MA-1  MIL-J-8279E  (DLA100-71-C-0933  20 JAN 1971)

実物

 

 

 

1971年度分契約/1971年納入のEモデルです。

軍実用のフルパッチ仕様だったようですが、入手時には欠損している部分が有ったのと
以前の持主の方の手によるカスタムも施されておりましたので
どこまでがオリジナルなのかは、いまひとつ判断がつきません
恐らく右胸のスコードロンと右肩の搭乗機パッチは、元からのオリジナルだろうと推察しています。

リブに満遍なく数多くの虫食いが有り、特に襟は激しくやられておりまして
以前の持主の方が補修されていましたが、やや目立つ糸での簡易な補修であった為
全て一度糸を外しまして、中古リブから取った補修糸で再補修をしております
その他は特に難点も無く、袖に大きく染み汚れが有りましたがクリーニングで綺麗に落ちています
軍実用品としては着用も少なくそこそこ美品だと思います

 

襟回りはあと少しで分離してしまいそうな部分を、元の形につなぎ合せていくような作業となりました
こうして見るとそれ程には見えませんが、あまり近くで見られるのは避けたいですね(笑


虫食いを除けばしっかりとした感触がある良いリブでしたので

テンションも良好で腰回りはピッタリフィットします

ライニングも綺麗です

メインファスナーはおなじみのSCOVILL製アルミファスナーです
タブの刻印はまだ細くて薄いタイプですね
ティースの塗装が良く残っているのと、まだ動きに固さが残っていますので
使用は少なかった物と思われます

ポケットのファスナーもおなじみSCOVILL製です
8279D時代と同じ物だと思われます


 

ちょっと黄ばんでいますが、ラベルも良い状態で残っております♪
ポケットの生地もまだ8279D時代と同じ物を使用していますね

 

 

 

パッチ類の配置はこんな感じです
元々付いていたパッチに合わせて、私の好みで再構成しています

ちょっと見え難いですが、両肩は生地がセージグリーン色の中尉の階級章です
入手時には別の金属製階級章が取り付けられていたのですが、ピンを刺して内側で折り曲げて留めるという
少々乱暴な取り付け方だったのと、シェルの生地と擦れて傷になりそうだったので外しました
外してみると、下に細長い長方形の縫い跡を発見しましたので
元々は少尉or中尉の布製またはビニールパウチした階級章が付いていたのであろうと判断し
ちょうど手持ちに中尉の布製が有りましたので、ミシンで縫い付けしてもらいました

57th Fighter Interceptor Squadron
57thFISは、当時ADC(Aerospace Defense Command)に所属し、アイスランドに駐留しておりました
米ソ冷戦下での核攻撃に対する本国防衛の為に編成された迎撃部隊です
愛称が“T
he Black Knights”との事で、黒騎士の鎧がデザインされています
詳細については上のリンク先を御覧下さい

この時期は既にサブデュードパッチの時代ではありますが、ANG(Air National Guard = 州空軍)や
このADC等の本国部隊では、低視認性をそれ程気にする必要が無かった為か
派手なフルカラーパッチを使用する事も多かったようですね

クリーニングに出す前はもう少し経年の汚れが有ったのですが、帰ってきたら随分と綺麗になっておりました
カットエッジタイプのパッチですが、アイスランドで作成された物なんでしょうかねえ...

搭乗機がF‐4 Phantom戦闘機である事を表すパッチ
赤色生地の他に青色生地のパッチも存在しておりました
周囲に他のパッチを縫い付けていた跡が残っていますので
これ以前にF‐102のパッチを貼っていたのかもしれません

F‐102からF‐4Cへの機種転換が開始されたのは1973年からのようです
私は航空機についてはそれ程詳しくはありませんが、F-4ファントムという戦闘機は
子供の頃プラモデルを作ったこともあり、日本では自衛隊も採用していて馴染み深い機種だと思います
私の子供の頃の最新鋭機種だったのですが、現在でも現役で運用されているという長寿機ですね
以前百里基地の航空祭を見物に行った時に、偵察機として運用されている同機の機動飛行を見て
他の最新鋭機と比べても、今でも強烈に格好いい飛行機だなあと感慨に耽りました(笑
F‐4
RF‐4


ADC(Aerospace Defense Command)パッチです
こちらは私が中古品を別途入手して縫いつけた物です
周囲に別の縫い跡が残っていますが、形から見て恐らく元々は星条旗のパッチが縫い付けられていたものと思われます
ですので星条旗のパッチを復元しても良かったのですが、どうもベタな感じがしてあまり気が進まず
何か他に無いものかと探しておりましたら、偶然こちらのパッチを
極東ミルサープさんで譲って頂く事が出来ました
1968年に改名される以前の
Air Defense Command 時代のパッチも同じデザインなのですが
改名時に地球の絵柄上に、周回している衛星の様な絵が追加されたみたいですね

こちらのビニールケースは入手時から付いておりました、大阪のMASH製レプリカです

一般的に1950年代〜60年代に多用されたクラシカルなネームの取り付け方法なのですが
ベルクロによる取り付けが普及した後も、好んで用いられる方が居らしたようです
70
年代末期の写真を見ても、このケースを使用している方が見受けられます
そんな訳で、これはこのまま活用させて頂く事にしまして
中身のレザーネームプレートは、折角ですので同じMASHさんで作って頂く事にしました
肩の階級章に合わせて中尉のランク表記にしてあります
名前については当時の実在パイロットさんの名前を拝借させて頂きました
実名なので勝手にここで公開してしまうのもどうかと思い、写真では消させて頂いております

 

 

 

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