第1話

その日はとても蒸した日でした。

時は6月初め。


僕は…彼女と出会いました。


雨はぱらぱらと降り始め、
視界がまるで霧のように白くぼやけていました。

こんな日に僕はゲームセンターに友人達と向かいました。
僕はそのころドラムマニアにはまっており、若干他の人よりも上手にプレイできたため、優越感を得たものです。今回の目的もそのドラムマニアでした。

ドラムマニアをプレイ終わると、友人達は僕のプレイなどそっちのけで、
ゲームセンター入り口にあるUFOキャッチャに足を止めていました。

そのUFOキャッチャーのガラスケースの中にいたのは、
定番の人形でもなく、お菓子でもなく、最近流行の偽ブランドでもありません。
それは『エッグアニマル・ニョッキ』という商品でした。

エッグアニマル・ニョッキという商品について説明しますと、
ちょっと話はずれてしまうのですが、
昔、『芝刈り君』というのが流行った事を覚えている方はいらっしゃるでしょうか?
『芝刈り君』とは、アメリカナイズな少年の顔をした入れ物で、

その頭の中には、芝生の種が敷き詰められて、
水を与えると頭から芝が生え始め、芝刈り君の髪が伸びていくという・・・、

ものすごい気色悪いオブジェです。

なにが気色悪いかというと、芝刈り君の表情が悪かった気がします。
肌の色はやけに不健康な小麦色。
光を上から当てるとと、目先が陰になって黒くなり、
邪悪なことを考えているかのような笑顔。

そして、おぞましいほど生えてくる緑色の髪の毛。
…もとい芝。
小学校のときはとても怖がったものです。
エッグアニマル・ニョッキもその芝刈り君の派生でした。

しかし、ガラスケースに入っているエッグアニマル・ニョッキは芝刈り君と違って、顔はペンギンを模したキャラクターになっており、
とてもかわいらしい印象を受けました。


それを見た僕は、





何かの魔力に引き寄せられるかのように・・・。






チャリーンチャリーン(200円投入)






デーデロロデ〜デロロ〜(クレーンゲームの効果音)









ぴぃるるるるぴぃるるるる(アーム回転の効果音)









・・・・・・。











ゴトン












…。




「は、はじめまして」



その日から、
僕と、この子との共同生活が始まるのでした。