姿勢について

 クラリネットを吹くときの姿勢についての一例。
 まず操り人形のように、頭のてっぺんでつられているように爪先立ちになります。そのあと、その糸を切ってみます。人間なので、クチャッとはなりませんが脱力した状態にします。次に下腹(丹田)に力をいれ、気を鎮めます。状態をそのままで、下腹(丹田)を前に出すようにします。背筋も自然に伸びて安定してふけるような気がします。
 かかとをつけてどっしりと吹くのもいいですが、武術の世界では居付くといって嫌います。かかとと地面の間に薄紙一枚挟んであるような感じにします。表情を付けやすくなります。
 
 椅子に座って演奏するときはどうなっているでしょうか。
 椅子に深く腰掛けずに、前のほうに座るようにします。やはり頭のてっぺんからつられているような状態から脱力してみて下さい。背中が丸まって、肩が前に沈んで猫背の状態になります。その後、下腹(丹田)を前に出すようなつもりになると腰が安定して息も吸いやすく、ある程度背筋も伸びるようです。
 下腹(丹田)を前に出しすぎると、背筋が伸びすぎて息が吸えなくなってしまうので、一番息が入りやすい状態を自分で見つける必要があります。
 しかし、私はいすに座って疲れてくるとベルをひざで挟んだり(A管)、ベルをひざの上に乗せたり(B管)と横着をしています。ひざがベルの振動を吸収して自然な響きに聞こえないようです。

 写真は下腹部(丹田の部分)が前に出ている状態になっています。
 姿勢が居付いてしまうと、音楽まで停滞してしまうような気がします。常に前に向かっていくようにしたいものです。
 また音楽のゆれにも自由に対処でき、表現の幅も広がります。ソロコンサートなどでは、視覚的な要素も重要なので大きな音のときは、大きく見えるように。小さな音のときは、存在自体が薄くなっていくようなイメージも大切だと思います。

腕の使い方。
 親指だけで楽器を支えると、長時間の演奏は無理です。朝顔状に開いた親指だけを伸ばし力を抜くと手首から親指まで一直線になります。そのかたちの状態の親指に楽器の支えの部分をかけます。そうする事で、楽器の重さを手首から腕全体に分散させる事ができます。長時間吹くとさすがに右肩が張ってきます。
 親指が下を向くと楽器が逃げてしまい、支えるのが難しくなります。親指の先端は手首よりやや高い位置にあるほうがよく支えられます。(私の独り言から抜粋)

T.朝顔の花のように開いた手です。指先を力いっぱいに開いてから力を抜きます。手首から指の付け根に向かって放射状に筋が走っていると思います。この写真では親指の筋しか確認できませんがVの写真で見ると、手の甲の筋が確認できると思います。その筋の延長上に指先が来るように開くのです。
U.開いた手に楽器を乗せます。
V.乗せました。
W.ちょっと斜め上から写してみました。
X.そのあと親指以外の4指の力を抜きます。
Y.手首が写っていませんが、楽器を支えている親指の先端がやや上を向いているのが分かると思います。親指が下を向くと楽器が滑り落ちる感じがして楽器をうまく支えられません。
 指掛けの位置も、親指の先端に近いと楽器が重く感じるし、逆に親指の付け根になるほど他の4指の動きが不自由になります。
 私は、この写真の位置が一番支えやすいし、他の4指も動かしやすいのです。個人差があるので自分に最適な場所を探す必要があります。
Z.実際に楽器を構えて見ました。肘から手首、指先に向かうラインは水平よりやや斜め上に向かっています。肘の高さより親指の位置が下がると楽器をうまく支えられません。

 肘の上手な使い方。
 楽器を構えるときに肘を脇につけても、脇から離しすぎてもいけません。どちらも腕に力が入って指の動きが不自由になるようです。
 楽器を構えて、肘を脇に近づけたり離したりしてみて下さい。リラックスできるポイントが見つかるはずです。

 最終的に
 楽器を支える事で一番の問題点は、
 T.親指は楽器を支える為にある程度の力が必要だという事。
 U.他の4指は素早く動かす為に力を抜かなくてはならないという事。
 右腕は逆行するように思えるこの2つのことを同時にやっているわけです。そこで親指を動かす筋と他の4指を動かす筋を別物だと思うことにします。不思議な事にそう思うだけでそのような感覚が生まれてくるのです。(実際には別の筋ですが、それをばらばらに動かすのは無理だと思うので、暗示をかけるのです。)


 頭の重さの集中
 頭部全体の重さは5キロ以上(個人差はありますが)あるそうです。普段は頚骨がその重さを支えていますが、マウスピース(上の前歯2本)にその重さを集中する事で楽器の支えに利用するのです。そうする事で演奏中肩がこるのを防いでくれるという利点もあります。
 頭の重さを上の歯2本に集中させマウスピースに乗せます。マウスピースをくわえる深さは、口の形や使用マウスピースによって差があるので自分が一番吹きやすいポイントを見つけます。
 この頭の重さと、親指の支え(腕全体を使う)で楽器を支え、下唇はゆるすぎず、かみすぎず、一番良い響きが出る圧力にします。
 かむ事で楽器を安定させるのは間違いだし、かまないのも間違いです。音の高低で下唇の圧力を変えてリードをマウスピースに近づけたり、リードが振動する範囲を微妙にコントロールする必要があるからです。
 最初のうちは、頭の重さの集中と親指の支え(腕全体を使う)で開放のソの音が安定するまでロングトーンをする必要があると思います。

 少し前に傾いていますが、私はこの角度が一番吹きやすいです。個人差があるのでこの角度も自分で見つける必要があります。
 2005年11月12日(土)現在の私のアンブシュア。
 仕様、マウスピースはM30(N響K先生選定品)、リードはV12の3半、リガチャーはオペラのセミリジット、楽器はヤマハCX。


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