リペアあれこれ

その5

 

 

!! WARNING !!
以下の内容は、私が実際に試した経験に基づく内容ですが
同様の行為を行った場合について、結果を保証するものではありません
また、同様の行為を行う事をお勧めするものでもありません
もし、あなたがお試しになる場合には
御自身の責任において決断の上、行って頂けますようお願い致します

 

 

 

私はL-2Bも大好きですが、MA-1に比べるとその流通量は圧倒的に少なくて
その少ない中でも更に、俺様サイズのSMALL(36)サイズは出物が少ないですね
従ってMA-1の場合は程度による出物の選択が可能なのですが、L-2Bの場合は
よほど高価か程度最悪でない限り、希望する型とサイズが一致する出物が出たら
とりあえず「確保」しておかないと、次はいつ出会えるものか見当もつきません
しかし、L-2Bには厄介な持病があります

「ライニングの縮み」です

L-2Bのライニングに使用されているレーヨンは、天然パルプを原料とする再生繊維であり
吸湿・放湿性に優れ、美しい光沢とドレープ性(
体にまとわりつくようなしなやかさ)等を長所としますが
水に濡れると極端に強度が下がり、含水性の高さゆえ乾燥後に発生する縮みが大きいという短所も有ります
その為、L-2Bは表示サイズと実サイズが必ず一致するとは限りません
現物を試着出来れば問題ありませんが、古着を通販やオークションで入手する場合は
写真を穴が開くほど見て、実寸法の表示が有ればよく確認をしないと痛い目に会います

 

そんな訳で今回は

 

痛い目に会ってしまった場合はどうするのかというお話ですw

 

 

 

正直な所今回のリペアは、強引で力技の危険な方法で行いましたので
詳細な手順は割愛いたします
方法としては、御得意のハンドスチーマで蒸気をライニングにたっぷりと当ててやり
生地が軟らかくなった所を、ひたすら引っ張って伸ばすという至極単純なものです
これは諸刃の剣的な、かなり危険な方法であり
下手をするとライニングが裂けて取り返しの付かない事態となったり
縮みが更に酷くなったりする可能性があります
最近はこういった難しい衣類の縮み補正を得意とするクリーニング屋さんもありますので
特に自分で行う理由が無ければ、そういう所へ相談する方が良いと思います

左が処理前、右が処理後です
正直な所ここまで伸長するのに、延べ数日間に渡り何度も処理を繰り返しました
それでも数値的には1〜2cm伸びたかどうかといった程度ですが
見た目の印象は数値以上に改善されているのが不思議ですねえ...
これでも本来の寸法にはまだ遠い状態だと思われますが
とりあえず着用可能な範囲にはなりましたので、今回はこれで良しとしました

 

 

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