(C)TOSSランド/入門向山実践の楽しい授業/向山洋一の授業シリーズ第3巻(明治図書)『授業の知的組み立て方』21.向山の難問(P59,算数)
大島佳代(TOSS下野教育、TOSSストロベリー)
59ページに「向山難問」について、やり方や実践が紹介されている。向山洋一氏の実践をもとに中学2年生に難問の授業を行った。
向山氏は当時5年生を担任し、1月末には教科書の内容がほぼ終わり、残りの時間に難問プリントを行っていた。「どれから手をつけてもいい。1問だけ解ければいい。」ことを強調されていた。3月には難問を10題を出し、1問解ければいいのだがそれもあっという間に解いてしまった子が5人、その子たちに「向山先生が今までに出した問題で、一番難しいのを出して」とせがまれて出した問題である。
向山氏のクラスでは二週間たって一人の子が問題を解いた。その時の向山先生の対応がすごい。「私はすぐのその場で賞状を書いてあげた。」二週間その問題に執着する粘り強さ、逞しさも凄いが、その子への向山先生の称え方も凄い。
私は授業のすき間時間に行った。成績が中間層の生徒も数学の苦手な生徒も全員が一つの問題に真剣に取り組んでいた。解けた生徒はいなかった。しかし、教室中がシーンと静まり返り、問題に取り組む集中力は普段の授業と比にならない程だ。数学は苦手で集中力が途切れやすい生徒が「先生、ヒントください」と問題に執着する魅力が難問にはある。
難問を出します。(問題を印刷したプリントを配って)全部で3題です。どれから始めても構いません。1題でもできたら持ってきましょう。
授業でやっていたのが図形の単元だったので、図形に関する問題2題と下記のの「向山学級の超難問」の合わせて3題を出した。
〔問題〕
□□9□□□
×□□□□9□
□9□□□□
□□□□□9□
□□9□□□
9□□□□9
□□□□9□□
□9□□□□
□□□□□□□□9□□
図形の問題は続々と正解が出る。それが周りにも波及していく。できた生徒に黒板に書かせていく。しかし、超難問の方は正解者が出ない。だが、生徒も何度も試行錯誤しながら必死に解いていた。
向山学級のように生徒は鍛えられていない。難問をやるのも月に1回程度、授業の残り時間20分程度である。難易度の高くない虫食い算から入り、「易から難へ」のステップで最後にこの問題を出すというスタイルの方がダイナミックになったのかもしれない。
上記の問題の正解は
139777
× 597495
698885
4257993
419331
978439
1257993
698885
83502080915