現代人の法話 
〜 人生は選択集 〜

 

私たちは毎日生きている中で様々な選択をしている。小さいものは食事の献立や見るテレビ等から、大きいものは進学や就職先、縁談等まで様々な選択があり、その積み重ねで今の自分がある。題名通り、人生は選択を集めた選択集≠ナある。

ところで浄土宗には選択集≠ネる書物がある。宗祖法然上人が公に撰述された唯一の書にして、お念仏の教えの正しさを記した大切な書、正式名称を『選択本願念仏集』という。なぜ選択なのかと言えば、阿弥陀様がその本願=衆生救済の行として念仏を選び取られたからである。全仏教の中には難しい学問、厳しい修行など仏教の修行は数多ある。しかし阿弥陀仏がなぜお念仏を選ばれたのか?それを法然上人は「お念仏ならば誰にでも易しく出来る。誰にでも出来るお念仏ならば、すべての人が救われる。その他の修行は厳しく難しいからすべての人に通用せず一部の優れた人しか救われない」とその理由を明らかにされている。つまり阿弥陀様の選択の価値基準、価値観、はすべての人が救われる≠ニいう事からなされているのである。修行内容の優劣よりも、救済の対象…すべての人が等しく救われることを最優先されているのである。法然上人以前、仏教は皇族貴族等の特権階級しか触れる事が出来なかった。しかし法然上人によるお念仏の御教えの確立によって、すべての人を救う尊い道が開かれたのである。

さて人生もまた選択の連続である。大切な選択をする時、あなたは何をその基準、価値観にして選び取っているであろうか。自分の希望・夢、義理人情、損得勘定、周囲の意見、直観、好き嫌い、周りに与える影響等々、その時その場において様々な事が考えられる。そこで一つ提案したい。その基準の第一に仏様の視点を取り入れる事である。それが仏様の教えにかなった正しい事なのか?周囲のみんなが幸せになる事なのか?そして亡きご先祖様やご両親、大切な方が支持し喜んで下さることなのか?

善き選択を重ね、善き日々を共に歩んでいきたい。




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