リプリーさんのきもち



種類。

わたしの名前はリプリーで、皮毛は綺麗なぴかぴかの白と黒。
真っすぐ、すらっと伸びた尻尾が自慢なの。
でも、ニンゲンはMIXとか雑種ってわたしを呼ぶの。
ある日、玄関でJunoが知らない人とお話ししているのを聞いたことがあるわ。
その人は、「猫ちゃん飼っていらっしゃるの?ペルシャとかシャム?」
って聞いてたわ。
それってわたし達猫族の子が、ニンゲンのお金で売買されているところから
買われて行く子のことなのでしょう?
Junoは笑ってこう言いました。
「いいえ、うちの子達はすべてお外で生まれて暮らしてきた子達です。
たまたま私と出会って、一緒に暮らしているんですよ。」
帰ってきたJunoに聞いてみたわ。

ねえ、ねえ、わたしは雑種っていうんでしょう?
ペルシャっていう子より、シャムっていう子よりも、価値がないの?
わたし達猫族は、好きなニンゲンのことをどんな肌の色をしているか、
どんな環境で生まれてきたかなんかで選んだりしないわ。
なのにどうしてニンゲンは、わたし達を品種で自慢したり、比べたりするの?


Junoは、とってもとっても悲しい顔をしました。
「あなたが雑種だから価値がないなんて、思うことは全くないの。
どんな種類の子だって、命の価値は変わらないのよ。
あなたはどんな姿であろうとも、わたしの大切な大切な相棒なの。
あなたは、あなたよ。リプリーさん。」

・・・ニンゲン達がいつか、わたし達猫族の子を品種で呼ぶのではなくて、
それぞれに与えられた名前を呼んで自慢してくれる日が来ますように・・・。