車検って? 


「車検って何?」 小さな疑問にお答えします。

車検の目的◇ ◇車検の時期◇ ◇必要書類◇ 
車検の法律◇ ◇24ケ月定期点検◇ ◇車検用語集

車検って?
「車検」とは、みなさんのクルマが「道路運送車両法」に定められた「保安基準」に適合しているかどうかを「検査」することをいいます。
国の検査場にて継続検査を行い、検査に合格した場合、そのクルマを一定期間使用する許可がもらえるのです。
継続検査は、その時点でのクルマの状態が安全面や公害防止面の基準に適合しているかどうかを テスターや目視などで検査するものですから、次の車検までの安全性を保証するものではありません。車検では「検査」だけを行ないますので、クルマを安全で快適な状態に保つ為には別途「整備」が必要です。

◆ 車検の目的
 1.自動車の安全性の確保
その自動車が運転しても安全であること、つまり「道路運送車輌法」に定められた「保安基準」に適合しているかを確認します。
 2.公害防止
自動車は時間がたてばたつほど、さまざまな部品が古くなり、劣化します。その自動車が「保安基準」に適合しているか確認することで、劣化等から発生する公害を防止します。
車検に合格すると、車検証の有効期間が終了するまで、一般公道を走ることが出来ます。
また、その証明として次の2つのものを受け取ります。

 1.新しい車検証
自動車の身分証明書のようなもので、自動車の種類や所有者の情報等を記載しています。正式には「自動車検査証」といって、常に自動車に載せておくことがが義務づけられています。
 2.新しい車検ステッカー
車検証の有効期間が満了する時期を示すもので、色と数字でカンタンに車検の有効期限が分かります(フロントガラスに貼ってあります)。正式には「検査標章」といいます。

◆ 車検の時期

車検は、通常「車検証に記載されている有効期間の満了する日」までに行ないます。新車を買った後の最初の有効期間の満了日は3年後、2回目以降は2年ごととなります。

車検の有効期間は、「車検証に記載されている有効期間の満了する日」までですが、自動車の種類によって異なります。

自動車の種類 有効期間
新車の自家用自動車 3年
2回目以降の自家用自動車、軽自動車、軽貨物車 2年
2回目以降の自家用小型貨物車 1年

また、車検を車検証の有効期間の満了日の1ケ月以内に受ければ、次回の満了日は変わりません。つまり、4月1日が満了日なら、3月1日〜4月1日の間に車検を受ければ、2年後の4月1日が次の満了日となります。

ちなみに、車検を受ける時期については、特に定められているわけではありません。だから、4月1日に車検を受けても、5月1日にまたすぐ車検を受けても特に問題はないのです。ただ、重量税等の諸費用はその都度発生してしまいますので、「出来るだけ有効期間の満了日が近づいてから車検を受ける」というわけなのです。

◆ 必要書類

車検を受けるためには、クルマの整備はもちろんのこと、各種書類も必要です。
 1.自動車検査証(車検証)
自動車の身分証明書。ナンバープレート、排気量、大きさから所有者の情報まで記載。
 2.自動車納税証明書
毎年5月頃に送られてくる証明書。納税額は自動車の排気量によって異なる。
 3.自賠責保険証明書
契約が義務付けられている自賠責保険
 4.24ケ月定期点検記録簿
全60箇所の点検記録簿。車検の際は、この記録簿の提出が義務づけられている。
 5.継続検査申請書
車検そのものを車検場で申込む為の書類。ユーザー車検でない限り、お客様が見ることはあまりありません。
 6.自動車重量税納付書
車検を受ける時に納める税金。車輌の重量によって金額が異なる。
 7.自動車検査票
車検の際、各項目についての合否をチェックしていく票。これもユーザー車検でないかぎり、見ることはあまりありません。
このうち、1〜4はクルマの所有者のお手元にあるものなので、無くさないようにきちんと保管しておきましょう。特に自動車税納税証明書は小さいので要注意です。
5〜7については、車検を実施する車検場にて手に入れますので、車検をお客様自身が行なう「ユーザー車検」をやらないかぎり、特に関係ありません。
車検の法律(道路運送車両法)

「道路運送車両法」は、昭和42年に制定されてから何回かの小規模な改正が行われましたが、昨今の規制緩和の風潮を受けて、「車の所有者の自己管理責任の明確化」を目的とし、平成7年7月1日に大きな改正が行われました。

主な変更点
  1. 24ケ月定期点検と車検の切り離し
    今回の法改正で一番重要なのがこの点です。
    従来は、車検を受ける前には必ず24ヵ月点検を受けなければならなかったため、車検は24ヵ月点検を実施できる整備工場でしか受けられないというのが現状でした。
    ところが、今回の法改正により、車検前に必ずしも24ケ月点検を受ける必要がなくなったため、整備業者でなくても車検をうけることが可能になりました。
    ※ただし、24ケ月点検が廃止になったわけではなく、あくまでも車検後に24ヵ月点検を実施することを前提にしています。
  2. 定期点検の簡素化
     ・6ケ月点検の廃止
    最近の自動車の性能向上に伴い、実質的に不要になったとの判断により、廃止が決定されました。その分、車の保守管理の責任は使用者にあることが強調されました。
     ・定期点検の点検項目数の削減
    12ケ月点検…60項目から26項目に減少
    24ケ月点検…102項目から60項目に減少
    ※車の耐久性向上に伴う規制の見直し、並びに使用者の自己判断できる項目の削除を実施
  3. 11年を越える車両の点検を1年から2年へ延長
    最近の自動車の性能向上に伴い、実情に合わなくなったとの判断により、延期が決定されました。

24ケ月定期点検
◆ 点検箇所
  • エンジンルーム点検
    パワーステアリング
    1.ベルトの緩み、損傷
    2.取り付けの緩み
    3.オイルの漏れ、量
    冷却装置
    1.ファンベルトの緩み、損傷
    2.冷却水の漏れ
    点火装置
    1.スパークプラグの状態
    2.点火時期
    3.ディストリビュータのキャップの状態
    燃料装置
    1.燃料漏れ
    2.リンク機構の状態
    3.スロットルバルブ、チョークバルブの作動
    バッテリー、電気配線
    1.ターミナル部の緩み、腐食
    2.電気配線の接続部の緩み、損傷
    エンジン
    1.排気ガスの状態
    2.エア・クリーナ・エレメントの汚れ、詰まり、損傷
    公害発散防止装置等
    1.メタ−リング・バルブの状態
    2.ブローバイ・ガス還元装置の配管の損傷
    3.燃料蒸発ガス排出抑止装置の配管等の損傷
    4.チャコール・キャニスタの詰まり、損傷
    5.燃料蒸発ガス排出抑止装置のチェック・バルブの機能
    6.触媒等の排出ガス減少装置の取付けの緩み、損傷
    7.二次空気供給装置の機能
    8.排気ガス再循環装置の機能
    9.減速時排出ガス減少装置の機能
    10.一酸化炭素等発散防止装置の配管の損傷、取付状態
  • 室内点検
    ハンドル
    1.操作具合
    ブレーキペダル
    1.遊び
    2.踏み込んだときの床板とのすき間
    3.ブレーキのきき具合
    パーキング・ブレーキ・レバー(ペダル)
    1.引きしろ(踏みしろ)
    2.パーキング・ブレーキのきき具合
    クラッチペダル
    1.遊び
    2.切れたときの床板とのすき間
  • 足廻り点検
    かじ取り車輪
    1.ホイール・アライメント
    ショック・アブソーバ
    1.損傷、オイルの漏れ
    サスペンション
    1.取付部、連結部の緩み、がた、損傷
    ホイール
    1.タイヤの溝の深さ、異常な磨耗
    2.ボルト、ナットの緩み
    3.フロント・ホイール・ベアリングのがた
    4.リア・ホイール・ベアリングのがた
    ブレーキ・ディスク、ドラム
    1.ディスクとパッドのすき間
    2.ブレーキ・パッドの磨耗
    3.ディスクの磨耗、損傷
    4.ドラムとライニングとのすき間
    5.ブレーキシューの摺動部分、ライニングの磨耗
    6.ドラムの磨耗、損傷
    ブレーキのマスタ・シリンダ、ホイール・シリンダ、ディスク・キャリパ
    1.液漏れ
    2.磨耗、損傷
  • 下廻り点検
    エンジン・オイル
    1.漏れ
    ステアリング・ギア・ボックス
    1.取り付けの緩み
    ステアリングのロッド、アーム類
    1.緩み、がた、損傷
    2.ボール・ジョイントのダスト・ブーツの亀裂、損傷
    トランスミッション、トランスファ
    1.オイルの漏れ、量
    プロペラ・シャフト、ドライブ・シャフト
    1.連結部の緩み
    2.ドライブ・シャフトのユニバーサルジョイント部のダスト・ブーツの亀裂、損傷
    デファレンシャル
    1.オイルのもれ、量
    ブレーキ・ホース、パイプ
    1.もれ、損傷、取付状態
    エキゾースト・パイプ、マフラー
    1.取付の緩み、損傷
    2.遮熱板の取付の緩み、損傷、腐食
    3.マフラの機能
  • 外廻り点検
    フレーム、ボディー
    1.緩み、損傷


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