はじめに
教科指導部会では,本町が平成9年度より文部省の進路指導総合改善事業に指
定されたのを受けて,昨年度より小・中学校における「生き方」指導について検
討を重ねてきた。中学校においては,研究実施校として大平南中学校の先行され
た研究成果をそのまま踏襲し小学校を主としてその発達段階に応じた「生き方」
指導のあり方について,道徳・特別活動・各教科それぞれの領域で指導案の作成
に取り組んだ。
今年度からは,「一人一人の児童生徒に豊かな人間性を培い,人権尊重の意欲
と能力を育てる指導の在り方と実践をめざして」という教育研究所の研究主題の
もと,『「総合的な学習の時間」における地域の教育力の活用』について研究を
重ねていくこととなった。「総合的な学習の時間」については,文部省がその実
施を打ち出して以来,様々な論議の中心的存在として昨今の教育界を賑わしてい
るが,その懐の広さ故に,戸惑いや試行錯誤が教育現場の至る所で感じられる。
さらにはこれまで以上に教員へ幅広い知識が求められるため,一人の教員の指導
力だけでは対応しきれない状況も容易に予想される。
そこで,昨年度の「生き方」指導に関する研究で得た,地域の教育力を活用す
る授業を「総合的な学習の時間」に生かしていくことで,その趣旨や目標が最大
限に達成されるものと考えた。全5回ある部会の研修で,各校で取り組んでいる
実践例を持ち寄り,質疑応答を繰り返していくことで「総合的な学習」に対する
認識と理解を深めていくことができた。特に小学校では各校で意欲的な取り組み
が見られ,その内容も環境・福祉といったテーマに集約できるものから児童の取
り組み方によっては,テーマの枠を大きく超えた教科横断的な授業の実践例が寄
せられた。学習形態としては,各小学校が学年ごとにクラスを越えた学習集団を
形成していく方法,中学校がやはり学年として1つの大きなテーマに取り組んで
いく方法などが報告された。(詳細は後ページに掲載)また,福祉週間に向けて
近所の特別養護老人施設「幸寿苑」への訪問(東小)や,『地球料理「カレー」
を極める』(中央小)では日立工場に勤務しているインド人のバンゲさんを招い
て交流会の場を設ける等といった具合に,授業においてそれぞれの学習項目に適
した地域の施設・人材を積極的に活用していくことで,これまで教員の知識や指
導力にのみ頼りがちであった授業に新鮮さと奥行きが感じられるようになった。
さらに学習方法(学び方)を児童・生徒に理解させるためのテキストやワークブ
ックの作成・工夫(西小・大平中),地域の学習教材や題材を把握するための資
料作り(中央小)なども報告された。
「総合的な学習の時間」の実施については,各校ともまだ手探りの状態であり
部員としても各校の実践例を知ることからのスタートであった。しかし,研修を
重ねるごとに実践例の事後報告も積み重なって,何とか実りある研究を行うこと
ができた。今後も今回の内容を踏み台により研修が深めていければ幸いである。
最後に公私多忙の中,授業研究や資料の作成に多大な時間を割いていただいた
諸先生方の熱意に,この場を借りて深く感謝の意を表したい。
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