レクサス GS 3.5AWD

日記に出てくる車の話題は、「エスティマ・ハイブリッド」ばかりでしたが、私が普段乗っている車は「レクサスGS 3.5AWD」です。以前乗っていたのは「アリスト 3.0ターボ」でしたから正常進化です。すべての国産車のなかで、「日産GT−R」と「ランエボX SST」以外の車なら、これが最も理想に近い車でしょう。ごく一部の人には、レクサスLS600hもありますが...

この車の最も優れている点はエンジンです。この3.5Lエンジン(2GR-FSE)は、自動車の歴史に残る傑作エンジンでしょう。同じエンジンがレクサスISとクラウン・アスリートに積まれています。それらのカタログでエンジン性能曲線を見てもらえば、このエンジンのすごさがわかります。実際に運転した感じもそのグラフの通りです。トヨタがそんなすばらしいエンジンを作る ( 「作れる」ではなく「作る」である点に注意 ) わけがないのは周知の事実ですが、これはヤマハの手が入った製品です。ヤマハは20%トヨタ資本が入っている会社で、決してトヨタの子会社ではありませんが、トヨタ系列であることには間違いありません。F1エンジンも作っていたヤマハが、乗用車用エンジンとして持てる技術を結集したのがこれでしょう。(後日追記  その後、トヨタの社長が豊田章男氏になり、トヨタの車もエンジンもオーナー1が期待する方向に変わりそうな気がします。期待して今後を待ちたいと思います)

私としてはぜひこのV6エンジンが欲しかったのですが、これが載る車は3車種。その中で4WDは「レクサスGS」だけでした。なぜ、4WDでなければいけないかというと、現在の自動車とタイヤの技術では、タイヤ1本にかかるパワーはおおよそ100馬力が限界です。それ以上になるとエンジンパワーが勝ってタイヤが空転してしまいます。これをホイールスピンと言いますが、高速走行中にこれが発生すると、技術のないドライバーの場合、「どこに行くかは車に聞いてくれ!」状態になり、事故につながります。FFやFR車ならエンジンパワー200馬力までです。特殊な技能を持ったドライバーなら別ですが、一般のドライバーの場合、この範囲内の車でないと安全な運転はできません。2WDだと200馬力ですが、4WDなら400馬力までいけます。「2GR-FSE」エンジンは315馬力ですから、FRでは完全に限界を超えていますが、4WDなら余裕があります。そういうわけで、安全性と天文台への雪道を考えれば、「レクサスGS 3.5AWD」しかないわけです。雪でなくても、雨の高速道路を走れば4WDの安定性を実感できます。

エンジンの次にすばらしいのがブレーキです。ローターとキャリパー、パッドが良くできており、制動能力は普通の車よりも数段優れています。普通の車より速いスピードで走っていても、止まるべき時はきちんと止まれます。日本の道路のスピード制限は、どんなブレーキが付いていようが一律ですが、こういう良いブレーキの付いた車と、多くのお粗末なブレーキ付きの車を同一に扱っているのは問題があります。

オートマチックミッションは6速で、レクサスLSの8速に較べると見劣りしますが、実用上は6速で十分です。世界最高を目指すLSなら許せますが、GSに8速を付けたら過剰品質です。ただ、IS−Fの8速なら価値があります。
ミッションはMTではなく、ATでなければなりません。現状では、絶対的な性能では明らかにMTが勝りますが、MTをきちんと操作できる人がどれほどいることでしょう。多くのドライバーの場合、MTを操作するよりもATのほうが速いはずです。私も車の運転には自信がある方ですが、MTをATより速く操作する自信はありません。ATより良いのは、日産GT−RとランエボXの2ペダルMTです。これらは人の代わりにロボットがMTの操作をしてくれます。ロボットのやる操作は熟練ドライバーより速いし、ATよりも安全性の高い操作をしてくれる可能性があります。

この車、さすがに「レクサス」ですから、品質や快適性では文句ありません。高性能エンジンと高性能ブレーキを持った安全な車です。「高性能エンジン=安全な車」というのが理解できない人がいるかもしれませんが、危険を回避する方法に「ブレーキを踏む」の他に「アクセルを踏む」という方法があります。「一瞬の差で前に出る」ことが可能な瞬発力によって危険を回避できます。ターボエンジンは瞬発力では劣りますが、良くできた大排気量エンジンなら瞬発力があります。GSに3.5Lは、大排気量ではありませんが、中排気量+ヤマハエンジンの性能+大きいファイナルギアで瞬発力を確保しています。

「レクサスGS 3.5AWD」の欠点と言えば、タイヤのグリップ力が低いことでしょう。新車装着タイヤは「SP Sport 2050」 225/50-17という市販されていないタイヤなので、どの程度の性能をうたっているのかわかりませんが、グリップ力に関してはイマイチです。これが減った時点で、「RE050」に交換しました。さらに、サイズを少し上げて235/50-17にしました。これが大正解で、快適性は犠牲にせずにグリップ力が増して、天文台までの山道を安心して運転できるようになりました。タイヤがすり減った際は、これに交換することをお勧めします。もちろん、ここまでなら車検も問題ありません。
GS AWDのもうひとつの欠点は、前輪を駆動するシャフトを回すためにチェーンを使っていることです。このために、助手席側足下右側に妙な出っ張りがあります。助手席に乗る人には違和感があります。私のところは、助手席に乗るのは小学生の子供なので問題ありませんが、彼女を乗せるには問題です。レクサスLS600hは、ギヤを使っているのでそれがありません。ギヤにすると音が出るために、音対策をしなければならないので、安いGSには採用できないわけです。

人間が作る機械ですから、当然欠点はありますが、このレスサスGSという車、走行性能と快適性を求めるユーザーには最適な選択だと思います。






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