X 成果と課題
 
 同和教育から人権教育へ移行して二年目になり,本部会の活動や各学校の取組を分析すると,
「栃木県人権教育基本方針」や「大平町人権教育基本方針」に基づいたスムーズな移行がなされ
ているとともに,学校における人権教育の重要性や効果が数多く確認できた。そして,人権教育に
おける幅広い内容や活動を通して,「人権」は自分自身のもの,だれにでもあるものという認識が
できるようになった。さらに,児童生徒の人権意識を高めることは,「よく生きる」ことを支えることに
つながることが明らかになった。
  昨年と同じように,重要課題の一つである高齢者問題を学習する場合に育てたい能力・態度を
小中学校ごとに設定した。本町の学校は,教科・道徳・特別活動・総合的な学習の時間などで人
権問題を積極的に扱っている。指導にあたる先生方の共通の悩みに,どのようなねらいを設定す
るか,他の学校はどのように行っているのかというものがあった。今回も,知性,判断力,感受性,
実践力の四つの能力や態度,実践化の場面などを発達段階に応じて示すことができた。小中学
校ともに実践化の場面で「共生社会」を築くことをめざしていることが本町の特徴である。
  転採・新採教職員人権教育研修は,5年前より参加型の人権学習を取り入れている。そこでは,
一貫して「同和問題」を中心的活動に位置づけ,各学校の人権教育担当の先生方がファシリテータ
ーを務めている。同和問題に対して否定的なイメージをもっていては人権教育を推進できないとの
認識からの継続的な研修である。アイスブレーキングからはじまり和やかな雰囲気のもと積極的に
取り組んでいた。本町の人権教育の推進状況を理解して頂き確実に実践されることが望まれる。
  県内研修では,栃木県教育委員会,二宮町教育委員会指定の人権教育研究学校である長沼
南小学校を訪問した。人権にかかわる学習の系統や関連性を明確化,一人ひとりを大切にした授
業の工夫,様々な交流を通した活動の工夫,児童・保護者の人権に関する意識調査の実施分析,
教育環境の整備と保護者・地域への啓発活動の工夫などが主な取組である。これらは,昨年度の
大平南中学校や今年度の大平中央小学校の研究と重なる。各学校でも人権教育を確実に行うに
あたり,県の人権教育の推進で示された「豊かな人間性を育てる」「人権意識を高める」「人権が尊
重された雰囲気や環境をつくる」の三つの内容を行うことが重要である。
 従前,同和教育推進教員に対して専門的研修の機会が計画的に位置づけられていたが,現在の
人権教育主任に対する研修は限定されている。本部会では,さまざまな情報を収集しながら今後の
人権教育の推進の在り方を模索したいと考えている。