現代人の法話 
〜 生きている人のための仏教 〜

  

仏教の役割は?と聞くと多くの方は、ご法事やご葬儀などのご供養と考える事でしょう。それは確かに大切な事であるが実は仏教はそれだけでは無い。

二千六百年前のお釈迦様の時代、仏教とはいかに正しく生きるか≠教え示してくれる教え、生きている人のための教えであった。現在のご供養中心の仏教は日本に仏教が受け容れられる過程で変化したものであり、本来の仏教は生きる道を示すものである。勿論、仏教のご供養も人として大事なものである事は言うまでもない。

「二十一世紀は心の時代」と言われて久しいが、相変わらず経済重視、政治不信の風潮の中、私は今こそ仏教が必要な時代だと感じている。かつてお釈迦様は「聡明な人は、奮い立ち、努めはげみ、自制、克己によってよるべ≠ニしての島をつくる。激流もそれをおし流すことができない」と語られた。よるべと言うのは生きる支えであり、指針でもある。今こそ私たち一人一人が確固としたよるべ=島を作って、この激流とも言える現代〜混迷、不安な時代を乗り切り、誰もが不安なく幸せに生きていける新しい価値観を作る必要がある。

 

そのよるべ、島を提供して下さるのが、仏教=お釈迦様の教えである。当山では毎月「仏教講話の会」、隔月で寺報を発行し、また様々な行事も開いている。ぜひ多くの方と共に仏教の教えに触れ、より正しく、心安らかな日々を築いていきたい。




Back