対峙する時
川 連 熊倉 淳策
私は大平中学校から宇都宮工業高等学校へ進学して、建築の勉強を始めた頃に、「ラグビ
ー」というスポーツに出会いました。「ラグビー・フットボール」という競技は、1チーム
15人で構成し、楕円のボールを敵陣まで運び、「トライ」といって地面にボールを押さえ
込む競技です。
15人のポジションは、それぞれの背につけた番号によってきまっています。1番から3
番がフロントロー、4番5番がロック、6番7番はサイドロー、そしてナンバーエイトはス
クラムの一番後方です。9番がスクラムハーフ、10番はスタンドオフ、11番と14番が
バックウィング、12番13番がセンターバック、15番がフルバックという様に、それぞ
れがチームの中で何をすべき役割かきまっています。対する敵方のチームも15人ですから
自分と同じ番号の敵方とは常に向かい合う事になります。
試合になれば、いろいろな形で敵と向かい合います。ボールを持って敵陣に走り込む時、
また、敵がボールを持って突進して来る時、その時、その場で瞬時にして自分で判断し、自
分が次の行動を起こさなければなりません。自分より体格もよく屈強な敵にタックルにいく
時でも躊躇する暇はありません。練習で充分に体を鍛えておかなければ、ケガもします。こ
の時、試合中に敵と対峙した時、自分でいかにより良い判断ができるか。味方は14人いま
す。敵は15人います。その中に私がいます。ラグビーという競技は体力を全開に出し合い
なおかつ一瞬の知的判断を要求されるスポーツです。私は高校の三年間は、建築の勉強より
ラグビーが好きでした。
私は社会人となり、社会のルールの中で、自分の役割と自分が判断すべき諸問題と対峙す
る時、ラグビーの経験は私にとって重要な位置にあると思っています。人間として生きる事
は、時として自分に辛い場合もありますが、そんな時、ラグビーによって培われた私の判断
は、目の前の敵に正面から向かい合っていく事です。
生きるという事。人を愛するという事。そして、人間はいつか死ぬという事。
現在52才。ただ今、難敵と奮闘中。
|