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サイタイケツ氏のページ

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(成人の臍帯血移植経験者・30代後半。♂。 移植時の体重70kg)

白血病などで、骨髄移植を望んでいるのに、ドナーさんが見つからないあなた、まだあきらめてはいけません!
臍帯血によるの道が、まだ残っています!(成人でも!)
私自身、臍帯血による移植により、こうして生命をすくわれ、元気に毎日をすごしています。先日も大好きな渓流釣りに行ってきました。(写真参照)

このぺージにアクセスされる方のなかには、現在ご自分や、ご家族が、白血病などで闘病されているという方がかなりいらっしゃるのでは、ないでしようか。じつは、私もすこし前まで白血病とたたかっていたのです。
 
三年ほど前、私は熱を出し、風邪でもひいたのかな、と近くの病院に行きました。
そこで、思いがけず、白血病と告知をうけました。
私のかかった、白血病は、急性リンパ性白血病というタイプの白血病で、完治させるには薬物療法だけでは、成人の場合、大変難しく、どうしても骨髄移植が必要でした。   

しかし、血縁者はもちろん、骨髄バンクで探してもらっても、どうしても私の型に適合するドナーさんは見つかりませんでした。これが合わない患者とドナーさんとでは、骨髄移植ができないのは、ご存知の事とおもいます。
海外の骨髄バンクでも探してもらいましたが、それでも見つからないとわかったときには、さすがに落胆しましたが、私には、妻子もあり、どうしても諦めるわけには、いかなかったのです。
 
追いつめられた私は、妻の情報をもとに、子供だけでなく成人の臍帯血移植もおこなっているという病院に移ることにしました。 
ご存知のように、臍帯血とは、赤ちゃんの出産時に、従来は廃棄物として捨てられていた、いわゆるへその緒のなかに含まれている血液のことです。このなかに、骨髄液と同じように、新しい血液をつくりだす(造血幹細胞)が含まれているのです。
これを用いておこなうのが、臍帯血移植というもので、目的は骨髄移植と同じく、(白血病などの)主に血液の病気に対する治療法です。

しかし、私が闘病していた当時は、へその緒のなかに含まれる、臍帯血の量では、小さな子供ならともかく、大人には「移植はムリ」というのが、そのころの医学会の通説だったようです。
でも放置しておけば、確実に死は迫ってくるのです。 私には、「座して死を待つ」と気持ちには、どうしてもなれませんでした。 「まだ、完全に敗けたわけではない。まだ、助かる可能性がある。それに懸けてみよう。」私は、転院を決意しました

こう書いていると、このページを読んでくださっている方のなかには、「なんて勇気のある決断だ!」と、思われる方もいるかもしれません。 
まったくの逆です。私は、かなりの小心者なのです。 

そんなわけで、転院するにあたって、事前に可能なかぎりの情報を集め、さらに自分の足で(体重の重い成人)でも、臍帯血移植を成功させる、というその病院に赴き、その病院の医師から、成人の臍帯血移植の成績を伺い、さらに病院の内部の様子も自分の目で見てきました。
(アポも取らず、大変失礼しましたが、とても親切に対応してくださいました。 今でも大変感謝しています。)

(ちなみに、そのお世話になった病院とは東京・港区にある、東京大学医科学研究所付属病院という病院です。通称・イカケンと呼ばれているようです。)

 成人の臍帯血の移植は、今や不可能ではありません。 そしてその成績も(骨髄移植に比べて事例がまだ少ないのですが)、骨髄移植と比較して、勝るとも劣らないものです。 私や、(先輩)たちが、生き証人です。 (グラフ参照)

私のパソコン歴は、ようやく1年です。 インターネットなるものも、覗いてみました。 自分であの病気(白血病)をした為に、その関連のページを覗くことも少なくありません。
そこには、臍帯血移植についての内容もかなり詳しく書かれているのですが、いまだに成人の臍帯血移植については、大抵否定的です。
しかし、現実に、最近は成人の臍帯血移植を成功させる病院が増えてきているのです。
(私が最初にお世話になった病院でも現在は成人の臍帯血移植をおこなっているそうです。新聞にて知りました。)
私が、このページを立ち上げる決意をしたのは、自分に適合する骨髄のドナーに恵まれず、移植の機会さえ与えられず、みすみす駄目になってゆく患者さんが、いまだにたくさんおられるという事実を知ったからです。
しだいに、しかし確実に迫りくる死の恐怖。移植をすれば、助かるかもしれない可能性を未だもちながら、生を諦めてゆく無念の気持ち。

私には、その気持ちが、痛いほど理解できるのです。病室の開かない窓から、外を眺め、「ああ、もう一度外の世界にもどりたいなあ・・・」何度思ったことでしょう。それが、仮に雨の日であっても、「もう一度、雨に濡れてみたい」とさえ思ったものです。

閑話休題。
先にも述べたように、現在では、(子供はもとより、)成人の臍帯血移植を実施している病院も増えてきました。ただ、まだまだ多くはない。その意味では、確かにまだ「成人には、不向き」なのですが、裏を返せば、「できる所では、できる」というわけです。
少々、乱暴な表現で、不快に思われる向きもあるかもしれませんが、少なくともそう言っても間違いのない時代になってきたのではないでしょうか。

私は、別に臍帯血移植のほうが、骨髄移植を含む、ほかの移植方法よりも優れている、と言っているわけではありません。また、仮に白血病だからといって、なんでもかんでも移植をしたほうが良いと言いたいわけでもありません。

ただ、そういう選択肢がある、ということ、それを知らずに当時の私とおなじように、絶望感にとりつかれて、現在苦しんでいる患者さんの気持ちを思うと、たまらない気持ちになります。

「知っていてやらなかった」のと、「知らなくてやれなかった」では、大きく異なります。

このページが現在、闘病されておられている患者さんの一助になれば、幸いです。