そして彼らは・・・>> | ||
「それにしても、どうして俺は感染しなかったんだろう?」 「良かったじゃないか」 「いや、良かったんだけどね?」 「だったらもう止せよ」 漁火がまた不機嫌になりそうだったので、環はそこで止めておくことにした。 後で思ったことだが、ここで疑問を追及しておけばよかったのだ。 先人の言葉は正しい。 つまり、後で悔いるから後悔というのである。 漁火と徹底的な話し合いを行った結果、数日の予定だった環の滞在は1週間を越えた。 考えてみれば、漁火の家は環の自宅の裏から直通なのだ。身の回りのものを持ち込んでしまえば、家にいるのとかわらない。 居候中の紫も一向に帰る様子を見せないことだし、このまま住み着いてしまおうか・・・ そんなことを言ったが最期、冗談が冗談でなくなるのは目に見えているから、絶対口には出さないが。 こうして環は、奥祇に入り浸っている。 魔法街の紫は、未だ混乱状態から立ち直っていない模様。 士郎はやや引きこもり気味・・・元気にしてはいるようだ。 紺のトラウマは、日常生活に支障が出るほどではないが。 賢太郎は以前と同じようだが、ふとした拍子に考え込むことが多くなった。 圭士と春麻はあいかわらず。 阿久津と上田は、何もなかったかのような顔をしている。 あいもかわらず呑気な日々を送る面々はしかし、様々な宿題を溜め込んでいることに気づいていない。 |
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