下野三十三番観音霊場 
〜 観音霊場って何だろう? 〜

 神様・仏様をお祀りした霊験あらたかな場所を一般的に霊場と呼び、様々な御利益を授かるものとして、昔から多くの人の篤い信仰を受けています。このうち特に観音様をお祀りした霊場を観音霊場と呼び、これには、東京の浅草寺や東大寺、法隆寺の様に単独で有名な霊場と、七観音、三十三札所などと呼ばれる何ヶ所かがセットになっていて、これらを巡礼する形の霊場とがあります。
 「下野三十三番観音霊場」は、文字通り下野の国すなわち栃木県内の三十三ヶ所の観音霊場を巡礼するものであり、江戸時代に成立したと伝えられております。
 昔の人は、現代の様に、気軽に旅行を楽しむという様なことは、なかなかできず、巡礼とともに、名所を訪れ、旅を楽しめる所に巡礼が流行する原因があったように思われます。もともと、巡礼は修行の一つであり、清らかな霊場で身も心も清浄となし、道中では新しい出会いが生まれ、巡礼者と仏様のご縁が深まっていくのです。昔の人たちも様々な願をかけ、各札所を巡拝し、他の土地の風俗や慣習などを見聞し、自分自身を豊かにすることができたのではないでしょうか。
 由に、全国各地には、数多くの観音霊場があり、人々の篤い信仰を受けています。その中でも日本で一番早く成立したものは「西国三十三所」と言われ、この西国三十三と坂東三十三と秩父三十四とを総して「日本百観音霊場」と称しています。ぜひ私も一度はまわってみたいものと思っています。



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