現代人の法話 
〜 大規模自然災害に思う 〜

千年に一度と言われる東日本大震災、そして今夏の広島の大規模土砂災害、さらには御嶽山の大噴火、昨今、実に多くの自然災害が起こり、多くの方の尊い命が失われてしまった。

仏教は「善因善果、悪因悪果」を説く。善行には善い結果、悪行には悪い結果という意味だが、自然災害はこの考え方の範囲外にある。何の悪因もない方がただその時そこにいたというだけで災害に遭う…理不尽極まりないのが自然災害である。

ではそれに対して私達はどう受けとめるべきなのか? 持論を言えば、大いなる自然の前では、無力でちっぽけな私など何も出来ないのである。しかしそれでも自分に出来ることを精一杯やる。そして極論になるが、いつ何時、自分の命が失われる機会が来たとしても、後悔しない生き方を心掛ける事である。

言葉で言うのはたやすいが、その境地に達するには相当大変な事だ。しかし、私達には阿弥陀様がいらっしゃる。「南無阿弥陀仏」と称えれば、私を見守り、導いてくださる。「宗教とは、災難が来ないように祈るものでなく、どんな災難が起きても受けとめる力を与えてくれるものだ」という尊い言葉もある。


「後の世もこの世も ともに南無阿弥陀佛 仏まかせの身こそ安けれ」


その心で今この瞬間をしっかりと歩んでいきたい。




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