人間の表面は皮膚で覆われています。その皮膚に何か‘できもの‘ができたら、あなたはどうしますか?
切って取ってもらおう、と考えたら外科に行くでしょうか?傷をきれいに治す、という見地から形成外科を受診するかもしれません。またかかりつけの内科や小児科の先生に相談する人もいるでしょう。
でもちょっと待ってください、皮膚にできたものならまず皮膚科にかかるのが一番ではないでしょうか。専門家が見ればどのような病気かわかります。
ただ今までの皮膚科では診断したら外科で切ってもらう、という考えが多くありました。ところが最近になってそれを診断した人が一番その病気のことをわかっているのだから自分で切るのがベストではないか、ということで生まれてきたのが皮膚外科です。病気の性質を知っているからこそできる手術もあるのです。最近では形成外科出身の皮膚外科医も多くなっており、皮膚の表面外科は形成外科から皮膚科へ、という流れができつつあります。
残念ながら、皮膚外科は厚生省の定めた標榜科になっていないため、病院や開業医の看板で見かけることはありません。でも最近では皮膚外科の学会に参加される先生が増えてきており、いずれ大きな流れとなってくるでしょう。
対象疾患
皮膚の表面にできた病変。以下のものが含まれる。
母斑(黒子)、粉瘤、線維腫、脂肪腫などの良性腫瘍
下腿潰瘍、熱傷潰瘍など
悪性腫瘍(基底細胞癌、扁平上皮癌、悪性黒色腫など)
慢性膿皮症、壊死性筋膜炎など
ソバカス、老人性色素斑、太田母斑、単純性血管腫、イチゴ状血管腫など、
以下のものは形成外科、美容外科になるかもしれません
脱毛、植毛、腋臭症、ニキビ、傷跡など
大学病院や国公立の大病院と町の開業医ではおのずと対象とする疾患も異なってきますが、相談は何処でも可能だと思います。