詩言葉 / 2



詩言葉 / 2




THE BLUE HEARTS LIVE! 1987.7.4. 日比谷野外音楽堂/1988.2.12 日本武道館

僕は僕の偏見で歌を歌っとる。

欲?あるよ。性欲でしょ、食欲でしょ、それ以外はあんまりねえなぁ。

音楽に出会わなかったら、今でもお母さんの乳しゃぶっとったかもしれんなぁ。

ブルーハーツのレコード買うと,お母さんから無駄使いをしてって言われるんじゃろ?
でもな、無駄かどうかってことはじぶんで決めることなんじゃ。





俺たち、金はねーけど貧乏だと思ってねーもんな。

あのビルん中の一室で毎日おんなじ働きをしとる人がおるんだろうけど、
それが安定した生活かと言われたら。本当にそうなのかなぁ?と思うよな。

空が晴れると元気が出るんだよね。

嫌われたくないからやさしくしてんですよ。





私はなんでも力まかせにやってますね。

家が欲しい人は田園調布とか成城に住めたら幸せだなぁとか思うだろうけど、
その家の中ではさ、もっと悲惨で毎日暗い生活してるかもしんないじゃん。

働く奴ってさ、働かない奴を見ると、働きゃいいだろうっていうでしょ。
でもそんなの余計な御世話なんだよ。

つれづれなるままにさ、何事も自然体でいきたいんだよね。





歩くのが好きなんですよ。一番、落ち着ける。

僕たちは音楽が好きで集まったんじゃからな。レコードが出したくて集まったわけじゃねぇ。

ハワイに行く準備なんてしてねーよ。ツアーに行く時より軽装だよ。
着替えはパンツも靴下も持っていかない。ぜーんぶ、現地調達。

ライブは一番やりてえことじゃないかな。歌を作りたいと思うことと同じくらいさ。





このメンバーでステージに立つだけで、日本一わがままなバンドだと思うわ。

なんの職業に就いてもおんなじなんだよな。大差ないんだよ。

プロになったからってなんにも変わってないんだよね。これを言っちゃうとさ、
プロ根性がない証拠だって、批判にさらされちゃうんだけどさ。

ロンドン行った時、みんな同じ惑星の上で生活してんだなぁ、と思った。





銃を持ってドンパチやるよりもセックスしてた方がよっぽどいいんじゃないの?

知らないことって一番よくないからさ。

なんにも知らない人が「チェルノブイリ」を聴いて、自分でいろいろ本を読んだり、
考えたりしてくれれば、それでいいんじゃないかと思うよ。

地球を征服した奴は月もほしくなるんですよ。





わけわかんない田舎もんだったからや、東京に行って、音楽やりゃあ
なんとかなると思うとった。その結果がブルーハーツ。

雨でも降らんと野外でやる意味がなかろう。

僕、嫌いな科目いっぱいあったよ。音楽に図工に体育に遠足に運動会にお楽しみ会。

だって、なんかやんなきゃ駄目でしょ。ボーッとしとれんからな。





どんなに失敗しても飯はくってけるんですよ。

でっかい会場でやりゃあいいってもんじゃないよ。だって、金さえあればなんでもできんだからさ。

夏になったら北海道で暮らしゃええが。冬になたら九州で暮らしゃええが。
できるが、わしらには。あんまり、ひと所に落ち着こうとすると苦労するで。

CDで聴いても、テープで聴いてもソウルはおんなじですよ。





ビートルズの本には僕の知らない別の生き方が書いてあった。

ロックは当時、自分のまわりにあった壁を全部壊して、扉を全部あけてくれたよね。

ブルースの人なんか、40,50で初めてレコード・デビューしてるんだよね。
だから、年なんか関係ないし、あせることなんかないんだよね。

なんとかなるのが世の中よ。





理想論とか語っててもしょうがないじゃん。
カッコ悪くても具体的に一歩ずつ進めていくしかないんだよ。

パンクは優しかったよ。正直で、真面目でさ。なんか涙出るくらいにやさしくてさ。

気にいった音が出ないから駄目だとか言うんじゃないと思うよ。
勿論、そういったものは詰めていくけどや、
一番大切なのは、どっちに向かって歩いてるかだと思うわ。
進んで行こうとする方向に俺らは凄い自信がある。





パイナップルの逆襲
僕は目上の人を尊敬しないとか、自分より先輩の人を認めてないとかいうのは、
何故かっていうと、初めてギターを手にした瞬間が、ロックンローラーとしては頂点なんだよ。
そこから下るかキープするか、2つの道を選ぶんだよ。僕達は、いつでもそうだよ。
初めてギター、楽器を握って、うわぁ、カッコいいこのギター、って思った、あの感じだよ。





人間が一番ふれることができないのが自分なんじゃねえの。
それにふれようとするからブルーハーツがあるんだと思う。

これからもなまいきな感じでやっていくんじゃないかなぁ。




 
 

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