入山に際して知っておきたいルール

ここでは、尾瀬入山に際する知っておきたいルールを抜粋しました。特別 保護地域に特別に入らせていただくという謙譲の心を持って入山しよう!というのが、私の尾瀬ハイクに際する持論です。私も分かっていてもついついルール違反を犯してしまいがちです。今一度みなさんと共に復習してみましょう!

以下抜粋


自然の力は偉大ですが一方で人間の何気ない行動によっていとも簡単にその姿を変えてしまうこともあります。尾瀬はそのほとんどが国立公園の特別保護地区あるいは特別天然記念物として法律はもちろんのことたくさんの人たちの努力によって厳重に保護されている特別の地域です。観光地ではありません。最低限のマナーを守って気持ちよく接してください。

1. ごみは必ず持ち帰りましょう。
近年のごみ持ち帰り運動が定着してきたためか、大きなごみの投げ捨ては減少しましたが煙草の吸い殻やキャンディーの袋など小さいものが無くなりません。また人目につかないところへの投げ捨て等、見かけた人はお互いに注意し合って下さい。なお、喫煙は休憩所等の決められた場所で携帯用の灰皿等を用意してお願いします。煙草の灰も毒性が高いので湿原などに落とさないように十分注意して下さい。
2. 湿原への立ち入りは禁止です。
人目が無いからといって、また、良い写真を撮りたいといって湿原に入る人がいますが、一度踏み付けられた湿原の植物が復元するためには気が遠くなるような年月が必要です。踏みつけによってこれ以上裸地化(植物が生えなくなってしまう  こと)が進まないようにしたいものです。もちろんカメラの三脚を湿原に置くのもルール違反です。
3. 植物,昆虫の採取は禁止です。
あたりまえの事ですが、高山植物が美しいからといってまた珍しいから庭に植えよう等といって植物を抜いてきたりしてしまうことは尾瀬ではもちろんできません。さらに、木の実,キノコ,山菜,昆虫や動物を採ることもできませんし、厳密に言うと枯れ葉や木の枝を動かすことさえも自然公園法で禁止されています。杖が欲しくなりそうな人は前もってハイキング用の杖などを用意してください。
4. 家族同様でもペットの連れ込みは禁止です。
もともとすんでいる動物に対して脅威になったり病気を持ち込んだりすることを防ぐためなどの理由で禁止されています。
5. たき火,指定地以外でのキャンプ,洗剤等の使用は禁止です。
6. 尾瀬は平地ではありません。                                            

旅行会社の企画ツアーで入山した人に多いのですが、車から降りてすぐの場所と思わないで下さい。
一番近い入山口(沼山峠や鳩待峠)からでも一般の成人でおよそ1時間かかります。
また標高が1400m以上の山岳地帯のため天候の急変も当たり前です。
企画ツアーであってもそれなりの装備が必要です。
7. 尾瀬の池塘は、「トレビの泉」ではありません。
自然になるべくインパクトを与えないようにするのが「特別保護地区」での振る舞いの基本です。池塘にコインを投げ入れても、自然に悪影響こそ与えることはあっても決して良いことは起きません。
その分はトイレの募金箱などに入れるようにしましょう。

8. 番外編
  尾瀬に限った事ではありませんが、自分はアウトドアに詳しいと思っているあなた。もう一度良く考えて下さい。
I. 食べ物の残りや果物の皮等を埋めておけば微生物が分解してくれるので問題は無いと考えていませんか?
 実際は山岳地帯では温度が低く、土中の微生物の種類や活性も平地とは異なるために、埋めても分解されずにゴミとなって 残り汚染 の原因になってしまいます。必ず持ち帰って下さい。
II. キャンプ場で雨に備えて溝掘りをしていませんか?現在は国立公園内に設けられたキャンプ場では溝掘りは禁止になっ ているのが常識です。テントの性能も良くなっていますので、自然破壊に繋がるこういった行為は止めましょう。
また、人気のオートキャンプ的なキャンプは尾瀬のキャンプ場ではできません。自分のごみはすべて持ち帰り、来る前と同じ状態で帰ることが原則です。

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色々とうるさいと感じるかもしれませんが、みなさんが気持ちよく利用できるように、そして少しでも自然にやさしく接するために御協力をお願いします。

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