パソコンの効果的な活用及び情報モラルの研究
大平町教育研究所パソコン部会
1 はじめに
IT新改革戦略を推し進めるために、2006年6月1日「重点計画−2006年(案)概要発表されました。そこには、こどもの安全確保や普通教室における教育用PC整備の充実そして、教育現場における情報セキュリティの確保が書いてあります。各学校には、実情に即した情報セキュリティポリシー策定に向けたガイドラインの作成やその普及展開を求めています。
県では、財団法人コンピューター教育開発センター(CEC)のポリシーの策定および運用に向けた手順を解説した、学校情報セキュリティハンドブックの配布を受け研究を進めているようです。このような状況下、今年度の町パソコン部会では、急速に進むインターネットテクノロジーと共に社会不安や携帯電話の児童生徒への普及等に伴う、情報モラル指導や学校のセキュリティ対策を中心に研修を進めてきました。以下に、今年度の研究の様子を紹介致します。
2 パソコン利用規定と職員研修について
各校でパソコンの効果的で安全な利用及び個人情報保護の観点から利用規定を作成するとともに、職員研修を実施している。
研修内容概略
・校内利用規定の順守について
・校内機器の構成及び基本的な使用方法について
・インターネットでの有害情報へのアクセス制限について(フィルタリングソフトの利用等)
・個人情報の保護及び情報の流出防止について
(個人情報の取り扱い、保存場所の限定、文書・フォルダ・コンピュータのパスワードの設定による保護や情報の暗号化等)
・著作権の保護について(違法コピーの禁止等)
・ウィルス等の対策について(定期的なウィルス対策ソフトの更新とWindows Updateの実施等)
・指導内容(情報モラルやマナー、メディアリテラシー等の育成)について
・ラインネットの利用方法及び校内ラインネット運用管理規定について
(個人情報の保護、不審者情報発信の場合の情報の信頼性とプライバシーの保護等)
3 簡単にできるホームページの作り方
(1) メインページの作成 使用ソフト:ワードプロセッサー(wordと一太郎)
縮専(フリーソフト)を活用して、イメージサイズを縮小
(縮専 http://www.i-section.net/software/shukusen/)
(2) フレームを作成 使用ソフト:ホタル
ア、ファイル作成
イ、名前を付けて保存
ウ 属性に名前を付ける
(3) 目次を付ける
(4) 新しいページの作成
(5) リンクの挿入
ハイパーリンク
*1 学校のホームページを更新するために、簡素なつくりにする。
*2 児童・生徒のプライバシーの保護
インターネット利用ガイドラインの整備
児童・生徒のイメージ掲載は保護者の許可を得る。
4 講演「不正アクセスへの対策方法を知ろう」
9月4日にJMCエデュケーションズの三塩幸三氏を迎え「不正アクセスへの対策方法」についての研修を行いました。内容は以下の通りです。
○ 不正アクセスの要因としては、大きく「なりすまし」と「セキュリティーホール(OSの脆弱性)からの侵入」の2点が挙げられる。それぞれへの対策法を紹介する。
@ コンピュータ起動時にパスワードを利用する。
・ パスワードが設定されていないコンピュータは、必ずパスワードを設定する。
・ パスワードは、自分で責任を持って管理し、他人には教えない。
・ 推測されやすいパスワードは利用しない。(ユーザ名と同じ、氏名、誕生日、電話番号など)
・ パスワードには、大文字・小文字・数字・記号などを利用し、8文字以上にする。
・ メモをディスプレイやコンピュータに貼り付けたり、机の中などにしまったりしない。
・ パスワードは定期的に更新する。
・ 離席時は、ログオフを行う。
A セキュリティ修正プログラムをインストールする。
OSやアプリケーションには、ソフトウェアの設計ミスで生まれたセキュリティ上の弱点があり、これを「セキュリティホール(脆弱性)」と呼ぶ。セキュリティホールをそのままにしておくと、次のような弊害が起こる可能性がある。
・ 悪意のある人物からコンピュータに侵入され、大切な情報を奪われてしまう。
・ 自分のコンピュータを他のネットワークやコンピュータへ攻撃するための踏み台として利用される。
・ ウイルス感染を許してしまい、最悪の場合では、コンピュータが起動しなくなる。
セキュリティホールへの対策として、OSやアプリケーションのセキュリティ修正プログラムをインストールする。
5 トータルソリューション
School-NET(InterCLASS/InterMANAGER)」の実習を受けて
中学校では、間もなく、パソコン教室のコンピュータ入れ替えの時期が来ます。それにともない、現在使用している画像転送システムの検討・見直しを考えています。現在のものはハード的な装置で、操作は分かりやすいもののコンピュータ本体への負荷が大きく、システムの不具合がおきやすい状況にあります。そこで、チェル株式会社が販売している「InterCLASS/InterMANAGER」の機能や操作性を確かめるために、鈴木康大氏(チェル株式会社)と栃木宏一氏(三協コンピュータ株式会社)より本製品の紹介をしていただきました。
本製品は、画像転送・ブラックアウト・ファイル配布/回収を行うための単なる”授業支援システム”ではなく、授業において、生徒の理解度や到達度を確認する目的で小テストを実施したり、アンケートや投票などを行うことができる評価システムを搭載しています。問題に対する学習者の回答はリアルタイムに集計され、先生用のパソコンで確認することができます。コンピュータシステム上で動作する場合に一番気になる動画映像転送の駒落ちもなく、ほぼリアルタイムで動画転送することができます。
実際に本製品を確認してみて、導入することを視野に入れた検討をしていくべきであると感じました。
6 おわりに
今年度、本町はパソコン部会研修とは別に学校内LANの有線化と緊急用家庭連絡網の整備を行った。学校情報セキュリティーや児童生徒の安全確保について、町が真剣に取り組んでいることに、この場をお借りして感謝申し上げます。これにともない、部員には研修が2回ほど、例年より増えましたが、協力感謝いたします。今後は、これらの設備を有効活用し、各校の実情に応じた情報セキュリティポリシー策定に向けたガイドラインの作成やその普及展開について研究していきたいと考えております。
また、携帯等の急速な普及による、児童生徒への情報モラル指導やネットワーク犯罪防止教育等についても、発達段階に応じた指導の研究をしていきたいと思います。
最後になりましたが、今年度のパソコン部会の研究が、町の情報教育向上のために、少しでも役立つことができたら幸いです。