良く出る不良項目 ベスト10の詳しい説明

1、糸の通し方 特に 天秤から糸が外れている事が多い

  縫っている途中 突然 縫えなくなった場合 天秤から糸が外れている場合や
  糸が天秤に2重に巻き付いている場合が多い。
  特に 腰の強い糸 ロー引きカタン糸、透明糸を使用している場合
  糸が暴れるような縫い方 刺繍縫い、縁かがり縫いをしている場合
  「通常縫いよりも目飛びが発生しやすい縫い条件」の時 起こります 
  最近のミシンは ワンタッチで糸が通せる様に 天秤の形状を工夫したり
  抜け防止用のバネを追加したりして かなり 改良はされていますが
  縫えなくなったら まず 糸を全部外し 糸通しをやり直すと 
  以外と直る場合が多いです。
  上糸を通すとき 糸外れ防止用のバネが付いている部品
  (例、糸案内、天秤、糸取りバネ等)の部分では 
  糸の両端を持ってピンと張った状態でバネの裏側まで確実に糸を通してください。
  又は 天秤の部分まで糸を通したら 糸こまが回らない様に右手で押さえて
  左手で糸を強く引き下げますと バネの奥まで糸が一気に入ります
  バネの奥まで入っていない状態で縫うと縫い初めて5cmくらいで
  糸が外れてきて多くの場合 布裏で上糸がぐちゃぐちゃになります
 

2、針の裏表が逆 又は 丸針「工業用の針」を使用している

  針が折れて交換したら縫えなくなった場合 針の取り付け方が悪い場合が多いです
  現在は 針が逆に入らない様に 針逆差し防止板が入っているミシンが
  多くなリましたが10年以上前のミシンでは 針の入る穴が大きく
  裏表が逆でも 工業用の針でも何でも取りつきます。
  針の交換時は 平らな面が後ろに来る様に 又は 左から糸を
  通すタイプですと(30年位前の型)平らな面が右ですので 確認して下さい
  奥まで針が入っていない場合もあります。
  針棒にストッパーが付いていますので 針先端がストッパーに当たるまで
  入れてください。
  又 針の入る穴が大きいと 針を斜めに付けている場合もあります。
  針が押さえの左右に 当たる場合 針棒に真っ直ぐ付いているか 確認が必要です。
  又 針止めネジを多く緩め過ぎると 針棒と針止めとの隙間に
  針が入る場合があります。
  針と押さえが 当たる場合 針棒に正常に針が入っているか 確認して下さい。 
  針止めネジは必要以上緩めない方が 良いと思います。

3、ボビンケースの仕様が違う

  現在 ボビンケースの種類は 当店に保管しているだけで 約10種類位あります。
  多く見られる間違いは 振幅幅が大きいミシンに 直線用のボビンケースを
  使用しているか
  振幅幅の小さいボビンケースを使用している場合が多い。
  直線縫いでは問題無かったが ZZ縫いが縫えない 又は 針が折れる
  模様縫いにすると 縫い調子が悪くなる場合は ボビンケースの誤使用が
  考えられます。
  下糸残量機能付きのミシンに センサー穴の無いボビンケースを使用すると 
  下糸残量が正しく表示されません。
  刺繍機能の付いているミシンに使用するボビンケースには 
  ボビンの回転しすぎを防止するバネが付いている場合が多いですが 
  これが無いとボビンの糸の巻きが弱くなり 
  下糸がボビンケースの中で ぐじゃぐじゃになる事があります。

 4、ボビンの仕様が違う

   ボビンの仕様がいくつあるのか 全部を把握している訳ではないので 
   説明が難しいですが 水平釜の場合 内釜の高さよりわずかでも
   ボビンの方が高いと 糸抜け時糸がボビンに干渉して 縫い障害が発生する。
   最悪の場合 上糸がボビンの内側に入り 糸切れが発生する。
   又 安いボビンの場合 ボビンのバリが除去されてなく 
   糸がそこに 引っかかる時がある
   では 低ければ良いかというと 低すぎると内釜の中でボビンが暴れて
   縫い調子不良や糸切れが発生する時があるが 
   多少低いくらいならば問題は少ない。
   又 金属性のボビンを 水平釜に使用すると 最悪の場合 
   自動糸調子が効かなくなる事がある。 
   ボビンケースを使用するタイプでは 厚さが厚いと ボビンケースのつまみ部分が
   釜に引っかからず 回転時 ボビンケースが飛び出してしまう。
   又 下糸残量表示のあるミシンに穴の開いていないボビンを使用すると
   下糸残量を正しく表示しなくなります。
   ボビンを純正品に交換しただけで 綺麗に縫える事も少なくないです。

5、送り歯の間にゴミが入っている 

  縫い調子が悪くなったり 送りが悪くなった場合 針板を外して 
  送り歯の溝を掃除するだけで 調子が良くなる事が多いです。
  又 目飛びが発生している時 内釜を外し 釜内部の掃除をしただけで
  目飛びの発生が無くなる事も多い
  (フェルト状になった綿埃が縫い目の構成を妨げているのが解消される)
  又 別の弊害として 大量のフェルト状の綿埃が油分を吸い取り
  焼きつき状態になる事も多いので 注意が必要です
  調子が悪いときは 針板、内釜を外して まず 全体的に掃除をして下さい。

6、ボビンを巻く時 糸端を切らずに巻いたので 糸がボビンの外に多く出ている

  糸巻き時 最初にボビンに巻きつけた糸の糸端をボビン穴部分で切らずに
  長いままボビンケースや内釜に入れて 使用すると 
  外に出ている糸端が色々と問題を起こします。
  上糸の糸抜け時 干渉したり ボビンケースがうまく 釜に入らなかったりします。
  又 糸巻き時 糸巻糸案内体のバネ部分に入れずに巻くと 糸がボビンに順番に
  巻けず 又 ゆるく巻けるので 縫い調子不良や 糸切れが発生する時がある。
  ボビンへの糸巻きは重要ですので きちんと 巻きましょう


7、大きな糸コマに 小さな糸コマ押さえを使用している。

  
  糸コマ押さえの目的として 糸立棒が横向きの場合 糸コマが抜け落ちない事と 
  もう1つ大事な事があります。 
  それは 糸コマには最初糸を使い始める時 糸の端が入っている切込みがあります。
  その切込みに 縫っている途中 糸が引っかかります。
  したがって 糸コマより少し大きい糸コマ押さえで糸コマを押さえて
  糸が糸コマ押さえに沿って滑るようにして 糸コマの切込み部分への
  糸の引っかかりを防止しています。
  ところが 糸コマより 糸コマ押さえが小さいと 糸は糸コマに沿ってすべるので 
  切込み部分で 糸が引っかかります。
  反対に すごく小さい糸コマに 大きな糸コマ押さえを使用すると
  糸抜け角度「普通30度が 45度から70度位になり 糸の抵抗が大きくなり
  縫い調子不良になります。
  したがって 糸コマの切込み部分を右にして 正しい糸コマ押さえを使用して
  縫った方が問題が少ないです。
  (機種によっては 糸の引き出し方向の問題がありますが)
  但し 刺繍縫いの様に 糸のあばれが大きい縫い方だと 糸コマの右部分まで
  糸が回るときがあります。
  この場合 糸コマの左右に 糸コマ押さえを使用すると 問題が無くなります。
  尚 右に使用する糸コマ押さえは 大きい糸コマ押さえのみで 大丈夫です。 

8、糸調子の皿の間に ゴミが挟まり 皿が締まらない

  長い間 使用していると 特に 綿糸を多く使用していると 糸屑等が 糸調子の皿
  の間に 挟まり 糸調子目盛を大きくしても 糸調子が強くならない時が有ります。
  押さえ棒を上げた状態で エアーダスター等で吹き出すと 直ります。
 


9、糸巻き状態で縫おうとしている(デクラッチ状態 又は センサー糸巻き状態)

  糸巻きへの切り替えには オート デクラッチといって 糸巻き軸を右に寄せただけで
  自動的に 完全に糸巻き状態になるものと ハーフ デクラッチといって 
  糸巻き軸を右に寄せて その上で はずみ車部分に何かして
  はずみ車を空回りできる状態にしなければ 完全には 
  糸巻き状態にはならない物があります。
  ハーフ デクラッチのミシンで 糸巻き軸が右に来た状態で 縫いをしてしまうと
  色々と問題が起きます。
  つまり 糸巻き軸を右に寄せた状態で センサーは糸巻き状態だと 感知しています。
  したがって はずみ車は 空回りする状態が正常だと コンピューターが認識します。
  ところが この状態で縫いをしてしまうと 理論的にはありえない事なので
  コンピューターが異常を検出して 止まってしまいます。 
  ところが 縫っている本人は 糸巻き軸が右に来ている事に 気がつかないので
  故障だと 思ってしまう訳です。

10、コードリールのコードを ひねった状態で 無理矢理 巻き戻そうとしている。


   コードリールのコードが 入って行かないという修理が 時々来ます。
   一番多いのが 最後の方にこれ以上 引き出さないで下さいと言う意味で 普通
   マークが付いています。
   コードリールは ラックを外さなければ 巻き戻りませんが ラックを外すには
   1cm位引き出さないと 外れません
   このマークが見えたので 怖くて 引き出せないという修理がありますが 通常
   マークより 2,3cm位は大丈夫です。
   静かに引き出して コードをたるまない様にして「たるめると ラックが入ってしまう」
   バネの力に任せて 戻すと 入っていきます。
   その時 コードのよじれを 直す様にして 戻さないと 次に使う時
   引き出せなくなります。
   コード先端のコンセント部分が 接触不良で持ちこまれる修理も多くありますが
   電気屋さん等でコンセントだけ購入して ご自分で付替える方が安く直ります。