98年11月18日明朝、しし座流星群が33年ぶりに最大規模の出現との予想のもと、観測をしましたが、期待された程の量は出現しませんでした。
予報では1時間当たり約1,000個とのことでしたが、最大出現時刻(AM4:00頃)で、1時間当たり30個程度であったと思われます。
市街地での観測のため肉眼での確認数ですが、高原等の暗い場所ではもっと沢山確認できたことでしょう。
せっかく晴天であったのに、期待したほどの出現がなくて残念であります。
しかし、通常の夜空では一晩眺めていてもせいぜい10個程度しか見られませんので、確かにしし座流星群は明らかに出現したと言えます。
特に目を引いたのは、4:10、4:50、5:30頃出現した大火球です。
一瞬ぴかっと光り、その後スーっと尾を引きながら消えていきました。流星が消えた後もしばらくその軌跡がぼうっと明るくなっていました。(写真のため判別できませんが)
詳細は下の写真をご覧下さい。(写真の視野以外にも数個大火球が出現しています)
流星は地球付近のチリが引力により大気圏に突入し、その摩擦熱で燃え尽きる際、発光します。決して星そのものが流れる訳ではありません。
そのチリは、一般的には太陽系をめぐる彗星から放出される砂粒程度の極く小さな
埃のようなものです。重さは0.1mg〜1g程度ですが、まれに燃え尽きずに地上に落下
するのもあります。これを隕石(石英が主)や隕鉄(鉄の固まり)といいます。アリゾナ州に
あるクレーターが有名で、昔恐竜が絶滅したのは、この落下により大量のチリが大気を
漂い、太陽光をさえぎったため、生態が激変したためというのが通説となっています。
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大火球 1998/11/18
04:10
北方(左)からしし座上部に向けて出現。
撮影データ
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大火球 1998/11/18
04:50
しし座下部から南方に向けて出現。
撮影データ
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大火球 1998/11/18
05:30
オリオン下部に出現。
撮影データ
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