13cm屈折鏡筒バトル

天体望遠鏡マニアの間では有名なYさんが、今年(2008年)の胎内で13cmバトルをやってくれました。オーナー2もそれに参加してきました。

参加鏡筒

TAKAHASHI TOA-130
TV NP127
AP 130F6.3
TEC 140
TMB 130F9  他2本

当日は天気が良くなくて、夜、薄雲をかぶった月や木星は見られましたが、十分な比較ができませんでした。以下は、昼間、遠くの山の岩肌を見て比較したときのオーナー2のレポートです。
なお、「他2本」は諸般の事情でここには登場しません。Yさんが記事を書いている掲示板に行くとすべて出ています。これだけで、どこを見たらいいかわかる方はかなりマニアックですね。


13cmバトル終了後、オーナー2所有のTEC 140はYさんのもとに行きましたが、オーナー2はAP 130F6.3を持ち帰ってきました。これはかなりすごそうです(値段も最高)。ここ、ななつがたけ北天文台にあるTOA130と並べて見較べたいと思います。なお、APってどこ?という方もいると思いますが、正式に書くとアストロフィジックス130mmF6.3 Gran turismo という最新型のEDアポ鏡筒です。TVはテレビューです。



250-300倍以下では、口径による明るさと分解能でTEC140/7が一番だと思います。ただし、温度順応は他の機種よりも時間がかかるような気がしました。ただし、最もすっきりと見えているのはTOA130/7.7だと思います。 この倍率レンジではAP130/6.3もずいぶん健闘しています。

400倍を超えると状況が変わってきます。
TEC140/7は明るさはあるのですが、対象の輪郭がにじんでぼけてきます。これでは分解能を生かし切れませんし、コントラストも低下します。一方で、TOAは明るくはないですが、輪郭はシャープなままです。主観的ですが気持ちの良い見え方をします。TMB130/9.25はとにかく覗きやすいです。像はTOA130/7.7と比較してほぼ同等ですが、少なくともそれ以上ではなさそう。覗きやすさを考慮するとTMBが有利かもしれません。この倍率レンジではAP130/6.3は前2者よりは明らかに劣ります。

眼視性能の結論は300倍以下ではTEC140/7で400倍を超えるとTOA130.7.7またはTMB130/9.25でしょう(覗きやすさを考慮するとTMB)。
ただし、運用面を含めた性能ではAP130/6.3が一番かもしれません。
眼視性能の差は極わずかですし、低倍率広視界性能はNP127/5.2以外の他の鏡筒ではまねができません。

以上はあくまでも昼間の岩肌を見た場合です。実際に星を見た場合は不明です。土星のように光量が必要な対象ではTEC140/7の光量がTOA/130のシャープネスを上まるかもしれません。このような頂上決戦では最終的には個人の好みが大きいのかもしれません。

今回は架台の都合でNP127との比較ができなかったことが残念です。これについては私の手元にある鏡筒で比較してみようと思います。NP127も米国で調整したらずいぶん良くなりましたので結構面白いと思います。

最後に、超高倍率ではアイピースの選択が重要なポイントだと痛感しました。鏡筒単体の性能比較もたとえ同じ銘柄のアイピースであったとしても、最終的には選択されるアイピースの能力がずいぶん影響します。超高倍率ではその鏡筒ごとにアイピースの最適化が必要かもしれません。望遠鏡のトータル性能はアイピース選択を含めて考える必要があると再認識しました。






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