現代人の法話 
〜 死者はどこにいるか? 〜

 「霊魂」とか「魂」とかは一体、存在するのか、と問われることがありますが、貴方はどう答えますか?たとえぱ亡くなった両親とか友人は肉体は滅びてしまったのだからこの世に存在しないのは確かですが、ではその霊は存在しないのかといえぱ、そうとは言い切れない何ものかがあると言わざるをえません。そうでなけれぱ葬儀や追善供養やお墓参りをする必要もなく「死ねぱすべて無に帰し、何も残らない」ことになります。
 確かに霊は物質ではないのですから見て触れることが出来ず、その存在を科学的に証明することは不可能ですが、あることは確かです。それは関係者の心の中にあると言ってよいでしよう。それは故人に対する関係者の記憶や影響の中にあり、それが陰に陽に関係者に働きかけており、位牌や仏壇やお墓の前で故人の霊に対したときに、あたかも生前中と同じように、故人は語りかけてくれる存在なのです。
 もし「それは幻覚や迷信だ」と言って一笑に付す人がいるとしたら、血も涙もない人非人と言ってよいのではないでしようか。



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