局所麻酔

 局所麻酔は外来で処置や小手術を受ける際に必要になる医療行為のひとつです。開業医から大病院の外来まで、またたくさんの病気の検査や手術に対して幅広く行われているが、その事を記した本は一般にはあまり売られていないようです(出版社も糖尿や不眠などの一般的な、売れるような病気に関しては本を出す)。ここでは麻酔の問題点や注意点を説明します。


 一般に全身麻酔は怖い、局所麻酔は簡単で安全だと思われているようですが、実際にはどちらも安全性から言えばあまり差はないようです。入院と違い、外来では局所麻酔(神経ブロックや静脈麻酔も含む)が一般的です。患者さんも話ができるので安心感があります。でもそれが逆効果になる場合があります。医者や看護婦の不用意な一言で患者さんは必要以上に緊張したり、不安になったりします。できれば手術直前でも可能な限り、雑談などで緊張を取り除く事が必要でしょう。
 また麻酔中に血圧や脈が急に下がったり、意識が朦朧とする事もあります。麻酔の注射時の痛みによるものが多いのですが、中毒やアレルギーによるショックなどもまれにあります。出血などが多いときは術者が手術に没頭してしまい、患者さんの状態把握を忘れてしまう事もないとは言えないので、気分が悪くなったらすぐに訴えたほうが良いでしょう。(最近では心電図のモニターやパルスオキシメーターなどで状態を見ていますから心配はないかとは思いますが。)
 以前に歯医者さんなどで麻酔をして、効きが悪かったという人のほとんどは特に問題なく麻酔が効いて手術できていますので、思い込みは禁物です。でもショック症状を起こしたことがあれば危険ですから、診察時にきちんとこのような事があったといいましょう。麻酔薬は何種類もありますので、よく相談して手術を受ければ大丈夫です。


 小さな子供さんでは、注射そのものを嫌がってしまうので、無理な場合もあります。最近では局所麻酔剤のテープも出ていますので、このようなものを用いたり、あるいは「メイロン」などを混合して痛みを軽減する方法もありますので相談してみてはいかがでしょうか?