現代人の法話 
〜 仕事の出来る人間に 〜

 世の中にはいろいろな人がいますが、職場にあって同じ仕事をしていても、人の半分も出来ない人もいれば、二倍以上の人も見かけます。どうしてこんな差ができるのかを考えてみますと、どうも能カのあるなしよりも、携わっている仕事にやる気と責任感があるかどうかに関わっているようです。
 不景気な世の中にあって、いずこでも人べらしが盛んですが、職種によっては人手不足で、高給を払ってでも雇いたい人物もあります。たとえば私の関係してい仕事で言えば、外国語から日本語に翻訳が出来る人はゴマンといても、日本語から外国語に翻訳出来る人はほとんどいません。いたとしてもその翻訳は稚劣でとても読めたものではなく、手直しに手間がかかり、かえって最初から自分で翻訳したほうが早いくらいです。
 今日の国際化時代にあって、文科省や教育委員会では幼少時からの小、中学校での外国語教育を奨励し、カリキュラムに組み入れていますが、日本語ですら正しく読み書きが出来ないのに、外国語を学習させてはたして効果があるのか大いに疑問です。もちろんローマ字や外来語の氾濫する世の中であってみれぱ、ある程度の外国語(特に英語)の基礎知識は必要ですが、受験以外に必要性や使用頻度の低い外国語を学習して何の役に立つというのでしょうか。実際に外国語を必要とする人に対しては、海外留学や滞在で特訓して専門家を養成すればよいのであって、すべての人が外国語に通暁する必要はないと思います。要は、目先ばかりの国際化や、単に単位や資格を取得するための外国語教育ではなく、実質的に外国語が使える人間を養成することです。



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