたこともある青年です。話によると、パン職人の修行をしていたこともあるそうです。

店内には、「違う種類のラーメンを頼むと出来上がりに時間差があります」という旨の張り紙がありました。何種類も一度に作らず、ラーメンの種類にあわせて別々に作るというわけなんですね。こだわりが感じられるところです。

右の写真は「ふつうしょう油ラーメン」。栃木近辺では隆盛の佐野ラーメンとは違う、あえて言うなら東京風のラーメン。中太平打ちのストレート麺に、薄く油の浮く、少々濃い目の色のダシの効いたスープ。豚鶏ベースの味のほかに、昆布やカツオなどの海系の味がしますが、それらがバラバラに感じられることなく、絶妙にお互いの味を引き出しあっています。バラロールチャーシューと海苔もクラシックな雰囲気ですが、けして「古めかしい」とは思わせない、洗練された味。

左の写真は「塩ラーメン」。あれっ?しょう油ラーメンと麺が違う!なるほど、麺とスープの組み合わせにこだわった結果、塩ラーメンには専用の細ストレート麺を使うんですね。出来上がりの時間が違うのにも納得がいきます。単に茹で時間が違うということでなく、それぞれの茹で上がりを大切にするため、まったく別々に作っているわけなんですね。
さて、スープはどんな味かな。ズズーッ。

こ、これは!透き通った塩のスープは、ダシ味を生かした旨味を強く感じるスープ。そこにピリピリしたところのない、まろやかな塩味が合わさり、あまりの美味さに反射的に何口もすすってしまうぞ!そして、なめらかな舌触りとムチムチとしたコシを感じさせながらも、プチップチッという歯切れのよさを併せ持つ、ストレート麺のよいところを前面に押し出した細麺。最高の組み合わせだ!奇をてらうことなく、オーソドックスな組み立てでありながら、素材や製法を突き詰めてゆくことで、これほどまでにうまいラーメンができるのか!

私にも見えるぞ!これは人類が革新できるということを信じさせてくれるラーメンだ。ジオン十字勲章物であることは保証する。

そして、最初に頼んだにもかかわらず、ラーメンを食べ始めてから出てきた餃子。店主がいかにラーメンの出来上がりを大切にしているかを計り知ることができます。

よく、ラーメンを食べると、家に帰ってからも、ずっと口の中が「ラーメンを食べたな〜」と、いう感じが残っていることがありますが、駿河のラーメンはそんなところがなく、自然の食材を生かした優しい味が好印象です。

悔しいのは「味玉」を食べ逃してしまったこと。私もよくよく運のない男だな。

撮影 MINOLTA DiMAGE X20