現代人の法話 
〜 自分の死と直面せよ 〜

 とかく世間では3Kと言われる「危険、汚い、きつい」仕事には付きたがらず、避ける傾向がありますが、ここのところ、そうした蔭の仕事に携わる人々がようやく世の脚光を浴びるようになりました。  というのは、去る2月22日に米国ロサンぜルスでの第81回外国語映画のアカデミー賞に我が国の滝田洋二監督の「おくりびと」が入賞したからです。
 かつてはマスコミでは「死」を取り扱うことはタブー視され、私たちも「死」を語ることをなるべく避けたい気持ちがあったようです。こうしたことから「死」を美化し「汚い」といわれる仕事に携わる人を「隠亡」などと称して、賤民扱いして来たようです。
 しかしながら、いくら「汚い」と拒否したところで、私たちはいずれは死を迎え、時間の経過と共に肉体は腐敗し、汚臭を放ち朽ち果てて行きます。そして、こうした仕事に携わる人のお世話になることになります。
 今日では「死」とか「ガン」を包み隠さず、自分事として受け止め、その中から孤独に生きる尊さと、生かさせて頂く有り難さを感得する気風が生まれつつあるようです。それに気づかない人が自殺などに走るのでしょう。




Back