はじめに

スキーに限らずスポーツを楽しむには、怪我というリスクを多少なりもと背負わなくてはなりません。

ただ自分が自爆して自分だけが怪我をしたなら「自業自得」で済みますが、スキーで接触事故を起こしてしまうと、自分だけでなく相手を怪我させることもあります。お読みになっている方も分かることではありますが、スキーを楽しむには「危険」が伴います。

自分の気持ちとしても「過去のイヤな事だから忘れたい」といった気持ちもあるのですが、このHPをお読みになっている方にスキーで接触事故を起こした私の経験が、役に立って貰っては困るところではありますが、何かの参考になれば幸いと思いこのページを作りました。

2000年3月4日(土) 接触事故当日

13時頃尾瀬岩鞍スキーリゾートみずならコース下にて接触事故となる。

みずならコースから西山第一リフトへ行くには、みずならコース下からスピードをつけていかないと漕ぐ運命にあるので、斜度の緩くなった辺りからズラしをだんだんと縦長にターン弧を変えて板を走らせはじめ、コース右端で止まっているの2人(3人?)を避けて、コースの左端を縦長ショートターンで滑って行くと、右前方に上手い方がミドルターンで滑っているので「上手いので変な動きはしない」と考え、コースの外側から抜きにかかって視界から消えた。

が、その後赤い何かが右から視界に入ってきたのですが、気がつくとコース上で寝てました。 相手は背中を打ってウエアの裾がエッヂで切れてしまって、私は頭を打って「脳振動」でちょっと立てませんでした。その後レスキューまで行き、取り敢えず住所氏名連絡先を交換し別れましたが・・・

私の右側を滑っていた相手の滑りがかなり上手かった(後で聞いたらI県の県デモを教えるような方だった)ので、大丈夫だろうと思いこのような事故になったのですが、過去の判例からすると、後ろから滑ってきている私の方に安全確認義務があるのですが。

相手の連れの方々に「危ないと叫んだ」とか、「スピードだし過ぎ」とか言われましたが、叫ばれても知っている人の声なら少しは反応するかも知れないけれど、ナンで私だけそんな事言われるの? 私のスピードもド後傾で空気椅子滑りをしていたわけでもなく、視界内からなら止まれはしなくても避けられる範囲だったと思いますが、視界外からからだとどうにもなりませんね・・・ 

私は頭打って軽い脳震盪+ちょっとした吐き気をもようし、相手は背中を打って悶絶。救護室へ行った後に連絡先をお互いに交換し、相手のウエアの裾の部分が切れていたので「弁償して欲しい」と言われたので「分かりました」と返答する。

家に帰ってからスキー保険に入っているので、スキー保険屋に事故があったことを報告し、一応私の方が上から滑ってきたので、スキージャーナル&スキーグラフィックの今までの事故を見ると「上から滑ってきた方が注意義務がある」との判例のようなので、電話でお前が・俺がとやり合っても話が進まないのは明白なので、夜相手に電話して怪我の状況を確認した。

2000年3月5日(日) 懲りずに次の日も岩鞍に行くと・・・朝4時に起きて、首が回るし、右足大腿部が打ち身でちょっと痛いが、動けるので「俺って馬鹿だっ!」と思いつつもスキーに行く。(実際馬鹿だよね)

午前中エキスパート下部で、午後女子国体西山コースで、昨日とウエアが違うけれど昨日の相手が滑っているのを目撃。あれ!? 大したことなかったのかなぁ? とまずは一安心。昨日のイヤなスキーと正反対にみんな気を遣ってくれて最高に楽しかった

一緒に滑ったみなさん有り難う!

2000年3月7日(火) 相手からの連絡

相手より電話があり「背骨の四番(私にはドコなのか?)がずれているので、10日にMRIで検査するがいいか?」との問い合わせなので、「駄目です」とは言えないですよね。まぁ〜後で困ったことになっても困るし・・・ 

ウエアはメーカーの試供品(?)なので、全損総取り替えで全額払っても提出が出来ないと相手の解答、全額払う=買い取りなのだからおかしくないのか? 私は法律に強い人間ではないので「その根拠は?」と言われると回答不能なので突っ込めず。

保険屋に治療の内容を伝えるが、スキー保険は賠償賠償保険であって、自動車保険の様に示談はしないとの事。それと、殆どスキーの事故は優先道路があるわけでは無いので、ゲレンデ上なら過失割合10:0はないので、後日会って事故の状況を聞きたいと言われ約束。


コレは完全に非常識なヤツとぶつかってしまい、困った事になった・・・ さぁ〜どうしよう? 私のスキー師匠Hさんに電話を入れてみる。

ぶつかった時から今までの経緯を話すと、体の調子が悪いなら医者に行った方が良いと言う事と『ゴタゴタしそうなら弁護士を紹介してやるからココに電話してみろ』とのお言葉。紹介された弁護士に電話を入れると、アレコレ状況を聞かれ、保険の約款を送っての欲しいと言われ、事務所に約款を郵送。

その後師匠に電話し『弁護士って費用はどれ位?』と聞くと『請求されたらオレがプライベートレッスンで払ってやるよ』となんとも有り難いお言葉に涙×2。 

2000年3月8日(水) この感覚は肩こりではないぞ!

仕事には行ってはいたが、私は事務仕事なので下を向く時間が長くて、やはり頭を打っているだけあって首がかなり重い。元々肩こり症の私ではあるが、おかしいと思い仕事が終わって病院へ。

受付で「どうなさいました?」と聞かれ、スキーでぶつかって・・・ 「相手に損害賠償しますか? するなら健保は使えませんが」えっ!? 交通事故で健保が使えないのは知ってはいたが、スキー事故も使えないの? 取り敢えずあとでキャッシュバック出来るとのことで、全額自腹で払い事にする。

診断の結果レントゲンの結果は大丈夫だけれど、筋を痛めているので湿布と飲み薬を貰い一週間ほど様子を見るように言われる。そして治療費約19000円!? 持ち合わせがなく取り敢えず1万円払って、明日払いに来る旨を告げて病院を後にする。

2000年3月10日(金) 保険屋へ事故状況報告

仕事が終わりいつも出入りしているチューンナップ屋で保険屋さんと会って事故状況の報告。

ゲレンデには道路交通法みたいなのがあって、こっちが優先で・・・なる法律はない。よって過去の判例を元に判断することになるが、ゲレンデでの事故で今までに過失10:0はリフト待ちに突っ込んで骨折させてしまっただけだという。ゲレンデ端に停止している状況で突っ込んでも10:0ではないという。”ゲレンデで止まっていて良いのはリフト待ちだけ”なのだそうで、言われてみると納得。ゲレンデでは止まらないのが一番安全なようだが、安全のために止まることもあるので、そんな訳にもいかないよね・・・

〜現在
久々にこのページを見たら、そろそろ思って居る事を書き込みしようかと。

私の相手は完全にクレージーだったとしか思えない。オカシナ要求ばかりしてくるので、相手が全部言いたい事を言い終わった所で「さすがに県デモを教えるだけの巧さですね、翌日西山コースで小回り教えているのを見たけどスッゴイ巧いですね」と言ってやった。それ以後電話は来ない。

接触事故を起こした次の日も滑って、帰宅してから医者へ行って、損害賠償なんてあり得ん!

それもWW尾瀬岩鞍の女子国体西山コースは、最大27度・平均21度のバーンなので、医者に行くような怪我していて、滑れるような斜面ではないし、ウエアも全額弁償で渡せないなんて常識が無いオカシナヒトだった事間違いなし。

ちなみに、事故翌日の3月5日はお忍び(?)のツモリで、違うウエア着て滑っていたのだろうけど、チームウエア着ている連中を教えているんだから、目立つ事請け合い! 頭隠して尻隠さずより目立つかもね。

教えていたチームも岩鞍年券だったけど、岩鞍にしか行かない私だが、技選の県予選以外見かけないけれど「某I県の人が岩鞍年券をカラーコピーして不正使用していた」なんて噂話も聞いたが、コレも関連ありか?

スキー接触事故で得た知識

●スキー保険は示談はしません。相手との示談交渉は自分でやならければなりません。

●医療費は交通事故と同じで全額負担になります。

●ゲレンデで止まっていていい場所は「リフト待ち」だけです。他では過失10:0という事にはなりません。

最後に、事故を起こして落ち込んでいる私を「滑れるなら行こう! じっとしていてもつまらないよ」とスキーに誘ってくれたり、色々と相談にのって頂いたり、スキー教程を調べてくれた方々に、心より感謝申し上げますm(_ _)m 

翌日岩鞍に行かなかったら、相手の思惑通りになる所でした。