機動戦士ガンダム 外伝

カムラン検査官伝説

一章 カムラン大地に絶つ

ここはサイド7にある高級レストラン「じょりんぼ」。

ここで、政略結婚を前提としたお見合いが行われていた。

ブルーム家とヤシマ家は、お互いに大規模な経営グループを有していたが、

ジオンによる独立戦争の巻き添えを食って、双方のグループに深刻な影を投げ落としていたのであった。

そこで、この危機を乗りきろうと、ライバルであったはずの両社が手を組むに当たっての行われたものである。

 

だが、当の本人のカムランが変に潔癖症で、政略結婚なんて不潔だと言い、

あまり乗る気ではなかったのだが、両親の苦労をしている姿を見ていると、

ただイヤだからという理由で、拒否をするのも大人気無いと思い、とりあえず、お見合いにだけは行くことにした。

そして、気が合わない事にすれば、両親だってムリには薦めないだろう・・・。

「ミライ=ヤシマです。」

「カムラン=ブルームです。」

こうして、2人はであったのであった。

運命の出会いというのであろうか? カムランに衝撃が走った。

(な、なんて美しい人なんだ・・・。 まさに自分の理想そのままの人じゃないか!!

それに、話してみても、自分に意見を持ち、しかも前進的な考え・・・。

その辺の容姿、流行、周りの目ばかり気にしているつまらない女とは、

全然ちがう・・・!!  こんな人がいたなんて・・・!!)

 

完全な一目ボレであった。

カムランは必死になってミライに本気で交際を申し込んだ。

カムランはそのような事は当然慣れていないので、ただ興奮している様にしか見えなかったが・・・。

ミライのガードはかなり堅かったが、カムランの誠意が通じたのか、

なんとか、いい不陰気にする事が出来た。

「今度、お暇なときに付き合って頂けませんでしょうか?」

その問いに、ミライは承知をしてくれた!!

やったあっ!! これで、一歩前進だ!!

この時、カムランは知らなかった。

ミライは親への義理で、この誘いを承知したという事実は・・・。

 

デートの前日、カムランは焦りまくっていた。

なにしろ、デートなんてした事もないので、まったく勝手がわからない。

あーしよう、こーしようと考えている内に、いつのまにか朝になってしまっていた。

もう、やるしかないと覚悟を決める。

彼女に少しでも、気に入ってもらえるようにとビシッときめた服装に、プレゼントのスカーフ。

指輪も考えたのだが、あまりにもロコツなので、今回はやめておいた。

そう、急ぐことなんてないんだ。

一歩づつ、確実に行こう・・・。

 

デート待ち合わせ場所はサンシャイーン64.

カムランは待ち合わせの時間より、かなり早くついてしまった。

もちろん、ミライは来ていない。

「さすがに、早すぎたかな・・・。」

さて、どうしたものかと、ベンチを見つけてそこで、待つ事にした。

 

(周りが騒がしい・・・なんだ・・・?)

ハッ!?

カムランは正気を取り戻した。

どうやら、昨日寝ていなかったせいか、いつのまにか眠ってしまっていたようだ。

時計は約束の時間の5分前えを指している。

いかん、いかん・・・危うく寝過ごしてしまう所だった。

ミライは・・・まだ来ていないようだ。

・・・ん?

カムランの目に映ったのは、さっきから騒がしかった周りの人々だ。

みんな、逃げ惑っている・・・。

この音は警報サイレンなのか・・・?

何がおこっているんだ?

カムランは寝ぼけた頭を振り、少しすっきりした所で自分のおかれた状況を把握しようとした。

上を見る。

目が合う。

おっきな目で1つ目だ。

その目がギンッと光る。

もちろん、ミライの目などではなかった。

一般世間ではモノアイと言う。

 

「・・・はひょわぁっ・・・???・・・・・・・!?」

カムランは声にならない声をあげた。

ジオンのザク!?  ・・・なんで、こんな所にいるんだ!?

もう、どうしたらいいのか分からず、ただ、たたずむしかなかった。

そのザクが連邦軍の施設に向かってライフルを発射した!!

ズズーン、とコロニー全体が悲鳴をあげ、連邦軍の施設が炎につつまれる。

その惨劇を狂喜したかのように、ザクは攻撃を更に苛烈にしかける。

「な、何が・・・どうなっているんだ・・・。」

そんな事を口にしたが、いくらなんでも自分が危険だという事ぐらいは分かった。

人々は非常用シェルターに向かって殺到して、互いに罵り合い、突き飛ばし

我先にと醜悪な弱肉強食の本性を曝け出し、大パニックとなってしまっている。

 

そんな状態の中で、一人の女のコがカムランの足元に突き飛ばされて転んだ。

「ママーッ!! ママッー!!」

母親とはぐれてしまっているらしい。 

だが、こんな状況では一人の人間を探すなんて不可能だ。

カムランは女のコを抱きかかえて、シェルターに向かって走り出した!!

ここで、この子を見捨てるなんて彼には出来なかった・・・。

激しい人並みをかいくぐりながら、ミライを目で探したが見当たらない。

(・・・ミライ・・・。 ミライは無事なのか・・・!?)

 

やっとの思いでシェルターに辿り着いたら、女の子を降ろしてやり、頭を撫でてやる。

「ママはきっと来てくれるよ、ここで待ってるんだよ?」

コクンと頷く女の子に「よし、いい子だ。」と言って、再びコロニーの中に出て行こうとした。

「あんたっ!! どうする気だっ!! 外に出るなんて自殺行為だぞっ、やめるんだっ!!」

と、先に着いていた人が、止めたが、カムランは構わずに、元の場所に戻って行ってしまった!!

 

「ミライ!! どこだ!? ミラァイーッ!!」

もう、すでに人がいなくなってしまった街を叫びながら走る。

(どこに行ってしまったんだ・・・ミライ・・・!?)

 

さっきの場所には、倒れている人意外は誰もいない。

「この人達・・・死んでしまっているのか・・・!?」

強烈な不安がよぎる・・・。

ミライはどこへ!? うまくシェルターに逃げていてくれればいいのだが・・・!!

 

もしやと思い、ヤシマ家へ行こうとした・・・その時

巨大な人影がカムランのすぐ側を、踏みつけんばかりに歩いていった。

突然、不意をつかれたカムランは腰を抜かしてしまい、そこに崩れ落ちてしまった。

「ザ・・・ザクめ・・・っ!!」

呪いの言葉をいってはみたものの、今の彼の姿では負け犬の遠吼えでしかない。

 

だが、その時、同じ事を言った少年がいた!!

 

歩き去ったザクの側面より、今度は白い巨人が出現した!!

初めは驚いていたザクだったが、味方でない事を察知し、白い巨人に向かってライフルを発射した!!

・・・が、白い巨人はものともせず、ザクに向かって行く!!

「連邦軍のモビルスーツ・・・!?」

カムランは突然の味方の出現に驚きと同時に声援を送った。

今度は連邦軍の反撃がはじまった!!

頭部に設置されているバルカン砲がザクに向かって火を吹いた。

「ブオォォォォォォォッ!!」

耳が裂けんばかりの轟音が轟き渡って、ザクを襲う!!

「いいぞっ!! ジオンなんて追い出してしまえっ!!」

つい、カムランも連邦軍のモビルスーツを応援していた。

が・・・、連邦軍が初めに襲ったのは、ジオンのザクではなっかた・・・。

立て続けに放火を浴びさせる!!

唸る炎、飛び散る薬莢・・・。

薬莢が沢山、降ってきて・・・。

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カムランの記憶はそこで、闇へと消えた・・・。

 

一章 終

 

 

二章 再会、妻よ・・・

「や、やっきょーっ!?」

と、訳の分からない事を言ってカムランは飛び起きた。

「こ、ここは・・・?」

周りの人が一生懸命に笑いをこらえているのは謎だが、ここが病院だと言う事はすぐに分かった。

自分は・・・あの後どうなったんだ・・・?

そして、ここは何処の病院なのか!?

そう考えていたら、看護婦が近づいてきて、こう教えてくれた。

(ここは、サイド6の病院で、自分はサイド7から助けられたらしい。

そして、その時の自分の姿は薬莢を頭からすっぽり被っていたらしく、

取るのに大変だったそうだ・・・。)

そうか・・・あの闇はそういう事だったのか。

それじゃ・・・カ、カッコ悪ぅ・・・。

 

とても病院に居られなくて、逃げ出すように退院してきた。

しかし、今のカムランには行く所が無い。

「ど、どうしたものか・・・」

そうだ!! 両親は!? ミライは無事なのか!?

もう、いてもたてもいられなくなって、さっそくその足で探し始めた。

そういう事に関しては彼は非常に優秀だった。

すぐに両親が収容されている病院を探し出したのだが、依然としてミライの行方はわからなかった。

「くそうっ・・・何処に行ってしまったんだ・・・ミライッ!!」

カムランは更に、必死でミライを探索した。

自分の自由に出来る時間と資金を全て費やした。

が、ダメだった・・・。

 

そんな時、現役復帰した検査官の仕事が入ってきた。

今度、サイド6に入港してくる連邦軍の軍艦を視察せよと言うものだった。

「軍艦か・・・。」

カムランにとって、連邦もジオンも同じ憎むべき対象だった。

あんなヤツらがいなければ・・・ミライは・・・。

それに、自分にあんな恥うを直接かかせてくれたのは、あの連邦の白いモビルスーツだ。

そんな、軍隊どもはさっさと追い出してしまうにかぎる。

 

「なんだって、我々の方からサイド6領空の外まで出向かなくては、ならないのですか!!」

場所は変わって、ここはコロニー公社の宇宙船の中。

カムランは不快を隠さず、同僚に珍しく不満を洩らしている。

「もしも、実戦装備のままコロニーに入港されちゃ、たまらんのだとさ。 その為に釘を打っておくのだそうだ。」

「そんな事をしても、ヤツらのする事など信用できるものか。 正当防衛と、称して好き勝手にやられては・・。」 

「ま、お前さんの気持ちも分かるが、決めたのはお偉いさん達だ。

面目と自分の安全さえ確保出来れば、いい加減なもんさ。」

「いいのか・・・そんな事で・・・!!」

と、埒のあかない話をしているあいまに、接触すべき連邦軍の戦艦に接近していた。

「白い船・・・!? 初めて見るな。」

 

「我々は、コロニー検査局の者だ。 着艦許可を願いたい。」

<了解、左舷第二デッキに着艦お願いします>

 

そして、連邦軍の戦艦のカタパルトデッキが開き、そこに見えた物は・・・!!

白いモビルスーツ・・・!!

 

デッキに着艦したら、カムランは、すぐさまガンダムに走り寄った。

「ブリッジはこっちですよ。 そっちには・・・。」

同僚が呼び止めたが、カムランは構わずに

「この船は危険だ。 特にこの、モビルスーツは・・・。 封印を先にしてしまうんだ!!」

「何を根拠に言ってるの。 まず、挨拶を・・・」

カムランを引き止めようとしたのだが、彼の表情は生涯の敵を見つけたかのように、

モビルスーツを睨みつけたいた。

仕方が無いと、同僚もしぶしぶ封印を先にする事にした。

(まさか、こんな形で復讐出来るとは・・・!! 行くぞっ!!)

そして、封印用の大きいテープを取り出し、メカニック達が不思議な視線を向けられる中、

ペタペタと貼り出して、約1時間・・・。

 

同僚が戻ってきた。

「お〜い、こっちは粗方終わったぞ。 そっちは・・・、ブッ・・・!?」

同僚がそこに見たものは・・・

封印テープを貼られまくられ、白と赤のまだらであわれな姿になっていたガンダムであった。

特に頭部のバルカン砲のあたりは、真っ赤になっているほどだった。

「よし、これで何も出来まい・・・!! 私の勝ちだ。」

生涯の念願?を達成せり、といった表情でイキイキしたカムランが、

「じゃ、ブリッジに行こうか。」

「ああ・・・、どうしたんだ、おまえ・・・?」

「いや、別にどうもしないが、この船はもう、安全だという事です。」

「はぁ?」

何が安全なのかは分からないが、同僚の目に映ったのは、メカニックマンの困った表情と

駆け寄ってきた白いノーマルスーツの少年が唖然とした姿だけであった。

 

2人は応接室に通された。

「以上の事をおきまして、この赤い紙が1枚でも剥れたり、破れたりでもしますと・・・」

「分かっています。 大変な罰金を払わなければならないのですね。」

「はい。」

「武器弾薬の補給は?」

「それも出来かねます。 すべて戦争協力になりますので。」

「・・・ブリッジへ案内します。」

 

ブリッジに案内に通されたカムラン達はちょうど入港するところだった。

「360度、レザーセンサー開放。」

この戦艦の操舵者と思われる女性の声がブリッジに響き渡る。

その声にカムランは聞き覚えだあった。

いや、忘れもしない、するわけがない人の声だ。

この凛とした声の中に優しさと思いやりとみ、さらにまったりとしてコクがあり・・・etc

「ミ、ミライ!?」

「エッ!? カ、カムラン、あなた・・・。」

「ミ・・・ミライ。 生きていてくれて・・・いたんだね。」

「ええ、あなたもお元気そうで。」

本当はもっと言いたい事が、伝えたい事が沢山あったのに、

もう胸が一杯でただ、そう言うだけでせいっぱいだった。

そう!! 今日のきょうまで君を探す為に全てをかけてきた・・・。

そして、まさかこんな所で再会できるなんて・・・!!

「カムラン検査官!! 入港中です、遠慮して頂きたい。 ミライ少尉も・・・。」

いつのまにか、ミライの側によってつい手をかけてしまっていた。

今、声を掛けてくれなかったら何をしていたか・・・。

「あっ!? あぁ、すまない。 大尉。」

だが・・・!!

やっと、やっと念願がかなったんだ!!

これで、ついにミライと結婚もできる・・・。

すべての運から見離されたと思ったいた日々も、今日で終わるっ!!

 

ホワイトベースは、サイド6の宇宙港に着艦し乗組員のクルー達は思いおもいの行動が許された。

その時間を利用してカムランはミライを誰もいない外のデッキへ誘って、何やら力説しているのであった。

 

「ちょ、ちょっと・・・。 いきなり、そんな事言われたって・・・。」

「いままで必死になって探させていたんだ。 費用と時間もどれほど・・・」

「あなた本人は、探してくださらなかったの・・・? 所詮、親同士が決めた結婚話だったのね。」

「ミ、ミライそれは誤解だ!! ・・・ぼくは・・・」

カムランが自分自身でミライを探さなかったのは、

いや、探せなかったのは両親はまだ入院をしたままで、

自分だけでこのコロニから離れる訳にはいかなっかた事と

事業に資金の余裕が無い今、私事で金を使う訳にはいまず、

かといって自分の検査官の給料では満足な調査も出来ないので、

あいてる時間があれば、慣れない土木作業や皿洗い、ウエイターなどのアルバイトまでして

その資金をすべてをミライ探索をプロに頼んでいたのである。

自分で探すよりの確実と考えたからだ。

そんな苦労をしてきたのだが、ミライにはまったく親のスネかじりだと思われていた。

 

ここでミライを元の生活に戻してやれるのは自分しかいない。

なんとか、ホワイトベースから降りるように説得していたら・・・

突然、野獣のような男が跳びかかってきた!!

その野獣は卑怯にも、私の唯一の弱点であるメガネを不意に奪い取り

問答無用の力任せのハートブレイクショットを顔面のブチ込んできた!!

 

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(本当はただのネコパンチ)

 

き、きたないっ!!

私は船の壁に激突し、一瞬呼吸が停まったかと思うほどの衝撃に耐えて見せた。

・・・だが!!そんな事でミライを諦める訳にはいかないっ!!

私はなんとか立ち上がり野獣に対して反撃の構えをとった。

「や、やめてくださいっ!!」

だが、ミライがその間に泣きながら仲裁してきたのだった。

そう言われては、私としても反撃できない・・・。

くそ・・・、野獣め、ミライさんに助けられたな・・・。

「へたなちょっかい、出してほしくないもんなんでねっ。

なんせ、ミライさんはホワイトベースのおふくろさんなんだからなっ。」

お前は黙ってろっ!!

「カムラン、もういいの・・・。

もう帰って。

お父様、お母様によろしく・・・。

ぐぁぁぁぁぁがぁぁぁぁぁんっっっ!!

ミ、ミライ・・・

今、君は何を・・・言って・・・!?

カムランは自分の足元のすべてが崩れていくのを感じた。

 

その後の事はもう何も覚えていなっかた・・・。

 

いつのまにか、放心状態のまま港を後にして、酒場でほとんど飲めない酒を飲んでいた。

 

「自分は今まで・・・いったい何をやってきたのだろうか・・・」

そんな事ばかりをさっきからつぶやいて、溜息ばかりをついていた。

 

「ん? どうしたんだ、青年!! 元気が無いぞぉ〜♪

せっかくの酒を飲んでのに、そんなにクヨクヨしてると不味くなっちまうぞ〜♪」

近くにいた陽気なオヤヂが、カムランの落ち込みぶりを心配してか、声えを掛けてきた。

カムランは返事をする元気もなく、ただ、もくもくとやけ酒を飲む。

陽気なオヤヂは自分の自慢話を初めてしまった。

ワシは一流の技術者だとか言って

「特に、ワシの作ったガンダムは最高じゃぞっ!! どうだ? お前にも見せてやろうっ!!」

「ガン・・・ダ・ム?・・・・・・・・ガンダムだとぉっっ!?」

とうとう壊れた。

 

カムランはオヤヂに襲いかかった!!

 

二章  終

 

三章  逆襲のカムラン

 

カムランがユラリと席を立った。

その足取りはまさに中国拳法の酔拳のようだ!!

「いえぁっー!! くらえっ、天翔百烈拳っ!!」

(どこで覚えた・・・)

 

カムランから放たれた嵐のような拳はにっくき陽気なオヤヂにことごとく命中した!!

その破壊力は・・・

肩叩きにしたら丁度いいかんじだ!!

「なんじゃ・・・? 若いの? ワシに蝿でも止まっているのか?」

さすが、カムラン!! 攻撃にているのも、分かってもらえない!!

カムランの足元はフラフラだ!!

「ガンダムなんかやっつけてやるっ!!」

「なんじゃぁっー!?」

今度は陽気なオヤヂがぶち切れた。

 

カムランの顔面に火花が散った。

雨降る外に叩き出され、有り金全て奪われた。

カムランの体を冷たい雨が濡らす。

まさに、今、自分の心まで濡れてしまっているようだ。

フラフラと立ちあがっても、すぐにまた、ゴミ置き場に崩れ落ちてしまう。

そこには、カムランと同じように雨に打たれ、小さく震えている子犬がいた。

「ふ・・・。 お前も私と同じ一人ばっちか・・・おいで」

カムランが差し出したその手を、子犬は・・・

ガブッ!!

「いってーっ!! このクソ犬っ!! うがぁっー!!」

子犬はさっさと逃げて行ってしまい、そこに残されたカムランはフラフラとまた別の酒場へと向かった。

有り金全て奪われているのも忘れて・・・。

 

カムランが気が付いた時には既に昼だった。

「ここは・・・? あいたぁ・・・。」

カムランは、またゴミ捨て場にいた。

しかも、前進ボコボコに殴られたようにボロボロだった・・・。

「昨日はいったい何を・・・? たしか港に行って・・・ミライ・・・!!

・・・とりあえず、家に戻ろう・・・」

カムランは足を引きずりながら、人々の注目中、街を後にした。

家に戻り、もうひと眠りしようとしたとき、電話が鳴った。

「なんだ・・・!! こんな時間に・・・!!」

(昼だぞ、お前・・・)

その電話の内容はホワイトベースが出航するといったものだった。

「行ってしまうのか・・・!! ミライ・・・!!」

 

【以下略】

カムラン「ちょっとまったぁっ!!(泣) なんで、ここが略なんだ!?

ここから、感動の物語が始まるのにぃ!!」

神谷(筆者)「君の感動の話なんて誰も見たがってないよ」

カムラン「う、うがぁっ〜!!」

 

「行ってしまったのか・・・ミライ・・・生き延びてくれよ・・・ミライ!!」

カムランの頬に涙が流れた。

 

 

そして、戦争終結から4年。

ミライの消息は分からなかった・・・。

あの日以来。カムランの生活は以前にもまして、仕事、バイトをして、ミライの探索を進めていた。

そんな日々の中、一通の映像手紙がカムランの元に届いた。

なんと!! ミライからのものであった!!

カムランは封筒作りの内職をほうり投げ、すぐさま映像を出してみた。

そこには、ますます美しさを増したミライが・・・!!

「おお・・・ミ、ミライ・・・!!」

「カムランお元気? 私は今、地球で暮らしています。 で、今日は新しい家族を紹介しますね。」

(? 両親は知っているし・・・。 妹かな・・・?)

「私の息子と娘のハサウエイとチェイミーよ。 ほら、挨拶なさい。」

「はじめまして・・・。 カムランのおぢさん。」

カムランの青春はムダに終わった・・・。

 

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機動戦士ガンダム 外伝カムラン検査官伝説 

 

後書き

なんで、こんな作品が出来たのでしょうか。 

誰も望まない、アホか!? という物を作りたかっただけっだたりして・・・。

はじめは、ランバ・ラルを題材のにした「戦場の青い風」

も候補のに上がっていたのになぜカムラン!?

メジャーなキャラを使えばいい作品にしなくてはいけません。

ところが、「めんどくさい」

の一言でマイナーキャラを題材にする事になりました。

では、書けそうなマイナーキャラを上げました。

ミハル

ジョブ・ジョン

ウッディー

赤鼻

ワッケイン

マスカー

シャリア・ブル

マ・クベ

ドアン

ジーン

カムラン

など・・・。

で、一番アホそうなカムランに決定!! (ラクだから)

続編の企画もありました。 逆襲のシャアのカムランです。

「一緒に貰った、ネオジオンの裏金を理由に、戦争犯罪者に仕立て上げられたしまった!!

そして、最後はアクシズの中に取り残され、ついでに命まで吸われてしまいます。」

さて、どうなる。 僕らのカムラン!! きっと誰かが続編を書いてくれるに違いない。

私は、し〜らないっと♪

 

神谷 兵庫 拝

 

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ウラ表紙

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