レーザー治療とは


LASERとはLight Ampulification by Stimulated Emissin of Radiationの頭文字を取ったものであり、単一波長で直進する性質を持っている。開発当初は魔法の光と呼ばれたりもしたが、最近では皮膚表面の色素性疾患の治療に用いられている。以下に当院で使用しているレーザーの特徴、適応などとその他のレーザーについて示す。

なお、レーザー治療は一部保険適応が示されたが、地域、保険者などにより何処までが適応になるかは異なっているのが現状である。


当院で使用しているレーザー機器

レーザー脱毛
 Candela社製のGentleレーザーを使用して、脱毛を行っています。アレキサンドライトのロングパルスレーザーで黒いところに取り込まれるため、皮膚の中の毛に含まれるメラニンに吸収されて毛根を破壊し、脱毛状態を呈するものです。皮膚の表面はダメージを受けないように瞬間冷却し、皮膚の中だけを破壊していくように作られています。
 腋窩や四肢では3回くらいの繰り返し(5〜6週ごと)で80%くらいは改善します。ただし男性のあごでは10回以上かかることもまれではありません。


Vビーム
 波長595nmのレーザー光で、パルス幅が可変できるものである。血管腫や毛細血管拡張症などのほかにもイボや肥厚性瘢痕、しわなどにも有用であるとの報告があり、試みているところである。SPTLに比較すると赤ら顔などにおいて施行後皮下出血が起こりにくいようである。現在のところは保険適応外である。


炭酸ガスレーザー
 波長が10.6μmの赤外線で、水に吸収されて熱を発生する。組織を完全に破壊することができるため、メスとして、あるいは蒸散として使用される。 
 主に母斑や脂漏性角化症の蒸散に用いている。局所麻酔の注射をした後表面を削り取る。手術後1週間ほどで傷が乾くので、その後は3ー6ヶ月紫外線を避けてもらう。



Qスイッチアレキサンドライトレーザー
 
波長750nmの光で、黒や茶色の色素性疾患に有効である。太田母斑、色素性母斑、外傷性の異物沈着症、老人性色素斑などの治療に用いる。ただし、やりすぎは色素脱失を起こすことがある。



SPTL1-b(585nm)色素レーザー
 
主に血管腫の治療に用いられる。単純性血管腫、イチゴ状血管腫、毛細血管拡張症などに効果がある。特にイチゴ状血管腫は早期に(生後まもなく、赤い点状の病変が見られたとき)治療することにより自然に消えるのを待っていた頃に比べ飛躍的によい結果が得られている。
 皮膚の下に存在する、海綿状血管腫には効果がない。


半導体レーザー
 
低反応レベルレーザー治療といい、痛みやアトピー性皮膚炎などの治療に用いている。すべての人に効果があるわけではないが、今注目されている治療法である。
 帯状疱疹には早期から使用してよい結果が得られることも多い。