ABQジャパン・ツアー主催者:ゲーター中西さんより御挨拶。
『皆さんは、アリソン・ブラウンについてどの様なイメージを持っておられますでしょうか?頭
が良くて美人、おまけにバンジョーが「何をやっているのか分からなく」上手い。ここまで来
ると、どうみても性格にちょっと問題があるのではないか?などと私などは考えてしまいます
が、しかしそうではありません。私が知る限り、とってもよい人です。中島ファミリーのサポ
ートもしれくれたし、朝霧のフェスや宝塚の春フェスにも快く来てくれました。20数年前に
出たレコードだったと思うのですが、アリソン・ブラウンとスチュアート・ダンカンなるキッ
ズ・ピッカーの存在を知りました。「ウーン、スゴイ!」。まさにメロディック・バンジョー・
テクニックのオンパレード。その頃の私は、スクラッグスもまともに弾けないのにメロディッ
ク・バンジョーと悪戦苦闘していたこともあり、出来ない者のひがみとでも言いましょうか、
「テクニックばかりに走りぁがって!」なんて感じで、それが女の子(当時は女性ピッカーは
まだ珍しかった)という事もあり、素直に認められずにいたのです。その後、ノーザン・ライ
ツでバンジョーを弾いているとかの話を耳にしていたのですが、あまり気にもとめていません
でした。
しかし時を経て1990年のIBMAのファンフェスで、私はアリソン・クラウス&ユニオン・
ステーションにいる生のアリソン・ブラウンを見ることになります。その頃のアリソン・クラ
ウスは、タイトなフィドルをバリバリ弾いていてすごく良かったのですが、それにも増してス
テリング・バンジョーを男顔負けの力強いダイミング(いわゆるインパクト・バンジョー)で
弾いているアリソン・ブラウンに驚きました。あれがアリソン・ブラウンか・・・。今までも
っと聞いておけばよかった。(もっとも彼女が大学卒業後、かなりブルーグラス・シーンから
遠ざかっていたので、日本で聞くことはできなかったのですが。)その時に聞いたリービング・
コットンデール(昨年グラミー賞を受賞)は、初めて聞いたにもかかわらず曲の完成度の高さ
に、これは名曲だと瞬時に思いました。ホテルで見かけた時は、小学生のような女の子がいる
くらいに思っていたのですが、それがアリソン・ブラウンでした。アリソンの場合、「ちょっ
と離れて」見ているとキッズピッカーと見分けがつかないのです。何しろ彼女がステリングを
弾いていると、バンジョーが「たらい」のように見えるし、身体が小さい上に頭も小さい。し
たがって超日本人体型の私などは、横に並んで写真など絶対に写りたくないと心に決めており
ます。というわけで、遅まきながら私もアリソンのファンになりました。
オリジナルのバンジョー・チューン等は、やはり頭の良さ(私にはどう弾いているのか分から
ない)を感じてしまうのですが、歌のバックをつけている時のメロディーがまた素晴らしい。
常々、名バンジョー・ピッカーの条件として、「バッキングがうまい」というのが私の考えな
のですが、Fair Weatherのティム・オブライエンが歌う「エブリバディ・トーキ
ン」のバッキング等は、さすがにアリソンならではという感じがいたします。今回は、自身の
カルテットでの来日という事で、タイトなブルーグラス・バンジョー以外はバンジョーじゃな
いという方には敬遠されがちですが、やはり音楽は思い入れだけで出来るものにあらずという
事で、そのような演奏が出来る人には、その道をつき進んでほしいと私は思っております。
食わず嫌いをしている皆様も、後で「見ておけば良かった」と後悔しないよう、是非今回の来
日をお見逃しなく!』