森林さえあればCO2を削減できるのでしょうか?
 
 日本(世界)には、多くの森林が存在します。その多くの森林はCO2削減に貢献しているといえるでしょうか。
そんなのあたりまえと言われるでしょうが、そうでもなさそうです。植物は光合成で得た炭水化物を取り込む。その分重量が増え体内の炭素が増える。
@植物は呼吸することにより酸素を吸収し炭酸ガスをはき出す。その分植物の持つ炭素が減る。
Aしかし、呼吸で吐き出す炭酸ガスの量を光合成で吸収するCO2が上回ります。
 その分蓄積するCO2が増えます。つまりA−@=プラスとなります。
しかし、話はそう簡単ではありません。植物は、落葉、枝の脱落、幹の空洞化で体の一部を失う。
植物は炭素、酸素、水素でできている。枝の脱落、空洞化は植物の腐敗を伴うので、その際CO2を放出します。
 成長を続けている植物はトータルでCO2を吸収する。成長する限りCO2を吸収できる。
しかし、成長が止まった場合、体重が一定の状態を保ち、差し引きゼロとなる(カーボンニュートラル)
これは一本の木の場合の例ですが、森林も同様です。成熟した森林はCO2で満杯の貯蔵庫でそれ以上は吸わない。
 森林がたくさんあっても維持するだけでCO2削減には効果はないのです。
    森林の管理伐採
成熟した森林がCO2を吸収しないのならどうすればと言うことになります。それは森林の植物を伐採し、そのあとに植林をする。若い樹木がCO2を吸収しながら成長してゆく。これがまた成熟する。これを繰り返す。(植林ー成長ー伐採)
このサイクルが必要になる。(50年周期と言われる)
問題は、伐採をした樹木の処理である。燃やすとCO2が大気に戻る。
 切ったままでも腐ってCO2が大気中に戻ってしまう。
では、伐採した樹木をむやみに燃やすのではなく、燃料として燃やせばどうか。
 (バイオマス)生物由来のエネルギーである。日本人が割り箸用に木を切って環境の破壊をしていると非難されている。しかし木(竹)を切った跡に植樹をすれば、環境の破壊は無い。
問題は使い古しの木製品、竹製品だ。
 ごみ処理場で燃やすだけだとCO2削減に貢献しない。
・焼却熱で発電したり、木材ボイラーの燃料に使用したりすればそれだけ化石燃料の使用を減らすことになり、環境に貢献できる。
光合成とは・植物が光によって水を分解して酸素を発生させ、二酸化炭素を有機物に固定する反応