現代人の法話 
〜 大震災から一年 〜

  

千年に一度といわれる未曾有の震災から一年が経とうとしている。日本中を悲しみで覆ったこの震災は、私たちに生き方≠深く問いかけるものとなった。

この大災害に対して、「私も何かしなければならない」そう考えてボランティアや寄付に多くの人々が動いた。人は自分の力が他者の役に立った時、それは喜びや充実感となり、自分の気持ちも救われる。私自身、失われた多くの命、被災し未だ身も心も癒せない人々の事を思うと、義援金以外に何も出来ない無力感にうちひしがれるが、そんな私でも毎日のおつとめ(読経)の中でお念仏を申し、亡くなった方のご供養をさせていただいている事が自身の救いになっている。

 

また無縁社会といわれ、自己中心的な考え方が蔓延し、人と人との繋がりが希薄になっていた中、絆=`家族の結びつき、地域の結びつきが見直された。震災は人が支え合うことで強くなれる事を思い出させてくれた。

復興までは長い道のりになるだろう。だからこそ周囲の人々とお互いに支え合い、人の役に立つ事を自分の喜びとする生き方≠進みたい。これを仏教では菩薩道≠ニいう。




Back