パソコンの効果的な活用を図る基礎的研究

                                  パソコン研究部
1 はじめに
 平成14年度のパソコン研究部会は、2つのことに焦点を当て、研修を進めてきた。
 まず1つは、昨年度末に整備された校内LANへ接続するパソコンの導入に関することである。各校でいろいろと希望が出たが、町内6校とも、同じ仕様で導入することを考え、最大公約数的に要望を取り入れた。10月に各校に導入されたパソコンがこれに該当する。

 
 
 
 

 
 
 
企業によるソフトのプレゼンテーション→ → →
 今後は、導入されたグループウェア(通信くん)を含めて、校内LANとパソコンの活用方法についての研究を進め、少しずつ学校内のIT化を進めていきたいと考えている。こんなことができたら・・・・というようなことがあったら、各校のパソコン研究部員へお話頂きたいと思う。
 2つめは、パソコン室の要望について話し合いを進めた。ハード面、ソフト面について、これからの5年間を見通して、小学校・中学校別に各校の状況を踏まえて、要望をまとめた。中学校は、現在の機器・ネットワーク等を継承していくことを前提に考えた。小学校は、導入される40台のパソコンからインターネットへ接続できること等、現在のパソコン室よりもグレードアップする予定である。
 以下、今年度の研修内容について掲載した。
 
 
 
2 通信くんの活用
 新学習指導要領では、各教科の中での情報機器の効果的な活用が求められている。とりわけ総合的な学習の時間では、児童・生徒自らが課題を作り、自ら解決し、まとめ、発表する力をつけることが求められていることから、情報機器の果たす役割は大きい。また、パソコンがLAN型で整備されつつある現在、グループウェアの利用価値は非常に高くなっている。
 本校では、今年度町小中学校に導入された「通信くん」(TDK株式会社)を用いて、児童のコンピュータリテラシーの向上及びモラルの確立、授業での活用を図ってきた。
 
1 「通信くん」を使えるようにする
(1)個人フォルダの作成
    「通信くん」では、児童一人一人のデータを格納し管理するため、サーバー上に「個人フォルダ」を作る作業が必要とな
   る。ここで作成した個人フォルダ名は、そのままグローバルメールアドレスのアカウントとなる。
(2)ローカルメールアカウントとパスワードの入力
    児童一人一人にアカウントとパスワードを決めさせる。
     下記の用紙(通信くんを使うために)を児童に配布し、アカウントとパスワードを決めさせる。連番で作成することもで
    きるが、自分のアカウントに親しみを持たせる意味もあり、今回は自分で決めさせることとした。
(3)「通信くん」から読み込む。
     Excelのシートに一覧表を作成し、同一アカウントがないことを確認した後、CSV形式で保存し、「通信くん」から読み
    込む。
(4)グループを作る。
     学年単位によるグループ分けも考えられるが、指導、管理の両面から見て、クラス単位でのグループ分けが適当かと
    考え、本校ではクラス単位でのグループとした。
(5)ローカルドメインを与える。
     作成したそれぞれのグループにローカルドメイン(任意)を与える。
 
2 「通信くん」の活用
(1)電子メール
    @総合的な学習 5年「方言調べ」
      外部へのメール発信

 札幌市立○○小学校のみなさん、こんにちは。
ぼくは、栃木県大平町立大平西小学校の5年生です。
今、総合で方言を調べています。
次の方言を知っている5年生の人数を教えていただけませんか。
ぼくのアドレスは○○○○@×××.ne.jp です。
 (以下略)


      「方言調べ」では、グループで手分けをして、県内、県外の方言について調べた。
     メール送信のモラルについては、適宜指導した。
      なお、外部へのメール発信については、教師のチェックを受けてから送信となるような設定をしておく。
 
    Aメール交換
     ・校内の友達同士
        ローカルメールアドレスを使ってのメール交換。同学年だけでなく、異学年との交流も見られた。モラルについて
      は、学級で指導しているため、校内メールに関しては、教師のメールチェックなしで送受信させている。ログを見て、
      不適切な文や表現があった場合は、係(情報教育担当者)や担任から随時指導するようにしている。
 
 

 
▲パソコンを操作する児童の様子
 
 
      ・校外の友達へ
        他校へ転出した児童とのメールのやりとりが見られた。
 
(2)サイトくん
     カテゴリが豊富でサイトも多数登録されているが、必要な情報を見つけにくいため、「キッズgoo」サイトからの検索でのイン
    ターネット利用が圧倒的に多かった。


【インターネット活用場面(調べ学習)】

4年社会「県のようす」算数「町の面積調べ」総合「ゴミ調べ」
5年社会「雪国のくらし」理科「メダカの成長」家庭「掃除のこつ」
6年社会「国際理解」理科「大地のつくり」 


 
(3)会議室・掲示板
     今年度、「会議室」「掲示板」の本格的な活用はなかった。教師から問題を提示したり、授業後、児童に感想を書かせたり
    する程度だった。
 
3 今後
  ・今年度は初年度ということもあり、「通信くん」の利用を4〜6年とした。来年度は、全学年の児童が使えるようにしていきたい。
  ・利用についてはクラス差が見られた。時間を確保するとともに、担任との話し合いを持ち、積極的な活用ができるようにして
   いきたい。
  ・インターネットによる調べ学習のためのカテゴリやサイトを、充実させていく必要がある。
  ・電子メールをつかって、大平町内の児童生徒のメール交換を実現させていきたい。
 




3 パソコン室の要望
新パソコン室に関しての要望書について
 パソコン室が機種入れ替え(中学校:2月、小学校:4月)となる。そこで、現在のパソコン室を使用していることから見えてきた、現状の設置状況での問題点を整理し、情報教育の一層の向上に向けての理想的な設置方法について各校パソコン研究部員が検討し、以下のような「大平町各学校新パソコン室に関する要望書」として教育委員会に提出した。
 予算的な制約から実現の難しい用件もあるかと思うが、できる限り我々の考えた理想に近づいた形態となることを望んでいる。
 
大平町各小学校(要望書)
 1 教室の基本的な配置について
    a 教師用パソコンは、教室前部に配置。
       ・児童の表情を見ながら、指導ができる。
          ※現状のパソコン室の床面積は、40台設置には無理がある。仮に、現
           状より大きな教室になったとすると・・・。
            壁面に沿ってパソコンを並べ、中央は児童の作業場所として確保したい。
 
 2 パソコンについて
    a 導入時期における最新型のデスクトップパソコン
       ・小学生が初めてふれるパソコンなので、パソコンとしての基本形(スピーカ
        ー&マイクも含めて)がそろっているものが望ましい。
    b 光学式マウス
       ・メインテナンスが不要になるので、管理がしやすい。
 
3 ソフトについて
    a 通信くん
    b 一太郎スマイル
       ・日本語変換が小学生にとって、とても使いやすい。
       ・近隣の地区でも導入している学校が多く、児童の使い勝手において定評がある。
    c ファイル復旧ソフト
    d セキュリティソフト
       ・ライセンス数を多くとり、職員室の事務用パソコンにも対応できるとよい。
    e フィルタリングソフト
    d サーバー型の教材配信ソフト
 
 4 周辺機器について
    a プリンタについては、A4インクジェットプリンタを多くの台数。A3対応カ
      ラーレーザープリンタを1台以上
       ・小学生においては、印刷が始まることを待つことが難しい。そのため、待ちきれず印刷を何回
        も命令してしまい、その結果印刷が停滞してしまうのが現状である。
    b 映像装置については、天井からつり下げるタイプの液晶プロジェクターと大型のスクリーン
    c イメージスキャナ
 
 5 パソコン室内の備品について
    a ホワイトボード
    b パソコン使用に関する掛け図、ローマ字表
    c 整理棚
    d 暖房器具
 6 その他
    a 情報教育アドバイザーなどの専門家の設置
       ・各校の情報担当者は、教室用パソコンも含めた多数のパソコンの管理運用を時間をやりくりしながら
        おこなっているが、現状でも限界に近づいている。これ以上の台数は、とうてい管理しきれない。
 
 
大平町各中学校(要望書)
(ハード面)
1 5年間を考慮して、導入時期における最新のパソコンとする。
   @フラット型ディスプレイ   A光学式マウス
2 現在のパソコン室の機能を継承する。
   @ビデオを生徒に配信できる。 Aファイル復旧ソフトを導入する。
   Bウィルスチェック・有害情報防止のソフトを導入する。
3 プリンターを現在の4台から6台とする。
   生徒用は、A4版モノクロレザープリンタ
   教師用は、A3版カラーレザープリンタ1台
4 イメージスキャナと教材提示装置を1台ずつ設置
 
(ソフト面)
 ソフトに関しては、各中学校の実態に合わせて要望する。
 
 
 
4 校内LANに関する先進地視察報告
 
 平成14年11月21日、町内全小中学校に校内LANを導入し、全教職員にノートパソコンを1台貸与している先進町の国分寺町を訪問した。町公民館に於いて田村指導主事より国分寺町小中学校の教育の情報化計画、教職員対象のIT研修等についての話を伺った。また、現場視察ということで、国分寺中を訪問し、担当の先生より校内LANの活用の仕方やアクセスポイント等の設置状況等について説明いただいた。
 今後、大平町における情報教育を推進するにあたり有意義な視察をすることができた。その内容を概略であるが報告したい。
 
1 国分寺町小中学校の教育の情報化計画について
    <なぜ教育の情報化が必要なのか?>
 理由1 社会生活、家庭生活へのITの急速な普及
 理由2 週5日制の導入による授業時数・内容の削減
      *授業の効率化をはかり基礎・基本
       の定着と個性化個別化が課題。
      *これらの課題克服には授業におけ
       る教職員のコンピュータ利用が必
       要不可欠。
   (田村指導主事より説明)
      *ITの活用により、学力低下、ひ
       いては国力の低下を防ぐことが急
        務。
 理由3 教師の仕事の多様化・煩雑化     
      *一部の教職員に成績処理等の事務が集中。 
             ↓
      *全職員がパソコンを持ち、使えるようにならないとゆとり
       はうまれない。
      *事務を効率化させ、児童生徒に接する時間を増やす必
       要がある。
                                                                ▲研修の様子
 理由4 国の情報化政策
 
<国分寺町教育委員会の考える教育の情報化とは>
 
             ▲プレゼンテーション資料1        
 
             ▲プレゼンテーション資料2


(教育の情報化がもたらす教育の変容)
 ・パソコン室1人1台によりパソコンに触れる機会が倍増。
 ・各教室、特別教室に各1台のパソコン設置でパソコン室以外でもITの活用が可能に。
 ・ディジタル学級日誌等のグループウェア活用を通して、IT活用の日常化が可能に。
 ・教職員1人1パソコンの整備により、わかりやすく視覚に訴える自作教材の作成が可能に。
 ・教職員1人1パソコンにより、学力差に応じた指導を可能にするソフトウェアの活用が可  能に。
 ・校内LANの整備により、どの教室でもインターネットを活用した魅力ある授業を実現。
 ・液晶プロジェクターの整備により、普通教室でも、コンピュータの画面を投影可能に。
 ・校内LANの整備により、会議資料のペーパーレス化、校務文書データの共有化。
 ・ディジタル学級日誌とホームページの活用で学校の生活の様子が家庭でもわかるように。
 ・地域への情報発信も可能に。
 ・事務負担から解放された先生と生徒の密接な関係の実現。
 
<教職員対象のIT研修について>

      国分寺町小中学校教職員IT研修計画

 1 研修内容
  (1)Windowsとインターネットの基本操作
  (2)一太郎の使い方
  (3)ワードの使い方
  (4)エクセルの使い方
  (5)インターネット、Eメール、インターネット忍者の使い方
  (6)パワーポイントの使い方
  (7)校内LAN及びキッズウェアの使い方
   *キッズウェアについては日興通信(株)が行う。他は(株)日立エレクトロニクスが行う。

 2 対象
  小中学校教職員のうち研修参加希望者。1つの研修内容について2回開催しますので
 日程上都合の良い方へご参加ください。(両方に参加しても結構です。)

 3 研修時間
   <平日>午後3時45分から4時45分までの1時間です。ただし、さらに詳しく知りたい方は、
         最大限1時間の延長は可能です。
   <夏休み中>午前中2時間30分、午後2時間30分行います。

 4 研修日・・・要検討
   *中学校の定期テスト中の放課後
   *夏休み中の県の研修等のない日(土日含む。ただし土日に研修した場合、夏休み中に振り替え
     で休日を取ってください。)
   *校内LAN及びキッズウエアの使い方については、春休み中に1回研修時間を設ける。
 

 
2 国分寺中学校現場視察
     <IT未来型教育の推進力として>
  (1)全教職員にコンピュータ1台貸与
  (2)町主催の研修会実施(年13回)
  (3)各校へコンピュータアドバイザーの配置(月14日)
 
     <平成14年度 研究の成果と課題>
【成果】
  職員1人1台のノートパソコンによって
  (1)キッズウェアシステムによる日報・諸連絡
      *朝の職員打合せが月曜日だけになり、生徒と接する時間が長くとれる
  (2)サーバーを使った文書の管理とファイルの共有化
      *事務時間の短縮、文書作成の合理化、各種研究の開放(フォーラム化)
      *パソコン室・TV会議室の予約、大会記録
      *いろいろな先生による、多角的な生徒の長所発見
  (3)机上でのインターネットおよびEメール
      *授業の教材研究と事務連絡のスピードアップ
  (4)8台のプロジェクターの設置
      *PTA、集会時の教材提示によるわかりやすい解説の実現
      *理科の授業等の教材提示で、分かる授業、興味・関心を高める授業の実現
      *職員会議での活用→仕事の効率化と生徒へのサービス向上(個別指導)
 
【課題】
  (1)TV会議システムの各教科での利用
  (2)ITを利用した、学校と地域との連携や開かれた学校の実現