現代人の法話 
〜 やる気のある人になる 〜

 最近のわが国では、政治も経済も教育も八方ふさがりの感があり、国民は出口の見えない闇の中で、その日暮らしを余儀なくされているようです。この不透明な世の中にあって、危機感を抱かず「いずれ何とかなるだろう」と安閑としているのが実情ではないでしょうか。
 「こんな日本に誰がした」と、やぶれかぶれになって周囲を責め、相手から貰うことばかりを期待しないで、自立することです。それより、自分が周囲に何を寄与できるかを考えることです。それには、次の三点に留意すべきではないでしょうか。
 第一には、ただ単にマスコミから流れる面白可笑しいどたばた劇や、表面的な情報に惑わされることなく、真に重要な内外の情報の把握に興味と関心を抱くことです。というのは、わが国は依然として鎖国的状態で、国民の多くは世界の実情を知らされず、また、知ろうともしないからです。
 第二には、そうした実情を知ったからには、わが国を改善するため、自分の所信を発し、勇気とやる気をもって実行に移すことです。たとえそれが実現できなくても、「自分にやれた」という満足感や充実感が味わえると思います。及び腰で問題の先送りをしていたのでは、何時までたっても、改善は不可能でしょう。
 第三には、わが国が辿った歴史を振り返り、そこでの成否を反省することです。かつては軍事、経済、技術大国を目指して近代国家に仕立て上げたわが国は今後、人口、資源共に豊富な中国やインドなどの新興国家に太刀打ちできそうにありません。そこで生き残る道は他国に真似のできない、木目の細かいサービスを提供する職人大国になることだと思います。それには具体的にどうすべきかを、政治家、国民共々、熟慮し実行に移すべきでしょう。




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