花粉症の初期療法


<私も花粉症です!>
 
耳鼻科医である私も20年以上前からひどい花粉症です。こんな鼻ならちぎって捨てたい!と思うくらい辛いときもありました。でも花粉症の初期投与を始めてから、春が怖くならなくなりました。マスクなしで外出しても大丈夫!
ここで、皆さんに初期投与のコツをお伝えしたいと思います。

<花粉症の初期療法とは>
 
花粉が本格的に飛散する前に、アレルギーの治療を始めることです。
花粉症の症状がひどくなってからでは治療の効果が薄く、強い薬を使わなくてはいけません。症状のごく軽いうちから花粉症の治療を始めると、つらい春も快適に過ごせます。

<初期療法についてのQ&A>

 Q1.いつから治療を始めたらいいのですか?
 A. 花粉症の季節になると、毎年予報が出ます。栃木県では大体2月中旬から本格飛散が始まることが多いです。その2週間前ぐらいからお薬を飲み始めるのが良いとされています。でも、過敏性に個人差がありますので、クシュン!として自分で「来た!」と感じたときからはじめていいと思います。
 
Q2.予防投与の薬って普通の花粉症の薬と違うんですか?

 A.いろいろある花粉症の薬の中から、第二世代といわれる抗ヒスタミン剤やアレルギーを起こす化学伝達物質を抑える薬を使います。あまり眠気の出ないタイプの薬で長く飲んでも大丈夫な薬を選びます。
 
Q3.薬ですぐ眠くなる体質なのですが、どうしたらいいですか?

 A.私も実はそうです。今は眠くならない薬も出ていますので、いろいろ試してみて自分にあった薬を見つけてから困らなくなりました。ご相談ください。ご自分にあった薬がきっとあると思います。
 
Q4.眼くならない薬では弱くて効かないんですけど。
 A.私もそうでした。1種類では効かないので、眠くならない2種類の薬を組み合わせて飲んでいます。更に点鼻薬も併用しています。組み合わせは個人に合わせて多様に出来ます。ご相談ください。
 
Q5.薬が最初は効いてましたが途中で効かなくなりました。どうして?
 A.花粉の量が日によって違うので、非常に多く飛ぶ日は、薬をきちんと飲んでいても症状が抑えきれないときがあります。日ごろテレビ等の花粉情報をチエックして、多く飛ぶ日はマスクでガードします。また、ひどい時用の薬を用意しておくのも良いでしょう。どうしても駄目なときには薬を変更した方がいいときもあります。ご相談ください。
 
Q6.調子がいいので薬を途中でやめたら悪化しました。症状がなくてもずっと飲んでなければいけないのですか?

 A.私もこれでいつも失敗していました。調子がいいので薬を飲むのを忘れてしまうんです。そして悪化してあわててもとの薬を飲むと効かないんです・・・。花粉の飛散にはいくつかのピークがあります。すごく飛ぶピークの時期と、谷間のあまり飛ばない時期。この谷間の時期に治ったような気がしてしまうんですよね。結論として、花粉症が毎年ひどい人はシーズンが終わる時まで薬を止めてはいけません。何故なら、せっかく初期療法で整えた体内のアレルギーに対するガードが崩れてしまうからです。油断禁物!


      
早めに花粉症の治療を始めて春を楽しみましょう!