主題 人権教育における育てたい能力・態度の小中連携の在り方

副主題  同和問題を通して

調査研究部会

T 主題設定の理由

 

 県内各小中学校では、平成14年4月から「栃木県人権教育基本方針」等を踏まえ、児
童生徒の人権尊重の精神の涵養を目的に、発達段階や地域の実情を踏まえながら特色ある
教育が進められている。また、各小中学校とも人権教育年間計画が作成され、平成17年
度は計画をもとにした実践を通しての評価が行われてきた。その中で、人権教育を推進す
るためには、教職員一人ひとりが人権尊重の理念について十分に理解し人権意識を高める
こと、そして、実践的な指導力の向上に努めることが肝要であることが挙げられていると
ころである。

さて、本町は同和問題の解決に向け、県内市町村の中でも早期に様々な取組を行ってき
た。学校教育においても、同和問題の解決を目指す同和教育を通して、各小中学校の実情
にあわせた推進体制や様々な教育活動が確立されてきており、これらの成果を踏まえ、「栃
木県人権教育基本方針」や「大平町人権教育啓発推進行動計画」また、平成16年7月に
制定された、「大平町自治基本条例」に基づき、各校は新たな人権教育計画の作成とその実
施に取り組んでいる最中である。

このような状況の下、調査研究部会では「人権教育における育てたい能力・態度の小中
連携の在り方」をテーマに本年度は以下の2点について調査研究を行うこととした。

まず第1は、同和問題に視点を当てた「人権教育で育てたい能力・態度」の作成である。
「人権教育のための国連10年国内行動計画」に示された重要課題をはじめとした、人権
に関する様々な課題に取り組んでいく際の参考になればと考え、ここ数年、調査研究部会
の継続的なテーマとして取り組んでいるものである。

さて、同和問題は「人権教育のための国連10年国内行動計画」に示された重要課題の
中でも中核的な問題であり、また、本町としても重要課題として取り上げているものであ
る。以上の理由から、調査研究部会として今年度のテーマとして取り上げた。

次に第2は、同和問題についての否定的なイメージを払拭することにあてた転採・新採
教職員研修の実施である。そこで、同和問題への正しい理解を深め、その解決を目指す研
修が毎年改善されながら実施されてきているが、より一層、その内容や方法の充実を図っ
ていく必要があると考えられる。

 以上の2点から、今年度の調査研究部会の主題を設定した。順次、調査研究部会の活動
を紹介していきたいと思う。


U 今年度の取り組み

 

同和問題における育てたい能力・態度(小学校)

 

知  性

判 断 力

感 受 性

実 践 力

人権教育

人権の大切さや人権にかかわる様々な問題点を正しく認識できる知性。

偏見や差別の不当性を科学的に見極めるとともに,物事を公正・公平に見極める判断力。

共に生きる喜びや差別・不正に対する悲しみや怒りを感じる豊かな感受性。

人権にかかわる様々な問題を主体的に解決し,人権尊重の社会を築いていこうとする実践力。

同和問題

同和問題の起こりや経緯について正しく認識できる知性。

同和問題における偏見や差別が不当であると科学的に見極める判断力。

偏見や差別に対して毅然として立ち向かってきた人々の悲しみや怒り、勇気や希望に共感する豊かな感受性。

偏見や差別をなくそうと主体的に取り組み,人権尊重の社会を築いていこうとする実践力。

実 践 化 の 場 面 と 留 意 点    教科書「小学生の社会6年」日本文教出版

 

実践化の場面と留意点

「徳川の世」は、どんな世の中だったの

『身分による支配』

【ねらい】

武士・農民・職人・商人などの仕事や暮らしのちがいを調べることを通して、幕府が身分制度によって、武士の世の中を支配するしくみをつくっていったことに気づくことができる。

【能力・態度】

  知 性:江戸幕府は、武士の世の中を支配するために、身分制度を確立させていったことがわかる。

  判断力:『農民や町民とは異なる身分』(以後、異なる身分)は、武士の政治への不満をそらすために作られた身分であることを見極めることができる。

  感受性:厳しい制限や環境のもとで生活させられていた異なる身分とされた人々の悲しみや怒り、たくましさに共感することができる。

【指導上の留意点】

     同和問題に初めて出会う学習のため「政治起源説」をしっかりおさえるようにする。

     用語については、以前は「さらに低い身分にされた人々」となっていたが、「農民や町民とは異なる身分とされた人々」として扱い、「えた・非人」の用語は使用しない。

     生活の貧しさや差別の厳しさを強調しすぎないようにし、皮製品や竹細工など人々の生活に役立つものの生産に従事していたことや、「新しい学問」のところで、杉田玄白たちの解剖の手助けをしたことなど、明るい展望がもてる資料を用いるようにする。

黒船の来航は、世の中をどう変えたの

『立ち上がる人々』

【ねらい】

教科書の文章や資料集をもとに、武士の政治に苦しんできた農民や町人、異なる身分の人々は、武士の政治に抵抗していったことに気づくことができる。

【能力・態度】

  知 性:岡山藩では、不当な差別の解消に向けて、異なる身分の人々が渋染一揆を起こし、藩の差別に関する命令を取り下げたことがわかる。

  判断力:幕藩体制の揺らぎを立て直すために、身分制度を引き締め、いかに異なる身分の人々を苦しめていったかがわかる。

  感受性:渋染一揆を起こした異なる身分の人々の、怒りや勇気に共感することができる。

  実践力:差別に対して毅然として立ち向かうことの大切さに気付く。

【指導上の留意点】

     渋染一揆の文章資料を用いる。

     決死の覚悟で不当な差別を跳ね返し、人間らしさを求め続けた人々の勇気ある行動に気づかせたい。また、人権の大切さに気づかせ、そのことを起点に自己の生き方を見つめる場とさせたい。

実  践  化  の  場  面  と  留  意  点            教科書「小学生の社会6年」日本文教出版

黒船の来航は、世の中をどう変えたの

『身分制度の廃止』

【ねらい】

明治政府の身分制度に対する政策について調べ、明治政府の諸改革による社会のしくみの変化に気付くとともに、差別が残り、差別をなくそうとする運動がおこったことを理解する。

【能力・態度】

  知 性:明治政府は解放令を出し、異なる身分の人々も身分上は解放されたが、差別はまだ残されていたことがわかる。

  判断力:差別が残ったのは、差別解消のための政策が取られなかったためであることがわかる。

  感受性:解放令が出たことの喜びと、差別が残された悲しみや怒りに共感することができる。

【指導上の留意点等】

     壬申戸籍の差別呼称「旧えた」「新平民」といった具体的な呼称には触れない。

     「天地のはかり」が出された背景を読み取り、解放令が出されたことで身分の平等について気づかせる。

     「解放令」は出されたが、差別をなくすための積極的な政策をとらなかったため、社会的、経済的にも差別が残されたことについてしっかりとおさえるようにする。

 

日本は、世界へどうあゆみ出したの

『民主主義の動き』

【ねらい】

欧米の文化が取り入れられ、野口英世などによって科学が進歩し、文学などの文化や教育が広まり、民主主義への動きが高まり始めたことがわかる。

【能力・態度】

  知 性:差別解消に向けて、全国水平社がつくられ、自分たちの力で差別をなくす運動を進めていったことがわかる。

  判断力:全国水平社がつくられた経緯を、民主主義を求める運動の広がりなど、社会の変化と関連づけて考えることができる。

  感受性:差別解消に向けて立ち上がった山田少年の勇気ある行動に、共感することができる。

  実践力:差別に対して毅然として立ち向かうことの大切さに気付く。

【指導上の留意点等】

     山田少年の演説内容から、まだ差別が残されていたことを理解するとともに、自分たちの力で差別解消に向けて立ち上がったことを共感的に理解させる。

     一部の運動に終わることなく、全国的に広がったことをおさえる。

 

日本国憲法には、どんな特色があるの

『基本的人権』

【ねらい】

日本国憲法には、国民の基本的人権をどのように定めているか、また、権利を行使するために果たさなければならない義務のあることについても、考えることができる。

【能力・態度】

  知 性:基本的人権の内容や、国民の三つの義務について理解することができる。また、人々の権利について、今まで問題になっていることがあることを知る。

  判断力:自分たちの生活と結びつけて、国民の権利や義務について考えることができる。

  実践力:お互いの人権を尊重し合い、差別しない、差別を許さない態度を身につけることの大切さに気づく。

【指導上の留意点】

     差別の問題について、具体的な事例をもとに、身近にある差別や偏見について一人一人が考え、誤ったこと、許されないことだと気づかせたい。

     「住民基本台帳ネットワークシステム」の運用によって、便利になった一方、個人情報漏洩による人権侵害の恐れも生じる場合があることを例示するとわかりやすい。

     「人権の大切さを訴えるポスター」の活用を図りたい。

 



同和問題における育てたい能力・態度(中学校)

 

知 性

判断力

感受性

実践力





 人権の大切さや人権にかかわるさまざまな問題点を正しく認識できる知性

 偏見や差別の不当性を科学的に見極めるとともに、物事を公正・公平に見極める判断力

 共に生きる喜びや差別・不正に対する悲しみや怒りを感じる豊かな感受性

 人権にかかわるさまざまな問題を主体的に解決し、人権尊重の社会を築いていこうとする実践力







 

 被差別部落の起源や同和問題の現状など、同和問題に関するさまざまな事象を正しく認識できる知性
 

 同和問題を的確に捉えるとともに、同和地区や同和関係者に対する偏見や差別の不当性を科学的、合理的に考えることができる判断力
 

 不当な差別に屈することなく、たくましく生き抜こうとする心の強さへの共感や差別・不正に対する怒りや悲しみを感じ取る豊かな感受性 

 形を変えながら根強く残っている同和問題を、自らの問題として受け止め、主体的に解決し人権尊重の社会を築いていこうとする実践力
 




































教科書
 

『室町文化とその広がり』
【ねらい】
  室町文化をささえた人々の中には身分的に差別された階層の人々がいたことに気付く。
【能力・態度】
 知 性: 能楽や庭園など、室町期の芸能・建築に優れた才能を発揮した人々が、身分的に     差別され、卑しめられていた階層の人々であったことがわかる。
【指導上の留意点】
 ・ 時代によっては、差別された身分がいることに気付かせる。
 ・ 江戸時代の被差別身分には直結しないことを配慮する。
【資料】 石庭の写真・能楽の様子の絵

『さまざまな身分とくらし』−「きびしい身分による差別」
【ねらい】
  百姓・町人とは別にえた身分・ひにん身分が置かれ、幕府や藩からさまざまな制限や束縛 を受け、そのことで人々の差別意識を強める働きをしていたことがわかる。
【能力・態度】
 知 性: えた身分・ひにん身分のそれぞれの仕事や与えられた役目がわかる。
 判断力: えた身分・ひにん身分がさまざまな制限や束縛を幕府や藩から受けたことによっ     て、人々の差別意識も強められたことがわかる。
 感受性: 人々の差別意識を利用した不当な差別であることへの怒りを持つ。
【指導上の留意点】
 ・ 差別される人々がいたこと、幕府・藩がそれらの人々を政治的に利用して、差別が増幅  されたことをきちんととらえさせる。
 ・ えた身分・ひにん身分、皮革業・雪駄生産・犯罪者の捕縛・牢番(おさえたい用語)
【資料】 人口構成の円グラフ・雪駄づくりの写真・幕府や藩の御触書
 
 












































































 

『享保の改革と社会の変化』−「百姓一揆と差別の強化」
【ねらい】
  幕府や藩は、農民や町人の不満をそらすために、えた身分・ひにん身分への統制を強め、 差別を強化させていったことがわかる。
【能力・態度】
 判断力: えた・ひにん身分への差別の強化で、農民との対立をまねいたことがわかる。
 感受性: 不当な差別にもかかわらず、えた・ひにん身分の人たちが団結したり、時には農     民との連帯を図ったりしたことに賞賛の気持ちを持つことができる。
【指導上の留意点】
 ・ 幕府・藩がえた・ひにん身分の人たちへの差別を政治的に利用して、差別が増幅された  ことをきちんととらえさせる。
【資料】
  打ちこわしのようすの絵、百姓一揆・打ちこわしの発生件数のグラフ、渋染一揆の資料

『新政府の成立』−「古い身分制度の廃止」
【ねらい】
  明治政府が古い身分制度を廃止したことで、制度上えた・ひにん身分の人たちも平民と同 等の権利を持つようになったことがわかる。
【能力・態度】
 知 性: 古い身分制度の廃止と、解放令の実施による新しい社会秩序を理解している。
 判断力: 政府は制度上は平等措置をとったものの、かえって被差別部落の人々の生活が打     撃を受けたことがわかる。
 感受性: 解放令をよりどころに、差別からの解放と生活向上を求める動きを起こしていっ     た人々の気持ちに共感できる。
【指導上の留意点】
 ・ 1871年の解放令によって、平民と同等の権利を持つようにさせたことをとらえさせる。
 ・ 実際には被差別部落に対する改善策が実施されなかったために、職業・結婚・住居面で  差別が残ってしまったことをとらえさせる。
 ・ 解放令  被差別部落(おさえたい用語)
【資料】 解放令(読み下し文) 身分解放後の被差別部落の人々の生活 

『広がる社会運動』−「解放を求めて」
【ねらい】
 ・ 水平社運動の目的と経過、その歴史的意義について理解させることにより、団結して差  別を乗り越えた人々の努力に気付かせる。
 ・ 資料を通して、差別に立ち向かった人々の姿に共感させ、差別解消への意欲と態度を養  う。
【能力・態度】
 知 性: 水平社運動の目的の起こりや、その後の経緯について理解することができる。
 判断力: 被差別部落の人々などに対する偏見や差別に対しての不当性を科学的・合理的に     考えることができる。
 感受性: 差別の解決を目指し団結していった人々の様子から、差別に立ち向かった人々の     姿に共感させるとともに、人間としての尊さを感じとることができる。
【指導上の留意点】
 ・ 解放令が出されたにもかかわらず、厳しい差別や偏見を受けてきた人々が、真の解放を  求めて、行った運動であることをおさえる。
 ・ 当時の社会運動の高まりの中で、人々が連帯し、全国規模にまで発展し、あらゆる差別  の撤廃を求めて努力していったものであることをおさえる。
 ・ 差別に苦しんできた人々の立場になってまとめさせたり、人権を尊重するために大切な  ことは何かを、自分のこととしてとらえさせたりする。
 ・ 全国水平社(おさえたい用語)
【資料】 水平社宣言(読み下し文)、西光万吉に関する資料など

『ともに生きる』−「部落差別からの解放」
【ねらい】
  日本社会に現存するさまざま人権問題を通して、それらの不当性を共感的に理解し、基本 的人権を尊重することや差別解消のための意欲と態度を養う。
【能力・態度】
  知 性: 今日の日本社会に現存する同和問題について、原因や経緯、解消の取り組みの      経過を理解し未来展望をさせる。
  判断力: 被差別部落出身の人々に対する偏見や差別に対しての不当性を科学的・合理的      に考えることができる。
  感受性: 差別の解決を目指し、差別に立ち向かった人々の姿に共感させるとともに、人      間としての尊さを感じとることができる。
  実践力: 社会全体で共生社会に向けて取り組むことや一人ひとりが自分自身の問題とし      て捉え、よりよく生きていこうとする態度を育成する。
【指導上の留意点】
 ・ 従来のように部落差別のみを重点的に扱わないが、学校の実態に応じて扱い方を工夫す  る。
 ・ 完全に解決したといえない同和問題に対して、町のかかげる重要課題として認識して指  導にあたる。
 ・ 同和対策審議会、同和問題(おさえたい用語)
【資料】
  日本国憲法 同和対策審議会答申 差別をのりこえて
-「詩 お姉さんへ」
  人権教育・啓発推進法

 



V 転採・新採教職員対象人権教育研修
1 ねらい
   本年度、大平町に転採並びに新採として勤務する教職員を対象として、学校教育
  における人権教育の実践者として、人権問題解決のためにできることを考え、差別
  のない社会づくりへの意欲を高める。
 
2 準備(資料)
○グループ分け・・・・・・シール(人数分・4色)
○アンケート・・・・・・・・用紙(人数分)
○記録用紙・・・・・・・・・・班の数分
○まとめ(KJ法)・・メモ用のインデックス、展示用模造紙、マジック
○ふりかえりシート・・用紙(人数分)
○映画視聴・・・・・・・・・・ビデオプロジェクター、VTR「風の旅人」
 
3 プログラムの展開
《導 入》
@アイスブレーキング グループ分け
参加者の緊張をとき、その場の雰囲気作りを
しながらグループ分けを行う場合などに実施す
る。今回は対象者の襟首にシールを貼り、対象
者はジェスチャーのみで同じシールの仲間を見
つけ出すことにより、グループ分けを行った。
和やかな雰囲気の中で研修に入っていった。
 
 
《展 開》
Aアンケートについて参加者同士でインタビューを行い、情報を集める。
 課題「同和問題に対するイメージはどのように作られたのでしょう。」
 
Bグループごとに集まり、司会者や発表者を決めた後、インタビューしてきたものや
自分の考えを交えながら、課題について話し合う。
Cファシリテーターにより同和問題の解消に向けて
の今までの取り組み状況などを説明してもらう。
それをふまえて、今後わたしたちは解消に向けて
どうしていけばよいのかを考える必要があることを
理解する。
 
 
DKJ法 「私たちにできること」
同和問題の解消に向けて、私たちにできることを具体的に考える。メモ用のイン
デックスを利用し、思いついたものを書き上げていく。その後、司会者を中心にグ
ループでの考えをまとめる。
 
Eグループごとの発表と質疑応答を行うことにより、
多様な考え方があることを理解し、自らの考えを深める。
 
 
 
 
 
F映画視聴 「風の旅人」 (平成15年8月作品)
 人権啓発アニメーション 障害者問題編(30分)
 企画 三重県・三重県人権問題研究所
 原作・監修 牧口 一二 
 




















 

〔映画視聴感想〕から
・「だれも無視できない存在感のある人間になりたい」という主人公の気持ちのもちように,驚くとともに障害者の自立の在り方に心打たれた。身体的な不自由さは,世の中の不自由さの一部であることも思い知らされる。社会が作り出す子ども達の不自由さに大人たちはもう一度目を向け,考え直さねばならない時期であるように思う。大人になれない大人たちがあふれている。

・『かぜの旅人』というさわやかなイメージの題名であったけれど,主人公の宇都宮君の強烈な個性,常識では考えられない行動力にタイトルとのギャップを感じた。しかし,彼の財産である彼と出会い関わった人々の心の中には,もしかしたら持っていたかもしれない重度障害者への偏見を払拭し,爽涼な気が満ちたであろう。こうしてみると,彼の存在は,まさに「風の旅人」であったのだと思う。「甘え」と「許される迷惑」の違い,本当の「自立」について考えさせられた映画だった。

・今回の映画は一人の障害者の生き方から本当の自立とは何かを考えさせられる内容のものであった。最近でこそ,街の中や公園等で障害を持った方をよく見かけるようになった。しかし,この映画でも云っているように他者の力を必要とする人達も多いことが分かった。「こんにちは」この一声をかけることが大切であると感じた。
 
 
《まとめ》
G「ふりかえりシート」によるふりかえり
学習を通して、感じたことや学んだことをまとめる。

















 

「ふりかえりシート」による感想から
・新採教員当時に学習した事を何年かぶりに振り返ることができました。人権教育という形に変わっていくとやがて,同和問題そのものへの意識が薄れてしまうこともあると思われるので,時々はこのような振り返りが必要かと思いました。

・他校の先生方と「同和教育」について話し合うことができ,とても良い勉強になった。特に学校教育における指導の大切さを痛感し,2学期からの指導もきちんとやっていかなければいけないと思いました。まずは,私自身の人権感覚を…。

・同和問題との出会い方が年代や地域によって多様であることを実感した。また,家庭が差別意識を育ててしまう場になってしまう恐れがあるとも感じた。教員である私たちは学校教育の中で正しい知識を与え,判断力を育てていかなければならないと思った。さらに,判断力を育てる上で学力をつける必要性も強く感じた。
 
4 参考資料
 @参加者アンケート








 
 1 あなたが「同和問題」に出会ったときのことについておたずねします。
  ア いつごろ、だれから、どのように教えられましたか。
    (できる限り、詳しく書いてください)

  イ どのようなイメージを持ちましたか。

 2 「同和問題」について、現在どのようなイメージをお持ちですか。もし  1−イで答えたイメージと変わっていたら、なぜ変わったのでしょうか。
 
5 研修を終えて
 アンケート、インタビュー、KJ法によるまとめ、
どの活動も参加者の真剣に取り組む姿が印象的だった。
 「ふり返りシート」による感想でも、これまでの自
分の人権教育に対する取り組みを振り返り、今後の取
り組みを見直していこうとする姿勢が感じられるもの
が多かった。



W 成果と課題

1.     同和問題における育てたい能力・態度 (小学校・中学校の連携)

本部会では、平成14年度より、人権に関する様々な課題に視点を当てた「人権教育

で育てたい能力・態度」の作成を行ってきた。今年度は、人権課題の中でも最も重要
な課題である同和問題に視点を当てた「人権教育で育てたい能力・態度」の作成をし
た。さらに、その「能力・態度」を育てるための実践の場を分析するために、人権教
育の現状や今までの取り組みの成果と課題について確認しあったり、教科書の改訂内
容について検討したりすることができた。

(1)   知性

    小学校では、同和問題の起こりや経緯について正しく認識させる。中学校では、
同和問題の起こりや経緯について正しく認識させるとともに、今も残る同和問題
の現状についても認識させる。

(2)   判断力

    小学校では、偏見や差別の不当性を科学的に見極める判断力を育てる。中学校
では、同和問題を的確に捉え、偏見や差別の不当性を科学的、合理的に考えるこ
とができる判断力を育てる。

(3)   感受性

    小学校、中学校ともに、不当な偏見や差別に対しての悲しみや怒り、また、差
別に屈することなく立ち向かってきた人々への勇気やたくましさに共感できる
感受性を育てる。

(4)   実践力

小学校では、偏見や差別をなくそうと主体的に取り組んでいく実践力を育てる。
中学校では、同和問題を自らの問題として受け止めて問題を解決していく実践力
を育てる。

*実践化の場面と留意点について

    小学校では平成17年度より、中学校では平成18年度より教科書が改訂され
たものを使用することになる。そのため、今までの教科書での指導内容と新
しい教科書における指導内容を比較、検討しながら、各単元における同和問
題にかかわる直接的指導内容を見直した。

    各単元における用語の見直しを図り、小学校と中学校での指導の範囲や使い
分けについての連携を行った。

    資料については、教科書に掲載されているものを中心に紹介したが、今後、
明るい展望の持てる資料の開発や検討を行っていきたい。

  以上のように、小中の発達段階、教科指導の内容に応じた同和問題における能力・
態度を設定し、連携を確認し合うことができた。今後も、残された人権課題について
も分析していきたい。

 

2.     転採・新採教職員人権教育研修会

  本研修会は、同和問題に対して否定的なイメージをもっていては人権教育を推進で
きないとの認識からの継続的な研修である。参加型の人権学習を取り入れ、一貫し
て「同和問題」を研修の中心として取り組んできている。

アイスブレーキングから始まり、和やかな雰囲気のもとに進められた。教職経験
年数の違う者同士で真剣に話し合う研修は、様々な経験や立場から積極的に意見を
交わし合うことで、多くの成果をあげることができた。特に、人権教育の意義と本
町の人権教育の推進状況、地域性を理解していただくことができたと考えている。