現代人の法話 
〜 自分史を綴ろう 〜

 おそらくこの寺報を読まれている多くの人は年配者だろうと思います。が、いつまでも生きていられるわけがなく、それがいつになるか私たちには分かりませんが、早晩、訪れることは確実です。それまでどういう生き方をしようと本人の自由ですが、せめて「自分の一生に悔いはない」と納得して、あの世に行きたいものです。それにぱどうしたらよいか?
 今、「なぜこの世に自分が存在するのか、如何によく生きられるか」について、答えを模索している人が大勢いると思います。そこでそういう人のために自分の苦労、失敗、成功など、自分の書きたいことや、他に伝えたいこと、残したいことを記してみたら如何でしょうか。
 それは何も大仰なことでなく、メモや日記や私家版で、「自分史」を記録することによって自分の人生を総決算すれば、それが読む人のためにもなると思うのです。そうした形をこの世に残すことによって、たとえ自分がこの世から去っても、形が残り、いつか誰かの目にとまり、何らかの影響を与えることができると思うのです。私たちはできないのではない、やらないだけなのです。




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