現代人の法話 
〜 買い手の立場に立つ 〜

 モノ余りのデフレ時代にあって、消費者は余程必要なものでない限り、買い物をしないようになって久しい。その中にあって売れている品物といえぱ、安くて、新しくて、個性的なモノで、そうしたものを売る店はいくら世の中が不景気とはいえ、商売繁盛しているようです。要は売り手がお客に「何を売りたいか」に腐心するのではなく、お客が「何を買いたいか」に焦点を当て、その二−ズに応えることにあります。
 アメリカの経済学者ピーター・ドラッカーはこの点に関して「企業の目的と使命を定義するとき、出発点は一つしかない。それは顧客である。顧客は誰かの問いにこそ、個々の企業の使命を定義する上でも、もっとも重要な問いである」と述べ、「顧客は常に一種類ではない。企業は二つの、そして二つだけの基本的な機能をもつ。それはマーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。真のマーケティングは顧客からスタートする。われわれは何を売りたいかではなく、顧客は何を買いたいかを問うのだ」と。
 こうした基本的な欲求を無視して、世の多くの企業体は多額の手間ヒマを投入し「自ら売りたいもの」を顧客に押しつけては効果があがらないとボヤいているようです。その結果、どれほどの効果があったかを追跡調査し、自己反省をすべきでしょう。





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