マーケティングとゼミナール
2010年3月24日アップ



私は 日本マーケティング史研究会 の
発足当時からのメンバーです。

このページでは、ちょっと古い話ですが

マーケティング学科が
{ゼミナール教育を重視すること}
の 正当性・必然性について語りたいと思います。





まず、そもそもゼミナールって用語ですが、
『ラテン語辞典』によると
この語源は seminarium。


意味は、
「若木の苗床、苗木の仕立場、芽・始まり・起源・根源」。


大学における教育も
これに由来して始まりました。








マーケティングの授業を最初に(1902年に)
開始した大学の1つであるミシガン大学も、
ゼミナール教育を重視していた!

これは、注目すべき事実です!


ミシガン大学の初代学長(タッパン氏)も
プロイセンの大学で一番注目すべき教育システムは
ゼミナールだ、と、考えていたようです。






では、その、プロイセンの大学の
ゼミナール教育とは、どのようなものだったのか?







「ソクラテス的対話」による教育をめざすもの。

それが、プロイセンの大学で定式化された
ゼミナールでした。


学生たちは、ゼミナール室の膨大な資料を
丹念に読んで、
内容を分析して、
ゼミナールで報告したそうです。

その、報告内容について
疑問が出されれば、
関連資料を参照して、
問題を解決してゆく・・・・・

その、繰り返し!




20世紀初頭のミシガン大学の教育の柱は、
まさに、これでした!


ミシガン大学からは
黎明期のマーケティング研究者・専門家が
たくさん輩出されました。



ゼミナール教育に力を入れていたからこそ、
マーケティング的発想が磨かれたことは疑いえないようです。








以上の内容は、
私が書いた『ファッション・ブランドの起源』第6章後半でも
詳しく述べています。

私の著書が信じられない(?)人&本気で調べたい人は
以下をお読みください!

伊藤敏雄著
『米国近代大学史研究: ミシガン大学を事例として』
風間書房、2000年。









もちろん、今は21世紀。

東洋大学のマーケティング学科では、
PC(電子ジャーナル&インターネット)フル活用で、
21世紀のマーケティング教育を充実させています。






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