医学的な病名は流行性耳下腺炎と言います。耳の周辺がかなり腫れる病気です。
 おたふく風邪ウイルス(ムンプスウイルス)によって起こる耳下腺の炎症です。
 5〜10歳の小さな子供がかかることが多いです。潜伏期間は2〜3週間。
 症状が出てから、約1週間〜10日で治ります。


<症状>
 耳の前、耳の下、顎の下がかなり腫れて痛みます。両側腫れることが多いですが、
 4人に1人ぐらいは片方だけのことがあります。腫れは7〜10日続きます。
 痛みのために食事がしづらくなります。
 約80%の人で熱が出ます。熱は2〜3日続きます。

<治療>
 痛み・熱を抑える薬を飲みつつ、ウイルスが体から抜けるのを待ちます。


<ご家庭で気をつけること>

 1.食事
  顎を動かすと痛いので柔らかく食べやすいものをあげてください。
  酸っぱいもの、味の濃いものは耳下腺を刺激するので避けましょう。
  冷ましたおかゆ、うどん、プリン、ぜりー、アイスクリーム、豆腐などが
  食べやすいと思います。
 2.水分
  十分に水分を取るようにしましょう。柑橘系のジュースは痛みます。
  牛乳、麦茶 ポタージュスープなどは飲み込みやすいと思います。
 3.入浴
  高熱、気分不快、元気が無いときは控えましょう。
 4.感染予防
  患者さんの唾液、鼻水、便などから出るウイルスから移ります。
  患者さんも、周りの人も手をよく洗うようにしましょう。
  トイレの後、オムツ代えをした後などが特に注意が必要です。


<心配なとき>

 高熱が3日以上続くとき
 水分が取れず、おしっこが出ず、ぐったりしているとき
 頭痛、吐き気がひどいとき
 こんなときは早めに受診してください。


<登園・登校について>

 熱が下がって、耳下の腫れがなくなるまでお休みしましょう。



<合併症について>

 1.髄膜炎を起こすことがあります。頭痛、嘔吐、けいれんなどの症状が出ます。
 2.精巣炎、卵巣炎になることがあります。思春期以前はまれです。
 3.
難聴、耳鳴り、めまいが起こることがあります。合併率は0.4%以下とまれです。