ゆきのうちに仏のみ名をとなふれは つもれるつみそやかてきえぬる | |
【現代かな】雪の中に仏の御名を唱うれば 積もれる罪ぞやがて消えぬる | |
【出典】『勅修御伝』三十巻 | |
【私訳】 雪が日に照らされるとすぐ解ける様に、私たちが積もり重ねてしまった罪も、仏の御名を一心に唱えたならば、直ちに消えてしまうでしょう。
【私釈】この歌は、年の瀬の雪の日にお勤めする“仏名会”によせて詠まれたお歌とされており、浄土宗大本山の一つである京都清浄華院(しょうじょうけいん)の御詠歌とされております。 | その意は、お念仏、すなわち阿弥陀様の御名を称え、罪を悔い改めようと一心に勤めれば、それは雪が太陽の日に照らされるとすぐ解けていく様に、私たちが積み重ねてしまった罪も、阿弥陀様のお慈悲の力によって、たちまちに解け、消えていってしまう有難さ、功徳を詠われたものであります。自然の姿をもって、阿弥陀様のお慈悲に例えたこの歌は、法然様の素直な澄みきったお心をうかがえるようであります。 |