現代人の法話 
〜 英語教育について一考 〜

 文部科学省では中央教育審議会の答申に基づき、平成二十三年度から全国の五年生以上の小学生に語学教育を必修にすることを決定し、既に実施に踏み切った学校もあります。
 国際化時代にあって、外国人との意思の疎通や交渉には外国語に通達することは不可欠で、とくに英語の読み書きや会話に堪能になることは大賛成で、今や遅きに失した感があります。
 海外に一歩踏み出すと、かつての欧米諸国の植民地では必要に追られて、現地人は子供でも母国語以外の外国語に堪能です。その点、わが国では一般にその必要を感ぜず、官民揃って大人でも不自由なく外国語を操る人はごく少数です。
 IT時代にあって一般国民も外国語習得は益々必要且つ重要の一途を辿ることは必然ですが、基本的な教育は必要ながらも、それを教える教師にその能力や実力があるのか疑問です。というのは私自身、今まで半世紀近く英語に親しみ、読み書きにあまり不自由しませんが、母国語並みとは言えません。学生生徒も、学校では一応学習し、卒業後は、はたしてどれほどの人が普段、必要を感じ、使うのか疑問です。それよりもまず正しい日本語で自分の意見が言える学習が先決でしょう。




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