Good Moning?萩野式盛岡手打ちそば


2004年6月20日、FCで行われている田植えイベント第2弾として「そば打ち体験」が行われました。萩野さんを交えた60名で、盛岡のそば打ち会のみなさんのご指導のもと、面倒な行程を極力はぶいた省エネ作業でたのしくそばを打たせていただきました。終了後、萩野さんが「家でも打てそう?レシピあったほうがいいかな」と気にされていたので、レシピ代わりのHow Toページを作成してみました。作った本人も全工程をひとりで行ったのは初めて。かなりな素人作業で、webでみるプロの手打ちとは雲泥の差ですが、この程度でも美味しく食べられるという証明として、僭越ながら写真つきで解説させていただきます。
打ち台はテーブルにビニールをひろげて使用。分量は写真では700gですが、分量が多いと作業も大変になるので最初は半分以下で充分だと思います。今回軽く6人前は出来ました。




・準備するもの
・そば粉
(つなぎの小麦粉との割合は8:2 写真は700g)
・打ち粉(適量)
・水(ミックスそば粉700gにたいして300cc)
・ボール(大きめの鍋で代用可能)
・のし棒(この大きさで1200円前後)

写真:ボールに入ったそば粉。お椀に入った打ち粉。水。のし棒。この他に包丁とまな板さえあればそば打ちOK。




1.加水&水回し

1回目の加水。軽量カップに用意した水の半分ぐらいを平らにならした部分に回しかけます。
※一般的な打ち方では、最初に粉をふるいにかけますが、ふるいがなければかけなくても塊があれば手で崩せばだいじょうぶ。また、最初に全部粉を入れると、後半水が多すぎた時に対応できなくなるので少し残しておくのがベターです。そば粉は湿気と温度に敏感なので、空気が湿っていて暑い夏は水分を少なめに、乾燥していて寒い冬は水分を多めに調節していきます。




周囲の粉を水の部分にかぶせるようにかけていき、身体全体を使ってリズミカルに混ぜていきます。(水に直接触れると手が粉で汚れるのでなるべく触らないようにしてください)ある程度混ぜたらボールを90度回して混ぜる粉の位置を変えながら行います。1回目のそば粉出来上がりの目安は全体が細かめのパン粉状態になればOK。




2回目の加水、軽量カップに残っている水の半分。
同じように混ぜていきますが、2回目以降は左右の手を回すように混ぜていっても良。2回目の粉の出来上がり目安は全体が大粒のパン粉状態。
写真:混ぜはじめ。1回目終了時の細かいパン粉状態


そして3回目最後の加水。軽量カップに残った水を平らにならした部分に回しかけ(途中の水分調節用に少し残す)同様に混ぜ合わせます。途中、水分量を確かめて少なければ少しずつふりかけていき(適量はあまりベタつかない程度)2〜3cmくらいの塊になったら終了





2.くくり&練り

まぜ終わったごろごろした塊を1つにまとめます。
この段階まで水を足すことが出来ます。(粉を足すことが出来るのはこの前の行程まで)




写真:まとめて1つにするべく奮闘中




まとまったそば生地を2つに折るようにして、手前から前へ押し出すように練りこんでいきます。30℃くらいずつそば生地を回して同じ動作の繰り返し。
表面がすべすべしてきたら練りこみ終了。



写真:練っている所。分量が多すぎてまさに手に余っている図




ここで空気を抜くために菊練りという作業をしますが、抜けてなくても美味しく食べられるので難しいようならパス。(※菊練り=写真手前にあるような練りで出来た傷(ヒダ)を生地の中央に集めていく動作。巾着をしぼったような形になる)




両手をつかって生地をコロコロと横に転がし円錐形に。写真くらいになったら、今度は生地を90℃回転させて手を添える場所を変えて転がし、底辺の部分は左手を使って平らに、頂点の部分は右手で絞りさらに円錐形に近づけます。




完成図。






写真:力つきて妥協。余力があればもっと尖らせてください。




3.そば玉作り&のし

頂点を下にして垂直に押しつぶし(手首をゆっくり回すような感じで)平均な厚さの円になるよう調整。厚みは3cm弱程度。


ボールでの作業はここまで。




打ち台に打ち粉をふり、そばを乗せます。
水が多すぎてベタついている場合はそばにも打ち粉をふってください。ただし打ち粉はおいしいものではないので、のしの行程で使うのは必要最低限




手のひらの付け根で中央を残して少しずつのす
上側を伸ばしたら生地を少し回転――これを繰り返し、フチだけを薄くしないよう平らに伸ばしていきます。(中央を残すのは後でつぶして部分的に薄くなりすぎたところを調整するため)
最後に、残した中央のでっぱりをつぶして全体を平らに。あくまで平ら。中央をつぶし過ぎないようご注意を。




生地の上に打ち粉をふって、手で平らにならし余分なうち粉は払いのけます。ここから先はめん棒を使用。使い方は、めん棒の中心に手をおき中心から外側へシャッシャッと、円を描くように動かして転がすのがGood Moning流。(その時、手も外側に動かしていく)手のひらの付け根ふくらんだ部分を使って軽やかに。初心者はつめで生地を傷つけないよう指を伸ばしたほうがgood。




生地の中央くらいから上へ向かって、めん棒の角度を変えて3方向〜4方向にのばしたら生地を回し、また3〜4方向へ同じ動きでのばして生地をを回すを繰り返し、丸くなるよう伸ばしていきます。




丸くのびたら生地に打ち粉をふって、めん棒にまきつけ巻いた状態のまま、軽く力を入れながら前方に転がして手元に引き戻す動作を3回程度行い、さらにのしていきます。




そのあとは生地を巻いたまま180℃回転させて(写真は回転の途中)手前から奥へ生地をひろげます。

再び下から巻き取り上と同じ作業の繰り返します。




伸ばし終えたら、今度は棒を90℃右回転させて、右から生地をひらくと木の葉型に。




写真:右から左へのばしている最後のころ




また手前から巻きとっていき、転がしてひき戻す作業を3回。めん棒を180℃回転させて手前から奥へひろげます。
そして手前から巻き取って転がして引き戻す作業をまた3回。




今度はめん棒を、台に対してななめにして右から左に生地を広げます。このとき生地が四角になっていたら大成功。なってなくてもご愛嬌




ひろげた状態で全体の厚みが均一になるように、のし棒を転がして地ならしをしたら、全体に薄く打ち粉をふり、手前から巻き取っていきます。(打ち台に打ち粉が足らないようなら適時ふっておく)
ここでも転がして引き戻すのし動作を3回くりかえしたら、めん棒を180℃回転。反対側からも伸ばすため同様に手前から巻きとり、転がしては引き戻すをまた3回。




めん棒を90℃右回転。右側から広げていきます。
手前からめん棒に巻き取り、上記の動作と同じくのしていきます。めん棒を回転させて反対側ものばしたらのしの動作は終了。打ち粉をふって、たたみに入ります。




4.たたみ&切り

生地の上の部分をめん棒にすこしかぶせ、めん棒にのせそっと移動。ふたつに畳みます。




もう一度うち粉をふって、同様に二つ折り。わたしはこの状態で切りましたが(はみ出た部分は切り落とした)、まな板が小さい場合は右から左にもうひと折りして4つ折にしてきってください。(この場合は8つ折り?)




用意したまな板に打ち粉を多めにふって、そば生地を最後に折った折り目が手前に来るように乗せ、生地の上にも多めに打ち粉をふってから、好みの太さに切っていきます。この時、定期的に切ったそばをほぐしてください。くっつきそうなら軽く打ち粉を。
あとは多めのお湯でゆで、冷水によくさらしてぬめりを取ったら出来上がり。



いかがでしょう。美味しく打てましたか?
webでみるプロの手打ち指南とは随分ちがったものになりましたが、なるべく説明も簡素化しました。盛岡では、市販のつゆを暖かくして上に刻みのりをかけていただきました。萩野さんもおいしそうに食べていたGood Moning手打ちそば。ぜひ一度おためしください。





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