「竿尻リール式のウキ釣り」 ビルヌーブ

 

 私は3年ほど前から、「竿尻リール式」による鯉のウキ釣りを楽しんでいます。

 河口湖では一部の地元鯉師が愛用しています。ぼくもその鯉師の方から教えていただきました。

 どす鯉メンバーでは私以外に「いなかさん」が水郷で愛用しています。

 

1・「竿尻リール式」とは

 竿尻リール式」とは、中通し竿の竿尻にバス用ベイトリールを固定することによって、ノベ竿感覚で鯉のウキ釣りを楽しめるように改造した釣り竿のことです。重量はかなりありますが、リールを竿尻に持ってきたことによって重心が竿尻に移動するので、アワセやすくなっています。

 

【竿尻リール式】

2・改造方法

 用意していただくものは、中通し竿・バス用ベイトリール・ジョイント金具・ビニールテープ

 中通し竿について、私は宇崎日新さんの「チヌ中通し630」を愛用しています。バス用ベイトリールはワゴンセールの安物でもOKです。ジョイント金具はホームセンターで購入可能ですが、細長くて頑丈な板状の金具だった何でもOKです。ビニールテープは粘着力の強いもの、絶縁テープがお勧めです。

 まず、中通し竿の竿尻にジョイント金具の半分をビニールテープで固定します。それからジョイント金具の残り半分にバス用ベイトリールをビニールテープで固定します。竿のキャップに穴を空けて、そこに糸を通せば出来上がりです。(「チヌ中通し」はキャップに水抜きの穴が開いているので、そこに通せばOKです。少し穴を広げれば使いやすくなります。)

【浮き】

 

3・仕掛け

仕掛けはできるだけシンプルにするよう心がけています。

リールに巻くラインですが、中通し竿はあまり太い糸は使えないので、できるだけ細くて頑丈な糸を巻くようにします。PEラインが良いと思います。私は「ダイニーマ巨鯉ハリス4号」を50m巻いています。

針は伊勢尼の1214号を使用しています。河口湖ではそれ以上小さくすると、ジャミのブルーギルが掛かりやすくなります。

私は振り込み時のトラブルを避けるために1本針でやっています。お好みで2本針にしてもよろしいかと思います。

ハリスは「吸い込み糸」を使用しています。ヨリモドシは4〜5号くらいのものを使用しています。

オモリは板オモリ・割ビシなどを使いますが、中通しオモリを使うことがあります。

ウキはコイウキ、または長いヘラウキが適しています。安い物で十分です。お勧めは上州屋さんの「かかって鯉」というコイウキです。好みによってトップも長くて見やすいものに変えても良いと思います。

【仕掛け】

 

4・エサ

エサはマルキューさんの「天下無双」の単品を使っています。「浮き鯉」や「コイミー」などでも良いと思います。

「天下無双」に水を入れて、軽くかき混ぜてボソボソ状態に仕上げます。練り込んでしまうと粒子が潰れてバラケなくなってしまい、コイを寄せられなくなるので注意が必要です。ハリ付けするときに軽く手を水で濡らしておくとエサがまとまり易くなります。ハリ付けの大きさは1円玉くらいの大きさを基準にやっています。

【餌はこのくらいの大きさ・・・】

マルキュー 【天下無双】 マルキュー 【浮き鯉】 マルキュー 【コイミー】

5・釣り方

釣り方は、ヘラブナ釣りを大雑把にした感じです。

ポイントは流れ込み、排水、障害物回りなど。

ポイントが決まったら「タナ取りゴム」を使って、しっかり底を測ります。特に初めて行くポイントでは時間を掛けて底を測っています。

基本は底釣りです。ウキの調整は「エサ落ち」が分かるように調整しますが、風が強い日などは中通しオモリ(ヘラ釣りで言う「ドボン」)でやることがあります。

餌の振り込み方は両手による「回し振り」が基本です。(「送り込み」だと手首に負担が掛かって傷めやすいです) 周囲に人がいないかよく注意してから振り込みます。

バラケの強い餌を同じポイントに集中的に振り込んでコイを寄せます。コイが寄ってきたら喰わせを重視するため、餌を少し練り込んでから振り込みます。アタリはかなり明確に出ますので、ウキが消しこんだ、または浮き上がったときに一気にアワせます。小ゴイが掛かったら一気にゴボウ抜きできますが、中型以上になるとパワーが凄いので、リールを使ってやり取りします。「竿尻リール式」では、コイとのやり取りと竿の準備&後片付け以外でリールを使うことはほとんどありません。コイが掛かって竿が伸されそうになったときに、リールから糸を出して回避してからやり取りするといった感じです。

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7・河口湖でのウキ釣り

 私のホームグラウンドの河口湖は吸い込み釣りが盛んですが、鯉のウキ釣りも楽しめます。

 ポイントが岸から少し離れているところが多いので、竿の長さは5.46.3mの長竿が有利です。

 透明度が高いので、ひたすらバラケ餌を打って魚を寄せることが肝心です。アタリが出始めたら、今度は喰わせ餌を打って明確なアタリを待ちます。

 バラケ餌・喰わせ餌は共にマルキューさんの「天下無双」単品を使用しています。バラケ餌は水を少なめにボソボソな状態で仕上げ、喰わせ餌はよく練りこんで餌持ちを良くした状態で仕上げます。

 河口湖ではジャミの攻撃をうまくかわすことも必要になってきます。特にブルーギルの攻撃が激しく、針が小さいとすぐに掛かってきてしまうので、ハリを伊勢尼12〜14号と大きめにしています。また、餌打ち時にブルーギルの遊泳層を早く突破するために、オモリを重くして餌を早く沈めるようにしています。ウキもそのオモリの負荷に見合った浮力の強い物を使用しています。ブルーギル以外では、ブラックバス、ウグイ、ニゴイ、まれにヘラブナ、マブナ、亀なども掛かってきます。

 早朝・夕方がよく釣れる時間帯ですが、日中でも十分に釣れます。日中の河口湖はモーターボートや遊覧船、バスボートで賑やかですが、静かな場所で竿を出せば釣ることができます。

 

【鯉のアタリ!】 【鯉がヒット!】
【綺麗な河口湖の鯉】

 以上、「竿尻リール式」でのウキ釣りのレポートです。